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【能登半島地震】学生ボランティア活動報告⑥
⓪はじめに
能登地震での震災復興を学生主体で行う会「わかものと」です。
今回の活動は、株式会社御祓川やETIC.をはじめ行政も関与する現地中間支援組織を中心とした復興支援ネットワークの支援活動を行っており、学生が独断で行動していることはありません。現地との調整を経て要請を受け、今後始まるボランティア投入に向けた先遣隊を出したという経緯です。
個人での現地入りすべき時ではないという世間の考えには同感です。
一方で支援NPOや、JCなどの物資支援などはすでに様々な活動をしていますがそのうちの一つに私たち学生が加わるという認識です。
現地入りに際しては、東日本大震災や中越地震のときの復興支援機関などから食事や水などの持参などのポイントをレクをうけ、滞在は現地団体のもとで、ETIC.や株式会社御祓川にコーディネートにも入ってもらっております。
①概要
活動期間:1月18日(木)~1月19日(金)の2日間
地域:能登地域 七尾市
活動目的:継続的な支援の為の土台作り
メンバー:能登地震学生グループ「わかものと」今村・伊藤
②活動記録
1日目:1月18日(木)
今村は金沢に前入りし、早朝に車で出発。
七尾市内の学生ボランティア拠点で伊藤と合流し、派遣先の七尾市立中島小学校(避難所)に向かいました。
前日までに現地ボランティアを行った学生よりオンラインで引き継ぎ共有(以下のnote参照)を受け、現地入り。
![](https://assets.st-note.com/img/1711815673543-6Mu0Jm9E2v.jpg)
避難所までの道は亀裂が走り、毎日適当なルートが変わります。昨日通った道が今日通行止め、ということもあります。
9:00 七尾市立中島小学校到着
七尾市の方が中心となり、全体ミーティングを行いました。
私たちが現地滞在した日には京都市の方や災害派遣医療チームDMAT(http://www.dmat.jp/dmat/dmat.html)の方等がいらっしゃり、共に仕事を割り振っていただきながらボランティアを行いました。
・給水タンクの台座作成
![](https://assets.st-note.com/img/1711816338719-tbK0v5gTZe.jpg)
初めに保健室にて、手洗い場用の簡易的な給水タンクの台座を作成しました。
七尾市は現在断水しているため(1月18日現在)、給水タンクを使って水を使っています。
しかしこの給水タンクが重く、手洗いするたびに持ち上げることが難しいということで、台座を洗面台の高さに合わせて作成しました。
段ボールとテープで強度に耐えられる台座を作成することはかなり骨が折れ、調整に調整を重ねて上記のものができるのに1時間半をかけてしまいました。
・避難所内の殺菌消毒
避難所内では新型コロナウイルスが流行を始め、隔離施設に分けても菌の蔓延を避けることが難しい中で、せめて人が手に触れる場所だけでも除菌をして対策を行います。
昼食
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滞在時は牛角のグループの株式会社コロワイドさんが毎日炊き出しに入ってくださりました。(避難者の方々に十分に行き渡ったことを確認した上で我々ボランティアスタッフもいただきました。)
温かくて、ボリュームのあるご飯を食べられることが非常にありがたいなと感じるとともに、このような非常事態の際、一定人数の社員の方や食品リソースを支援に使うことができる会社は、普段からある程度の想定をしているのかななど考えさせられました。
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・避難者に対して仮設住宅利用有無のヒアリング
現在中島小学校にすまれている方々にお声をかけ、家の被害状況と今後仮設住宅に住むことを検討しているかのヒアリングを行いました。
やはり自分の通院している病院や住み慣れた場所からの移動には抵抗を感じられる方もいらっしゃり、「危険、だから移動する」という単純な論理ではないのだということを再認識しました。
・新規避難所教室の掃除・消毒
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感染症拡大は現状も、また今後も引き続き起こるため、避難所も部屋数を増やします。(受け入れ人数を増やすというよりは、部屋ごとに分ける必要性があるのかなと感じました。)
現状使われていないフロアの部屋を掃除し、消毒を行い、使えるように整えます。
中島小学校でのボランティア活動は16時ごろに終了し、今回我々学生ボランティアを受け入れてくださるまちづくり会社「株式会社御祓川」(https://misogigawa.com/)のオフィス戻り、有志でお仕事のお手伝いをさせていただくことに。
・オンラインショップの発送処理
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御祓川は能登半島の素敵なものを販売するECストア、「能登スタイルストア」を運営しています。https://notostyle.shop-pro.jp/
今現状は能登半島の製品は新規で生産することができませんが、まずは製造が終了している製品を販売することで金銭的な支援を生み出しています。
そのため製品購入の依頼が多く、発送が追いついていない分の発送手伝いを行いました。
物販購入という支援方法だと、支援をしつつ現地のものや文化も知ることができます。(私も赤なまこ石鹸を購入しました。洗顔に使ってます)
・夕食@ジョリーパスタ
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夕食を取ろうと七尾市に戻ると、LINEの公式アカウントから飲食店の営業情報が。
ジョリーパスタを始めとするいくつかのお店が徐々に営業を再開し始めていました。
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お水はセルフサービス。
![](https://assets.st-note.com/img/1711815673230-Iv45FHr1Ie.jpg)
食器は紙などの使い捨てのものを使用。
現地に入る前は復興の順番は「第一救命→インフラ→住居支援→経済活動」というように綺麗に分かれていると思っていました。
しかし断水の中、街中で営業再開をしている飲食店を見て、人の生活はこんなに綺麗な順番で変化するのではなく、目の前のものにそれぞれが向き合っているのだなということを再認識しました。
2日目:1月19日(金)
二日目も同様に中島小学校でのボランティアを行いました。
・段ボールの回収と支援物資の搬入
避難所には日々各地域から支援物資が届きます。それらを包んでいた段ボールを回収車に乗せ、新しくきた避難物資をとにかく体育館に運んで行きました。
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・給水車の整理手伝い
中島小学校は給水車の拠点にもなっています。市内が断水しているため、街中から水の配給を受け取りにいらっしゃる方々の整理や手伝いを行いました。
![](https://assets.st-note.com/img/1711815674166-ALQlVoNWXR.jpg)
・支援物資の底上げ/衣類の仕分け作業
支援物資の中でも消耗品(おむつや生理用品など)は避難所の廊下に自由に取りに行けるように並べられます。
![](https://assets.st-note.com/img/1711815673683-bsgJG9TfWp.jpg)
床に直置きしてしまうと衛生面が不安であることから、段ボールで台を作って高さを出したり
![](https://assets.st-note.com/img/1711815673687-WrG7PvGwag.jpg)
まとめられて置かれていた衣類を種類やサイズ、夏物冬物、男女といった分類をつけて行きました。
このようなお仕事は直接人命や場所の維持に関わるという訳ではないので手が回り切っておらず、少しずつ空いた時間で空いた人手で行っていました。
自分自身、今回の震災においては支援物資を送ろうか迷ったこともありました。
ただ、今回実際に手を動かしてみて、洋服の分類分けや選択、折り畳みなどは距離が離れていてもできることであり、むしろ行っておくことで現地の負担を減らすことができるよな。と感じました。
ここで私のボランティアは終了し、金沢・東京に戻りました。
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今日もまだそこにありました。
③現地に行ってみてわかったこと・感じたこと
私はまだ学生ではありますが、ほぼフルタイムで働いている仕事先があることから、かなり短期間の滞在という前提で受け入れていただきました。
現地に実際いくことで私ができたことは非常に少なく、長期的に滞在できないこと、引き継ぎが十分に行えないことによる力不足を感じました。
しかし、現場に入って手を動かすことで、恐らく良かれと思ってしてくれた支援によってボランティアの工数が増えていることへの違和感や、断水の中でも再開するお店、会社として支援活動を行う力があることなど、一次情報を見ることから現状を知り、今後に何を持ち帰るのか?地元に戻った後に何を行動するのか?をより鮮明に考えることができました。
現場は現場であり、効率だったり順番だったりといったことより、「今この瞬間をどのように突破するか」という思考が大前提となっているように見えました。(特に、段ボールをなんとか組み合わせて給水タンクの底上げ台を作っている時に感じました。1時間かけて出来上がったものの強度も低く、申し訳ない。と思いつつも、簡易家具が現場に無い今この瞬間は必要なものではあります。)
後ろ向きな発言を被災された当事者の方がしていない状態で、我々が日和っていてはいけないなとも感じました。
現地の方や被災した友人に話を聞くと、まずはこの出来事を忘れないでほしい。と口を揃えて言います。これは感情的な話だけではなく、記憶に留めることで、次に類似したことが起こった時に然るべき体制や姿勢で向き合える人をどれだけ増やすことができるか。という話でもあると思います。
結果的にボランティアをする側は、現地で必要とされていることを行うことが第一ではあるものの、では自分は何ができるか。を外野的ではない視点で見ることができるきっかけになりうることも実際に行く意義ではないかと思います。
学生はもちろんですが、個人的には忙しい社会人の方も、数日でも時間をとって足を運ぶべきなのではと思います。今目の前の支援という点でも、次に繋げるという点でも。
④私たちの活動・支援スタンス
現地のニーズに応えることを1番に活動を進めていきたいと考えています。実際にボランティアや支援を経験したことがある方々からお話やアドバイスをいただくことで、心構えと自分たちの役割を把握した上で向かうことを事前に行い、現地へ向かった時には、地域の人と協力し合い効果的に持続的に支援を行うことを目指します。持続的に人を派遣することで学生メンバーのマンパワーを発揮していきます。活動を継続的に行うために、お金のない学生に対して、 活動の支援資金を集めて、被災地の支援のために使っていきたいと考えています。
私たちの団体の強みは、過去の震災経験の受け入れサイドとボランティアサイドの方をアドバイザーに迎え、東日本大震災や中越沖地震などの知識を共有する勉強会を実施していることです。
また、先遣隊を派遣し、現地の地域団体やNPO法人等と緊密な協力体制を築いています。これにより、確かな知識と信頼性のある受け入れ先を把握し、初めて行く学生でも行ってすぐ活動を行う安心感があります。
引き続き「わかものと」では活動メンバーを募集します。
ご参加を希望される方はこちらのフォームまでお願いします。
「わかものと公式LINE」を登録し、スマホ画面上で一括で応募・活動報告・経費申請が可能です。
活動報告はこちらでもご覧いただけます。
公式Webサイト
https://preview.studio.site/live/ogO0wgvDW2/
公式X
https://twitter.com/notofukkou
公式Instagram
https://www.instagram.com/notofukkougakusei/
⑤寄付のお願い
【令和6年能登半島地震】
「現地で支援活動する学生を増やしたい」
この活動を継続的に行うために、お金があれば活動ができる学生に対して、 活動の支援資金を集め、被災地の支援のために使っていきたいと考えて、私たちの活動がより長期的ボランティアに展開していくためにご寄付を募ることとなりました。もしご支援いただける方は下記の口座へよろしくお願い致します。
その間運営では、持続的に学生の中から必要な人手を提供できる体制を整え、自治体や民間組織との連携を強化しています。
まだまだ現地の復興は始まったばかりです。被害がまだ大きいところもあります。現地の方々の笑顔を増やすべく、私たちは活動していきます!
私たちの活動は、支援者の方のご協力が不可欠です。もちろんお金のみを寄付するサイトも数多くあり、そちらの方々のご支援もとても重要ですが、私たちのような実際にボランティアに行く学生にご寄付をいただくことで、学生が地域に貢献する姿を応援していただけると嬉しいです。
よろしくお願い致します!!
▼口座情報はこちら▼
ノウダ カオル
金融機関名 PayPay銀行
金融機関コード 0033
店番号(支店コード) 007
支店名 かわせみ支店
口座番号 3266065
預金種別 普通預金
また、お金以外でもご協力をお願いしたいものもございます。
【現在ご協力をお願いしたいことリスト】
・徳島県からボランティアに行く学生が使う車両を保管するため、徳島駅周辺の駐車場を貸していただける方
・JR中央線並びに西武新宿線沿線の駐車場を貸していただける方
・金沢駅周辺の駐車場を貸していただける方
・関西圏の学生団体の代表や大学の教授の方のご紹介をしていただける方
を募集しております。
お願いばかりで恐縮ですが、いただいた資金・資源をもとに全力で震災復興に向けて頑張ります。
これからも皆様のご支援ご協力を心よりお願い申し上げます。