記事16:電車遅延と晩夏の空
日本人の電車を待つときのマナーの良さがたまに話題になる。地震がおきたりして、電車のダイヤが乱れまくって、ホームに人が溢れるような状況でも大人しく整列している。というやつだ。
忍耐強くて礼儀正しい人たちなんだなぁ。という趣旨であることが多いが、あれって並んでおく以外に手段がないからというところが大きい気がする。文句を言っても電車は来ないし。
何かしら事情があって、帰るという手段を放棄するわけにもいかない人の集まりじゃないのか。
帰らないといけない、というのは分かる。でも朝の通勤電車が大きく遅れたとき、ホームはおろか駅構内まで並んで電車を待つのは分からない。
朝最寄り駅に着いて、どうやら電車が止まってるぞという状況のとき、僕は家に帰る。そしてもう一回ベッドに寝転び、あわよくばちょっと寝る。そしてTwitterでリアルタイムの混雑情報を見ながら、頃合いを見て出勤する。
朝の電車が止まったらラッキー、とみんな思わないのかな?と不思議でならない。だって会社に行けないの自分のせいじゃないじゃん。
去年の11月頃だったと思うが、最寄り駅を通る路線が大幅に遅延していた。駅で混雑を目の当たりにしてこれは無理だと家に戻り、ゴロゴロして、1時間ほどして出発した。
いつも通りの通勤ルートで乗り換え、もうすぐ会社と思ったら窓の外を見慣れない景色が流れている。電車は会社の最寄駅に止まらず通り過ぎていた。いつも利用している朝7時〜8時台には運行していない、快速みたいなやつに乗っていたのだ。その時まで、その路線に快速があったことすら知らなかった。
その快速はそれはそれは快速で、会社の最寄駅のあとも駅を軽く5つぐらい過ぎた。空港の近くまで来ていて、そこから戻るのも面倒で、何ならここからさらに間違えて空路で福岡にでも行ってしまおうかと思った。
ということなったのも、自分のせいじゃないじゃん。最初の電車が遅れたからじゃん。
電車に乗るときはちゃんと整列して前の人から順に乗り込んでいくのに、ホームのエスカレーターに乗るときは横からジャンジャン割り込みするの、アレ何なんですかね。
KICK THE CAN CREW『KICK!』
内容どうこうじゃなく、リリースされた時点で最高なアルバムが数年に一度ある。
KICK THE CAN CREW復活のアルバムがそれだった。
KREVAはあの頃よりKREVAしてるし、LITTLEはさらに高度に韻を踏んでいるし、MCUはラップのうまいゲームおじさんになった。
M-6『完全チェンジTHEワールド』のKREVAの
「配置変更 内心面倒 でもこんな人生愛してるよ」の一節は当時転勤続きだった僕の心にすごく響いた。