稲架場を準備した感想
コンバインで刈り入れと同時に脱穀までできる現在では必要なくなった稲架場を準備しました。
教えてくださった方は7歳の頃から25歳くらいまで稲架場で稲を干していた経験を持っていてとても手際が良いのです。25歳から今では60歳過ぎている頃でしょうか、稲架場を作らなくなって長いのですが、それでも身に沁み込んだ経験からかテキパキと組み立てておられました。
結び方すらあやふやな我々に教えてくださりながら、です。
縄一本で絞れる男結び、手際が良すぎて目が追い付かない…稲架掛けしやすいように足場も組んでいきます。
重要なのは段取りの裏側
テキパキと作業されている。作業しやすいように足場を組む、稲架木の両端に竹の太いほうを持ってくる、両脇から縄で固定する、真中は適宜継ぎ足し縄で固定、稲架木の間隔が広ければ真中に木を立てて竹に縛ったのち地面に杭を打って縄で縛り固定する。長い経験から導き出された、失敗からもそして成功からも学んでいった効率の良い手順。我々はその上澄みをただ掬い取っているに過ぎない。その手順の根拠たるところを無視して動きだけ盗んでも仕方がない。大切なことは目に見えない。
うわべだけの理解というのは目の開いていない燕の雛のように口の中に餌を放り込まれるようなものだ。そのことを常に意識していきたい。
共通点があれば応用が利く
一朝一夕で何とかなる、と言うものではないと感じる。
教えてもらったからすぐにできるということでもない。
稲架木に一周縄を回すとしたらどれくらい必要か、直径πで円周が出せる、30センチだとしたら大体1メートル必要になるということがわかる。些細なことではあるけれど、これで大体の必要な縄の長さがわかる。そうすると準備が少しずつできる。計画を立てることができる。コンビニなんかの24H営業のお店でとりあえず揃えられる時代には必要のないことなのかもしれない。
ほんと、何でこんなことやってるんでしょうか、伊達と酔狂のような気がしないでもない。
でも、楽しいと感じてはいます。
今しかできない事である、とも。
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