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FS能登8期 第1回現地訪問(前編)

 こんにちは8期のこうへいです。
 この度我々8期は7月5日から7月7日にかけて能登町を訪問してきました!歓迎してくださった能登町の皆さん本当にありがとうございました。
 活動内容としては
①珠洲市・輪島市の視察
②山口集落の訪問
③能登町の視察
④キックオフミーティングの参加(後編)
④あばれ祭りの参加(後編)
です!
 これから前後編に分けて8期の皆さんがまとめてくれた活動内容についてご紹介していきたいと思います。
最後まで是非お読みください!


1.珠洲市・輪島市の視察

文責 8期らぎ

はじめに

 今年度から、東京大学FS能登町支援チームにメンバー入りしました。前身のFS(フィールドスタディ型政策協働プログラム)から数えて8期生のらぎと申します。
 7月5日・6日に能登町・輪島市・珠洲市に訪問させていただきました。今年1月1日の地震からちょうど半年を過ぎた現地を訪問させていただいて感じたことや、目にしたものについて、私は輪島市・珠洲市のことを中心にお伝えしていきたいと思います。

輪島市(のと里山空港から市の中心街まで)

 今回の訪問では、ANAの飛行機で羽田空港からのと里山空港までの便にて能登地方に上陸。私にとっては、能登地方は初上陸。ちょうど能登町の宇出津地区のあばれ祭りの開催日程に合わせての旅程であったため、飛行機はほぼ満席でした。
 空港から降りて目の前に広がっていたのは広い青空と東京よりも少し涼しい風ふく能登の地でした。めっちゃいいとこじゃない?そんな感想を抱いたのも当然かもしれません。一方で、空港の駐車場にも、地震の爪痕は残っていました。

空港の傾いたモニュメント

 空港の出入り口の真正面にあるモニュメントは傾いたままで、歩道も歩ける程度には修繕されているものの、あちこちにゆがみなどは残ったままになっていました。
 復旧と復興は全くの別物なのかもしれないと感じながら、お昼ご飯をとりがてら、輪島市の中心街までを移動していきます。山の中の道すがら、時折見える集落には1階のつぶれた住居や、土砂崩れの結果、土肌が丸見えになっている山々など、随所に元旦の地震のすさまじさをうかがわせる爪痕が残されていました。道路自体も、復旧が行われた形跡が随所にあり、いまだ交互通行の箇所もありました。
 そんな道中を小一時間走ったのちに輪島の中心市街地に到着。

輪島市中心部

 輪島市の中心部についてまず最初にしたのは、昼食休憩。事前に電話にて、営業していることを確認していた「お食事処 やぶ新橋店」さんを訪問。訪問時点では輪島の漁港ではまだ水揚げが行える状況ではなかったため、能登町の宇出津港で水揚げされた魚の刺身定食をいただきました!

刺身定食(ご飯大盛り)


 刺身うまかった。刺身だけじゃなくて一緒についていたお蕎麦もおいしかった。ごはん大盛りにしたら思ったよりも多くてびっくりでした。どうにか残さずに食べられてよかったです。
 昼食後は、市街地をすこし歩いて回りました。地震直後の火災で燃えてしまった朝市通りを中心に少しの時間歩き回るだけでもあちらこちらに爪痕が残されていました。とはいえ、なにも復旧、復興していないわけではなく、あちらこちらで片付けが行われている真っ只中であるという印象でした。

輪島市朝市通り付近にてチームメンバーが撮影

 私個人として、一番印象的であったのは、営業再開しているお店の隣の建物は立ち入り禁止の赤い張り紙がされているというような光景があちこちに見られたことでした。

輪島市から珠洲市見附島へ

 つぎは、輪島市をはなれ珠洲市に。通常であれば、直接輪島市から珠洲市に入れる沿岸沿いの大きな道路があるのですが、地震の後は不通となっており、輪島市から能登町を経由して珠洲市へ。やはり道中のあちらこちらで復旧の痕跡を伺うことが多くありました。う回路や片側通行などがあちこちで見られました。
 移動しながら感じたのは、少し移動すると明らかに変わる被災状況でした。傾いてしまったけど黄色の要注意の判定のため、まだ住むことができるお宅の隣には、完全につぶれてしまった2階建てのお宅があったり。地区によってはほとんどの建物が住むのは難しい状況にある一方で、どうにか住むことはできる建物が並んでいるような場所も。
 そんな道中を過ごしたのち、見附島が見える場所に。岸壁の一部が崩れて、地面が崩れ、モニュメントが傾いていました。

傾いたモニュメントと崩れた見附島

 この辺りは元旦の地震の後に津波が来たということでした。地面には砂が残っていて、この砂は津波で運ばれてきたものだそうです。案内板や街路樹などにも乾いた海藻がついているなど、津波があったことが時間がたった7月にもうかがえる痕跡が残っていました。

一見すると普通の写真…でも、右側の柱がなくなっています

視察を終えて

 東京にいるとついつい「能登」は大変なんだねとひとくくりにしてしまいがちですが、被災したものの自分の家に住んでいる/住むことができる方や仮設に移った方、そしてほかの地域に移った方など、それぞれに状況の異なった人たちが存在しているのだということ身をもって感じました。7月の状況をみたことで、復旧・復興は進んでいるとも、遅れているとも、安易に言うことはできないと痛感しました。このことを能登(主に能登町内)でお手伝いさせていただく身としては肝に銘じていきたいです。

2.山口集落の訪問

文責 8期めぶ

 2日目のお昼は、山口集落で過ごしました。
車を降りると、見渡す限りののどかな風景が広がり、心地よい虫の鳴き声が響いていました。空港から直接ここへ来た私は、能登に到着したことを改めて実感する瞬間でした。

医王山願成寺の前に広がる田園風景


 その日お邪魔させていただいたのは、医王山願成寺です。寺院に近づくと、まず目に入ったのは「整体」と書かれた旗。寺院を背景に風にたなびくその旗がなんともユニークで、強く印象に残りました。
 寺院の中で迎えてくださったのは、住職の中谷夫妻です。整体を行っているのが中谷さんだとわかり、その話題で一気に盛り上がりました。中谷さんからは整体の技術だけでなく、地域の歴史や文化についても詳しく、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。また、中谷さんはこの活動に数年前から関わって下さっており、私たち8期の4つ上の代、4期のにもさんとの再開も心温まる光景でした。


中谷さんとにもさん

 昼食には、したひら鮮魚店さんで購入した能登自慢の新鮮なお刺身が用意されていました。お刺身は見るからに鮮やかで、新鮮さが伝わってきます。実際に食べてみると、その味わいは期待以上で、頬が落ちるほど美味しかったです。能登の海の恵みを堪能しながら、全員で自己紹介を行い、和やかな雰囲気の中で楽しいひとときを過ごしました。 中谷夫妻には温かく迎えていただき、心から感謝しています。次回お会いする際には、ぜひ整体もお願いしたいです。

絶品お刺身!

3.能登町の視察

文責 8期のせばん

こんにちは。8期ののせばんです。

能登町内視察

8期メンバーでの町内視察は2日目に行いました。願成寺さんを訪問させていただいたのちに、松波から海辺に出た私たちを出迎えたのは打ち上げられた漁船でした。地震による建造物への被害が目立っていたここまでの訪問先と打って変わって、津波という今回の地震被害の別の側面を目の当たりにしました。頭が理解を拒むような光景に、美しいだけでない能登の自然のもつ力を実感し畏れを抱きました。

松波漁港そばの道路からの景色です。船の周りに繁茂する緑に半年の年月を感じました


 次に訪れたのは内浦総合運動公園です。こちらも津波による被害を受けたエリアで、まだまだ浸水している場所が多く、無人の体育館や風にささめく砂が強烈な静けさを感じさせました。道を塞いで寝そべる電柱、グラウンドを真ん中で区切るフェンスなど、”面で押される”津波による被害は地震によるそれとは切り離せないものの異質のものであるということが胸に刻まれた瞬間でもありました。

堆積した砂と道路の真ん中の水たまり、倒れた電柱から当時の様子が想起されました。


 運動公園から車で数分、我々が次に訪れたのは白丸地区です。沿岸部の白丸地区は地震と津波、火災による被害を受け、住民たちからは高台への集団移転を望む声も出ています。その一方、同じ地区の中でも立地により被害状況が異なることから住民間での意見も様々だそうです。訪れた海辺の白丸郵便局では窓や壁が大きな被害を受け、中を覗き込むと壁面の頭より高い位置に茶色い線があるのが確認できました。ここまで波が、海水面が上ってきていたという事実をどんな映像よりも雄弁にに語る一本の線にただただ衝撃を受けるばかりでした。

風が吹き抜けるたびにカーテンやブラインドが揺れる白丸郵便局は特に印象に残っています。


 この日、能登町内で我々が最後に向かったのは小木地区にあるイカの駅 つくモールとその隣りに鎮座するイカキングです。小木の特産品であるイカや能登町についての情報発信施設であるつくモールでは次の予定も相まって5分ほどの滞在でした。私はイカが大好きなので(食べるのも見るのも)イカキングにテンションが上がって真っ先に上に乗り込みました。新型コロナ対策の交付金を使って産まれたイカキングですが「税金の無駄遣いだ」という批判を浴びました。話題に上ったこともあり結果的には数億円の経済効果を生み出したという実績もあるそうです。

8期メンバーやOB、関係者のみんなで写真撮影をしました。

視察を終えて

 私が初めて訪れた能登は、町も人も道路も何一つとして半年前の地震の影響を感じさせないものはありませんでした。しかし、そんな中で能登のどこにいっても変わらず美しく、力強さを感じさせた能登の自然にただただ感動し、畏怖する3日間だったなと思います。そしてなにより能登で出会ったすべての人から受け取った前に進もうという気概、「やっぞ!」の精神に、能登の自然に生きる人々、魅せられた人々の美しさを感じました。今回訪れただけでは見ていない部分も多々あると思います。今後、能登の色々な部分を見ていきたいと思います。その中で、今回の訪問で感じた前に進む気持ちは今後も能登で活動していく上で大事にしたいです。

↓後編に続く…↓

https://note.com/notochoice/n/n4670d0c487e6


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