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能登半島地震 災害義援金について


①はじめに

①-1能登半島地震について

2024年1月1日16時10分、能登半島を震源としたマグニチュード7.6の大地震が発生しました。
9月3日の情報で、地震により337名(うち関連死110名)の尊い命が失われ、石川県内だけでも80,000棟超の家屋が被害を受けています。

出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

能登半島の大動脈である「のと里山海道」や「能越道」も大きな被害を受けました。

出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

②なぜこのnoteを書いたのか

②-1 わたしのこと

私は能登在住で、能登半島地震で被災しました。
自宅は半壊でした。一時は避難所で生活し、現在は半壊の自宅で暮らしています。
近所の方と一緒に、お年寄りなどに対して義援金の申請のお手伝いをしています。

②-2 わたしの思い

全国・全世界の皆様から災害義援金をたくさんいただきました。
過酷な生活を強いられてきた被災者にとって、皆様からの温かい気持ちと励ましの義援金について「ありがたい」と感じました。初めての義援金を受け取った際には涙を流しました。
義援金にご協力していただいた皆様に感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

②-3 その一方で、誤った情報やデマが

しかしながら義援金に関して、SNS上で誤った情報やデマが拡散されている状況を知りました。

X上のあるポストより
義援金が万博の開催のための費用として流用されていると読み取れるポストのひとつ


X上のあるポストより
義援金が被災者に1円も届いていないと読み取れるポストのひとつ

このような誤った情報やデマは、知らなかったり、勘違いされている方も多く、指摘すると「勘違いでした」「知りませんでした。教えてくれてありがとうございます」となる事がほとんどです。

しかしごく一部の方による、県知事や特定の政党への批判が義援金と関連付けて行われており、被災者にとって何のメリットにもならない状況に、被災者として困惑しています。

②-4 なぜこのnoteを書いたのかの答え

・義援金にご協力していただいた方へ感謝を伝えたい。
・誤った情報やデマに関して、正しい情報を発信したい。
・今後の復興に向けて、より一層の支援をいただきたい。

この3点を発信したいと思い、被災地からの生の声として義援金の情報をお伝えします。


②-5 このnoteを読む方にお願い

■能登半島地震では、石川県のほか、富山県や新潟県、石川県内の市町などの自治体でも災害義援金を受け付けています。
■このnoteでは、石川県の災害義援金について取り扱い、市町独自の義援金や、他県の義援金については取り扱いませんのでご了承下さい。
■私が独自で県のホームページなどから情報を入手しており、中には古い情報や、気を付けていますが誤っている情報がある可能性があります。予めご了承をお願いします。
■情報は随時更新していきます。が遅れる場合もあります。

③そもそも災害義援金とはなにか

③-1 義援金と支援金の違い

簡単に説明すると

  • 義援金…被災者に公平に分配される

  • 支援金…支援団体を通じて被災者の支援のために使われる

意味が混同されがちな言葉ですが、義援金と支援金の使途には明確な違いがあり、このnoteでは義援金について言及しています。

④能登半島地震の災害義援金の状況

④-1 義援金の受付状況(9月2日現在)

まずは、いくら義援金が集まっているか説明します。

  • 受付件数…310,480件

  • 受付金額…74,652,413,603円(約746億円)

740億円を超える義援金が石川県に寄せられています。

④-2 いくら義援金がもらえるのか

大きく、3つの基準「特別給付分」「人的被害」「住家被害」により義援金が配分されいます。

  • 能登6市町(七尾市・輪島市・珠洲市・穴水町・能登町・志賀町)にお住まいの方に1人あたり5万円

まずは1人当たり5万が配分される義援金があります。「特別給付分」と呼ばれています。

  • 死者・行方不明者 100万円

  • 重傷者 10万円

これは地震で人的被害を受けられた方(遺族)に配分される義援金です。「人的被害」と呼ばれています。

  • 全壊(解体世帯も含む) 180万円

  • 大規模半壊 135万円

  • 中規模半壊 90万円

  • 半壊 45万円

  • 準半壊 35万円

  • 一部損壊 10万円

地震で住家に被害を受けられた方に配分される義援金です。「住家被害」と呼ばれています。
半壊以上の方で、やむをえず解体された世帯は、「みなし全壊」と呼ばれ、全壊と同じ扱いを受けます。

住家被害・人的被害の義援金は、石川県内の全市町が対象です。珠洲市であろうが、加賀市であろうが被害の程度に合わせて平等に配分されます。


石川県HPより

④-3 義援金の配分状況

次に、被災者がどれだけ義援金を受け取っているのか。

  • 人的・住家被害 約6万6,000件、約256億5,000万円 配分済み (R6年8月末現在)

  • 特別給付分 約12万人、約60億円 配分済み (R6年9月3日現在)

④-4 「今現在」の義援金の配分額が少ない理由

「700億あって配分済みは300億?まだ結構残ってない?早く配分しないの?」との声もあると思います。
実はこれにも理由があります。
能登半島地震では、2万棟を超える住宅の「公費解体・自費解体」が予想されています。
この制度は、罹災証明で半壊以上の判定を受けた場合、自治体の負担により住宅を解体できる制度です。
この解体が完了しますと、半壊・中規模半壊・大規模半壊の世帯でも「解体世帯」となり、全壊と同じ額の義援金を受け取ることが出来ます(「みなし全壊」とも呼ばれます。
そのため、残りの金額は、解体を終えた世帯が申請した時のために「あえて残してある」のです。
なお、義援金配分委員会で決定している第一次から第三次配分までの配分額(予定)は667億2545万円(7月18日の石川県議会厚生文教委員会での発言)で、全体額の90%以上の義援金の配分がすでに決定しており、あとは解体や申請を待つのみとなっています。
また、残額や今後受付する義援金については第四次配分にて決定されます。

④-5 義援金が被災者の手元に渡るまで

作者作成

簡単な流れを図にしました。
石川県は三つの方法で義援金を受け付けています。

  1. 石川県令和6年能登半島地震災害義援金(石川県の義援金口座)

  2. 日本赤十字社石川県支部

  3. 石川県共同募金会

最終的には石川県が取りまとめ、被災者に公平に分配される仕組みとなります。

義援金の配分については、「石川県令和6年能登半島地震災害義援金配分委員会委員」にて決定されます。メンバーは以下の通りです。


④-6 義援金に関するタイムライン


④-7 私に義援金が来るまで


ありがたいことに、今までに50万円の義援金を頂きました。断水の間に増えた交通費や浴場の利用代・コインラインドリー代に充当させていただいたほか、家屋の修繕に利用させていただきます。

⑤義援金に関するデマを否定

⑤-1 義援金が万博に使われている!

このデマ情報について、石川県が2024年度当初予算案に計上した「大阪・関西万博関連の国際交流事業費」に、義援金が使われていると主張しているのかと思います。
これらの主張やこれに類する主張は「誤り」です。
義援金が万博などのその他事業に使われることはありません。
義援金はいくら知事であろうとも、被災者への公平な分配以外に使うことはできません。義援金の使い道(配分の仕方)は関係団体などで構成される配分委員会が決定します。

⑤-2 被災者に1円も届いていない!

義援金が被災者に渡っていないというデマもあります。
申請をしなければいけない事、公平性の担保から配分に時間がかかる事は確かですが、1円もわたっていないという情報は「誤り」です。
順次振込がされています。私の通帳の画像を添付します。

また、他の被災者も義援金が入金されたことをX上にて報告を行っています。

https://x.com/kagiT/status/1807678241924342018


⑥終わりに

能登半島地震では、まだまだたくさんの方が不便な生活を強いられており、皆様からの支援を必要としております。
義援金は、直接被災者の方を支援できる方法の一つです。
このnoteをお読みになられた方で、義援金に協力しよう!と思われた方は、ぜひこちらのページよりご協力をお願いいたします
皆様からの支援に感謝しつつ、能登の復旧・復興に向けて頑張って行きたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。


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