ストレスをゆるめる「ゆるみの時間」活用の提案

ストレスってどうやって生まれるんでしょうね。
もちろん、何をストレスとするかなので、人によって千差万別です。

ストレスの発生メカニズムについて意外と考えたことがない人もいるかもしれません。このあたりを考察しつつ、やっちの「ゆるみの時間」活用を提案したく思います。

ストレスとは?

ラザルス博士の発見。考え方で変わるストレス

アメリカの心理学者リチャード・ラザルスが提唱した心理学的ストレスモデルは参考になります。昨今ではストレスコーピングという言葉を目にしたことがある方もいるかもしれませんが、その基となった理論です。

ラザルスのストレス理論では、ストレスの発生プロセスを「ストレッサー」「認知」「ストレス反応」の3つに分けます。

ストレッサー:「テストがある!」
認知:ダメな自分がいい点なんて取れない
ストレス反応:「やばい、絶対失敗する...」

ストレッサー:「テストがある!」
認知:挑戦させてくれてありがとう!
ストレス反応:「よし、がんばってみよう!」

同じ出来事でも、考え方で変わりますよね。
前者はそもそも自分を肯定的に捉えていないことが相まって、悪い方向にしか考えられていません。後者はテストの機会に感謝しつつ、挑戦心が伺えます。

セリエ博士の発見。身体の反応からわかるストレス

「ストレス」という言葉の生みの父とされる、カナダの生理学者ハンス・セリエのストレス学説があります。セリエ博士が提唱したストレスとは、生体に外部から刺激が加わったときに生じる生理的・心理的な歪みであると定義されています。

セリエのストレス学説では、ストレス反応を3つの反応相に分け、それぞれ「警告反応期」「抵抗期」「疲弊期」と呼ばれています。


第1段階:「あれ?なんかヤバイ」
ドキドキする
手が冷たくなる
胃がキリキリする
 
第2段階:「なんとかがんばれる」
体が慣れてくる
でも、エネルギーを使っている
 
第3段階:「もう限界...」
疲れがたまりすぎ
体調を崩しやすい

今抱えているものの反応はどうでしょうか?
反応によって、自身の生活を見直してみるといいかもしれません。

香りによるストレスへの影響

東邦大学理学部生物学科の記事によれば、匂いは脳のストレス応答に影響を与え、悪臭はストレスを誘発し、心身に影響を及ぼすとされています。

動物実験では、捕食者の匂いが恐怖やストレス反応を引き起こし、学習能力や記憶形成に影響を与えることが示されています。

一方、ラベンダーやローズ、ヒノキなどの香りはストレスを軽減し、自律神経を調整する効果が確認されています。
特にアロマセラピーがストレス抑制に有効とされ、そのメカニズムの解明が進められています。

普段、香りについてあまり意識しない方も、ストレスを感じたときに適切な香りを用いることで、抱えている心の問題が解決することもあるでしょう。

自然音がもたらすストレス緩和

筑波技術大学の「自然音を聴くことによる自律神経機能に及ぼす効果に関する研究」で、自然音によるストレス緩和について記されています。

7人の男子大学生を対象とした実験で、自然音を10分間聴くことが、オキシトシン濃度の上昇、コルチゾール濃度の低下、心拍数の減少をもたらすことを示しています。

これらの結果は、自然音がストレス軽減とリラックス効果に有効である可能性を示唆しており、学校や職場などでの自然音の活用によるストレス予防・改善効果が期待されると結論付けています。

音によるリラックス効果はよく知られていますが、自然に身をゆだねようとする行為はとても本能的で、根本にある緊張をほぐしてくれるかもしれません。

ストレスとうまく付き合う方法

本題に入る前に、一般的によく言われていることを見てみましょう。問題解決、気持ちを楽にする、考え方を変える、の3点を挙げてみました。

問題を解決する

まずは、できることから始めます。

  • 計画を立てる

  • 優先順位をつける

  • 誰かに相談する

◎具体例

  • 宿題が多い → 曜日ごとに分ける

  • 部活が忙しい → 時間割を作る

  • 友達関係で悩む → 先生や家族に相談

気持ちを楽にする

リラックス方法は多くありますが、すぐにできそうなことを下記に挙げます。

  • 深呼吸

  • 好きな音楽を聴く

  • 香りを嗅ぐ

  • 軽い運動をする

  • 友人•知人と話す

  • 自然に触れる

考え方を変える

わかっていてもなかなかできない「考え方を変える」については、普段の意識も大切ですが、使う言葉を変えていくのがやりやすいかもしれません。

  • 「できない」→「まだできない」

  • 「失敗した」→「次はこうしよう」

  • 「むずかしい」→「チャレンジだ!」

これらは日々の習慣がすべてと言って過言ではないので、意識せずとも行動できるまでは、毎日、毎週、毎月の振り返りによる意識や言葉の変換が肝となります。

ゆるみの時間でやること

ストレス緩和のためのアプローチは様々です。ただ、やろうとしていることは、
「自身のストレス反応を理解し、様々な方法で身体の反応を調整していくこと」に尽きると考えます。

やみくもにリラックスしていても、根本解決にはならないのです。

ゆるみの時間は、「身体の反応が変われば心と精神が変わり、やがて意識と在りかたが変わる」とする考えを元にしています。なので、身体へのアプローチが中心になっています。

身体の各部位への意識を高める、
感覚と感情を自分なりに捉える、
そのために、身体と心を丁寧に扱い、より自身の存在を感じられるようにしていきます。

身体にリラックスしてもらう

簡単な体操を行います。
この時間で特に大切にしているのが、脳幹、肩甲骨、背骨、股関節、仙骨、仙腸関節、ふくらはぎ、かかとです。

一つひとつの動作をゆっくり丁寧に行います。自分と身体との繋がりを思い起こすきっかけになります。

心にリラックスしてもらう

続いて、心を落ち着かせていきます。

  • 蝋燭の火を見たり、目を閉じボーッとする

  • 自然音に耳を澄ませる

  • 投げかけられた言葉から連想することを思い描いてみる

  • 植物(ハーブ)に触れ、香りを得る

最後に、みんなに感じたことをシェアする時間があります。参加者は静かに、声に耳を傾けます。ただ話を聞いてもらうのは当たり前のようでいて、癒しに繋がります。

心身を整える「ゆるみの時間」

以上、ストレスの観点からゆるみの時間に繋げてみました。
端的にはストレスを受ける「身体」という器の反応を柔軟に調整していきましょう、といったものです。

身体をゆるめることで血流を促進する、首、肩、腰などがほぐれ、シンプルに身体が動きやすくなることが期待できます。

心、特に感情面では不安定なものがだんだんと安定し、物事や人間関係について冷静に見られるようになるでしょう。
やがて精神の土台として、自身の在りかたがより鮮明になることに繋げていきます。

そのような状態でいると、ストレスとしていたものがそもそもストレスと感じなくなったり、ストレスを自身で整理して前向きなものに変換する力が身につきます。

目の前のことは変わらないかもしれません。しかし角度を変えたり近づいたり離れたりして、物事をどう見るかは変えられるのです。
解決も目指すべき点ですが、根本的に大切にしたいのは「自分が楽になること」です。

続けていく中であらゆることの向き合い方が変わり、同じ事象がまったく別物になる体験を是非味わってほしいです。
興味ある方は、やっちまでメッセージください。

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yusuke
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