1992年、雪の思い出(1)
2024年2月初旬、久しぶりに東京で雪が降った。
今年の冬は寒暖差が激しく、このとおり2月初旬に雪が降ったと思ったら、日中20度を超す日もあった。
僕が雪を見て思い出すのは、決まって32年前の大学入試直前の大雪の日だ。
当時僕は現役での大学受験を失敗し、単身で状況、東京で浪人時代を過ごした。僕が育った家庭では予備校代を出す余裕などあるはずもなく、新聞奨学生という制度を使って予備校に通った。
・・・奨学金制度?
否、正確に言えばこれは奨学金ではない。朝夕の新聞配達と集金をこなすことで予備校代を出してもらう、つまり新聞奨学生というのは事実上1年間の労働の対価を前借りして予備校代に充てるという資金調達スキームなのだ。
(続く)
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