世界の名ボクサー:ラリー・ホームズ③「イーストンの暗殺者」

WBC・IBF世界ヘビー級王者。元王者、後の王者と世界王座防衛戦。スコット・ルドー戦、モハメド・アリ戦、トレバー・バービック戦、レオン・スピンクス戦ほかを紹介します。

ラリー・ホームズ(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①ラリー・ホームズ 7R TKO スコット・ルドー
(WBC世界ヘビー級タイトル戦、1980年)
(ダウンシーン)
6R:右フックでルドーがダウン
(感想:ホームズがタイトル防衛。レロイ・ジョーンズ戦に勝ってWBA王者ジョン・テートと統一戦をする計画だったホームズ。ところがテートがマイク・ウィーバーに敗北する番狂わせ。ルドーと7度目の防衛戦をすることに。挑戦者ルドーはミネソタ州出身の白人で、フランス系。アマチュアで活躍後、プロへ。デビューから連勝だったが、目の負傷によるTKO負けで初黒星。その後、デュアン・ボビック、ジョージ・フォアマン、レオン・スピンクス、ロン・ライル、マイク・ウィーバーに敗北。ケン・ノートンと引き分けたのが唯一の実績か? ミネソタ州での一戦。安定王者ホームズ。フットワークで踊りながら速いジャブ、右ストレートを突き刺す。ルドーは左を使いながら右を当てようとするが、ホームズのスピードについていけず空回り。時折ルドーのジャブがヒットするが、全体的にホームズがジャブ、右ストレートで優勢。パンチが当たらないのが納得いかないのか、ルドーはラウンド終了後もすぐにコーナーに戻らず歩き回る。リングサイドでは目立ちたがりのモハメド・アリが激しくシャドーボクシングして周囲の喝采を浴びる。6R、攻めるルドーだが、右フックがカウンターとなってダウン。7R、キズのチェックを受けるルドー。そして連打を浴びてレフェリーストップ。ルドーはストップに納得できない様子だったが、打たれ続けており、負傷もしていたためストップは致し方ないところ。シャープでパワフルなジャブで快勝のホームズ。次の防衛戦の相手はモハメド・アリ。一方、予想通り敗れたルドーはやはり二線級。その後、グレグ・ペイジとの全米ヘビー級タイトル戦にも敗れ、ホームズ戦が最初で最後の世界挑戦となった。しかし、その後も勝てなかったがゲリー・コーツィーら実力者と対戦。ラストファイトは英国の新鋭フランク・ブルーノにKO負け。引退後はTVのボクシングアナリストに。2004 年にはミネソタ州アノカの郡委員になり、スポーツ委員会や慈善団体で活動。2011年、ルー・ゲーリッグ病で死去。ボクシングによる後遺症とされている。)

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