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Logic Proで同期のやり方【マニピュレーター機材編】

こんにちは。普段はマニピュレーターや作曲をしています。能登です。

近年では、冨田ラボ・柴咲コウ・和ぬか・さくらしめじ・遠藤舞・鈴木愛奈・豊永利行・浪川大輔・柿原徹也・吉野裕行・今井麻美・・・などなど挙げたらきりがないですが色々と細かくサポートさせて頂いております。

ライブにおけるマニピュレーターというのは、バンドの音を補ったり、音で合図を送ったりなど今のライブには欠かせない役割をしています。

その際に使用するコンピューターは様々な理由により止まることがあります。ライブの進行を止めるわけにはいかない為、プロの現場では必ずサブシステムを用意し、同時に再生しています(つまり、同期しています)。

左main/右Sub

先日、友人でもあるレコーディングエンジニアに「Logic Pro(以下Logic)でどうやって同期させてるの?同期した後サブはどうしてるの?調べても出てこない」と言われました。確かに検索であまり出てこないかもしれません。ちなみに、その人はメインとサブの同時に手動で再生してると言ってました…(つまり、同期してない!)。

確かにLogicでライブのマニピュレートをやっている人はあまりいなく、困ったときに検索をしても、まず同じようなことを悩んでいる人いなく探せないことが多いです。自分で時間をかけ色々試して解決してきました(これが大変なんです)。
「調べても出てこない」というのが発端でnoteを書いてみようと思った次第です。また、Logicでマニピをしている人を増やしたいという目標もあり書いてみました。

ある程度機材はあるのに「やり方がわからない…」という理由でやっていない方に向けた記事となります。「本当はサブも同期したい」「諦めて他のDAWにした」「価格を抑えたシステムを組みたい」という、とてもニッチですが、知りたい人にはかなり有益な情報だと思いますので、気になる方はどうぞご覧ください。

  • マニピュレーターに必要な機材

  • Logic Proで2台同期させるやり方(他機材にも応用可能)

  • メインとサブの設定

  • 同期時のエラー回避方法

  • 同期後メインとサブが自走する(メインが止まってもサブは止まらない)やり方

大まかにはこんな感じのTipsを書いていく予定です。
ひとまず、第一回は機材編として、第二回は設定編とまとめています。
必要な方はお読みいただけたらと思います。


マニピュレーターに必要な機材

Logic Proを2台同期させる為に、まずはマニピュレーターの機材を説明します。最低限このぐらいが必要です。

  1. Mac、2台(メイン・サブ)

  2. Logic Pro(同アカウントならば一度買えばOK)

  3. MIDI入出力があるオーディオインターフェース、2台

  4. MIDIケーブル

  5. オーディオスイッチャー

  6. オーディオケーブル(マルチケーブル)

※3〜6は、機材により簡略化が可能

1.Macのメインとサブが必要

2台のMacとなるとコストが掛かりますが、サブは多少安いものでも大丈夫ですが、メインだけでもM1プロセッサ以上が載っていて欲しいです(それ以下ではパワーが違いすぎますので)。

自分のシステムを紹介すると、MacBook Pro(M1)がメイン、Mac Book Air(M1)がサブになっています(購入時はM1が最新)。これを書いている2023年であればM2プロセッサが載っているMac Book Air2台とかもありだと思いますし、M1プロセッサ搭載版もあるのでそちらは安価で手に入れられるかと思います。

Mac Book Air 2020 M1

2.Logic Proについて

Apple純正のLogic Pro。これがないと説明が始まらないのですが、おそらくここを見に来た方はすでに持っているか購入を検討か購入している方だと思いますので、簡単に説明します。

メインとサブをApple IDを同じであれば一度買えばOKです。もう持っていればサブにもインストールしてあげてください。同一IDならMac5台に入れても大丈夫なそうです。
Logicは買い切りで一度買えば今のところ永久使えるのと、Apple純正なのでプロセッサやOSが変わろうとも即座に対応してネイティブで動作するところもかなりオススメです。
音源やループ、エフェクトもついてくるのでリハや本番で急に必要になっても対応できるのもいいところです。

3.MIDI入出力があるオーディオインターフェース(※スイッチャー一体型なら不要)

MIDI端子よりMTC(MIDIタイムコード)を受け渡すオーディオインターフェース(I/O)が必要です。
MIDI端子より絶対時間を表すタイムコードを送り、メインとサブが同期します。簡単に言うとメインが「再生したよ」→サブ「再生するよ」というのを瞬時に受け取り、二台が同期します。

ちなみに自分のシステムは、MIDI IN/OUTが付いているMOTUのUltraLite4とUltraLite3を使用しています。以前はMOTU 828mk3 Hybridを2台使用していたり、PlayAudio12を使用していました。UltraLite2台が1Uに収まるためこのシステムに落ち着いています。

MOTUのUltraLiteの最新になるUltraLite5

また、このあとの5で紹介するI/Oとスイッチャーの一体型の機材(PlayAudio12やRadial SW8-USBなど)を使用すれば3〜5の項目は簡略化出来ます。内部でMTCが送れてると思ってください。

4.MIDIケーブル(※スイッチャー一体型なら不要)

MTC(MIDIタイムコード)用で使います。メインのOutからサブのInの一本の標準MIDIケーブルで大丈夫です。

5.オーディオスイッチャー

PCトラブルや音声トラブル時に、メインとサブのオーディオを切り替えることが出来ます。
多くの機材が8ch〜12chぐらいが主流で、ラディアルのRadial SW8が有名です。スイッチャー系は割と高価です。


Radial SW8 mk2

これから買い揃える方は、PlayAudio12がオススメです。(I/Oとスイッチャーがすべて入ってお手軽価格)

PlayAudio12

予算が許すのであれば、国内で発売が決定したiConnectivity PlayAUDIO1UやRadial SW8-USBもオススメです。どちらかのスイッチャーとパソコンがあればライブが出来ちゃうような全部入りなインターフェース+スイッチャー+αな感じです。配線もかなり少なくて済みますし、もしかしたら価格も押さえられるかもしれません。はリンクより確認してみてください。


iConnectivity PlayAUDIO1U
Radial ラディアル オートスイッチャー/USBプレイバック・インターフェイス SW8-USB


自分のスイッチャーはというと、知り合いに作ってもらった一点物です。壊れたらすぐ直せないのが難点ですが、基本壊れたことないです。(構造は難しくないので基本接触が悪くなるぐらいなのです)

6.オーディオケーブル(マルチケーブル)/USBケーブル

スイッチャーに送るチャンネル分のオーディオケーブル✕2、PAに渡すオーディオケーブル(キャノンオス)が必要です。D-Subであれば変換したケーブルを。PlayAudio12だと内部でスイッチングするのでPAに渡すケーブルのみで良いです。

CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / MXS822-2

オーディオインターフェースに付属しているUSBケーブルも必要です。もし付属しない場合は、大切なオーディオデータを扱うので信頼のおける会社のが良いと思います。オヤイデ電気などがNEO by OYAIDE Elec d+ USBなどが個人的オススメです。

NEO by OYAIDE Elec d+ USB Type-C to Type-B class B 1.0m USBケーブル タブレット用

どちらも端子の形を間違わないようにしてください。変換ケーブルでなんとかなりますが、無駄な出費は抑えたいですよね。
あと、ケーブル類は意外とかさばるので長さなども考えて購入すると良いと思います。短いよりは長いほうがいいですが、マルチケーブルはとても重くなります笑


と、機材はこんな感じでしょうか。
自分のシステムに足りない部分があれば、参考にして補完してみてください。1から揃えるとなかなか大変ですが、サブはあくまでサブなので借りたり中古を探したりなどしてみてください。

もちろんこれが正しいやり方というわけではなく、自分が仕事をしていた経験で段々と進化させてきたので、自分なりにアレンジしていったら良いと思います。
本来は自動でスイッチングも出来ますが、自分的には軽くて、不具合の時にすぐわかる(アナログ)というのでこういうセットとなっています。
ケース、ケーブル、キーボードや外部モニターなど細かいものも含めれば色々とありますが、ひとまず書いたものを用意すればマニピュレーターが出来ます。ぜひ参考にしてみてください。


以上で機材編は終わりです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

これで、2台のMacを同期出来ていると思いますが、同期ができたとして、二台を自走させるなどマニピュレーターとしてはまだ不十分で、次回の設定編がとても重要となっています。是非そちらも合わせて御覧いただけたらと思います。

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