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結局、子どもの頃の夢は叶えられなかった。

◆子どものころの夢

わたしのもっとも古い記憶の一つに、駅で電車を眺めているというものがある。
おそらく3、4歳くらいのころ。すぐ側には祖父がいて、にこやかにわたしのことを見つめている。

わたしはそのころ、電車の運転手になりたかった。

幼稚園でも、「将来の夢は?」と聞かれることがたびたびあったが、それらにも『電車の運転手』と書いたのをうっすらと覚えている。

子供は、特に男の子は、大きくて動くものが好きな傾向があり、わたしも御多分に洩れず、そういった男児の一人だった。駅で何時間も電車を見て、祖父が「そろそろ帰ろうか」と言うたびに「まだ!」と返し、それでも帰ろうとすると全力でグズった。

家に帰ると、まもなく母が帰ってきて、「今日何してたの?」と聞くので、「電車見に行ってたの」と、グズって祖父に迷惑をかけたことなどはコロッと忘れ、電車について一生懸命に語った。まったく我ながら厄介な子供だったと思う。

子供の頃の夢なんて、往々にして移り変わっていくものであるが、幼稚園、小学校時分のわたしの夢はたいてい乗り物に関するものだった。電車の運転手、飛行機のパイロット、船の船長さん、など。乗り物がすごく好きだったのだ。

◆今何してる?

結局わたしは、電車の運転手にはならなかった。
それだけでなく、乗り物に関する職には就かなかった。

代わりに、書店員になっていた。(もう辞めちゃったけど)

高校くらいから本をよく読むようになり、それが大学に入って本格化。紆余曲折はあったが、1番長く勤めていたのは、書店員だった。乗り物とはまったく関係がない。

しかし、書店員はわたしにピッタリの職だったように思う。本が好きで、人と関わるのが好きだからだ。書店員は意外と力仕事が多く、たまにクレームに悩まされるが、それでも良かったという思いしかない。

電車の運転手には、ならなくてよかったと思う。運行ダイヤに縛られ、お客さんと関わることが滅多にないように思うからだ。成長して自分のことをだんだんと知っていくうちに、向き不向きがわかるようになってきて、やはりわたしは裁量権がある程度自由にあり、お客さんとコミュニケーションが取れる職が向いているように思うのだ。

他のみんなはどうなのだろう。
子供の頃の夢を叶えたのだろうか、それとも違う職業に就いたのだろうか。

いろんな人の夢を聞いてみたいものだ。

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こちらの記事は、ゆうらさんの『noteを読み合う会』のテーマに沿って書かれた記事です。

テーマ:子どものころの夢は何でしたか?また、今はどうなっていますか?

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