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ゆるみの時間vol.10
昨年の3月から始めたゆるみの時間も、いつの間にやら10回を迎えた。
身体と心をゆるめていこう、ということで、最近では特に珍しくもないことだけれど、ゆるみの時間を通してせっせと取り組んでいる。
ただ、がんばらなくていいんだよとか、肩の力抜いていこう〜という人たちとは異なる。
むしろ自分のやりたいことに向かって全力疾走している人に、緩急をつけてもらい、また「いってらっしゃい」とするものが近い。がんばらなくていいことにより力を注ぐ人たちと繋がりたい。
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忙しない現代では刺激ばかり求められ、心身の健康すら休みを与えずに頭を使ってばかりだ。
昨今の健康界隈ではカタカナの新しい言葉ばかり並び、日本人がとうの昔にたどり着いた領域に名を変え内容を薄め、わかりやすく変換され世界に発信している。
ろうそくは電気がない時代のただの光であったか?
私は古来日本の人々が常に火を側に置いていたことには意味があると思っている。外国では表面的に火を「熱」や「光」で捉えるかもしれないが、多くの日本人は音、ゆらぎ、空気などを受け取っていた可能性がある。どうも、火の取り扱いが心身になんらかの作用をもたらしていた気がしてならない。
火を側に置くことで癒しや安らぎを得られることは、昨今の焚き火ブームが証明してくれていたように見える。何度かろうそくをただ見つめ30分ほどぼーっとしてみることを繰り返してみた。やはり、ただぼーっとするときの感覚と違うのだ。これは是非取り入れたいと思った。
ろうそくの火を見つめながら詩を読む。
詩には力がある。要は言葉に力があるということだが、詩としてまとまった言葉たちが醸し出すものはまた格別となる。
神道に祝詞(のりと)がある。
祝詞を読むとそれだけで心身が整うことをご存知だろうか。仲間内と実験したところ、全身に手をかけ経絡(気が巡る道)を流しバランスを整えた状態とほぼ同じとなった。むしろ、より広い範囲での整いを網羅しているようにすら感じる。
昔は言霊や呪術が当たり前にあった。
特に日本人は言葉の力をよく理解し操っていた。いつしか封印されてしまうが、世の中の都合でただフタをしたところで、完全になくなるわけではないのだ。私は祝詞を読むわけではないが、その要領で詩を読むようにしている。ご先祖を重んじながらも現代版の言葉の使い方を模索しているところだ。
言葉の意味も重要であるが、声の響きが何より人に影響を与える。私が学んだ声分析のプロである先生曰く、声は人そのものなのだそうだ。私の声は声帯のゆるみによる抜け感から発生する癒しと、森の中で様々な音が重なり雑音とされる一歩手前の心地よい領域を兼ねているそうだ。様々な要素が重なり奇跡を成している。
私はこの声をより世界に広げた方がいいと思った。
さて、最近ではアロマをやめて各植物を煎じたハーブを使うようになった。
どちらも植物の力を借りるものだが、あれこれ試す中で、ハーブを煎じたものの方が直接的な作用を感じた。脳の中枢にすぐに届くアロマは精神的な改革には確かに優れているが、身体、心、精神のバランスとしてはハーブの方がいい。
とはいえハーブを直接身体に当てるスピードも侮れない。先日、ハーブボールセラピーを受けた。その日は調子が悪かったので早く寝ようなどと考えていたが、10分ほどのお試しに関わらず、やる気と食欲がみなぎり元気を取り戻した。
音についても興味深い。
友人のLIVEゲストに訪れた際、世界を巡るニュージーランド先住民のサウンドヒーラーの方が日本に初来日していた。その方のヒーリングを受けた時、音の可能性が弾けた。
この音でなぜ身体がこんなにも癒され安らげるのか?
これまでとまったく違う音の受け入れを許したとき、まだ知らぬ領域を探求したくなった。音は生音に越したことないが、音声でも十分に人の心身に届くと感じた。そこで、ゆるみの時間に自然音を取り入れるようになった。
そのようなわけで、私が火、声、言葉、ハーブ、音楽にこだわるのは、理論的なものもあるけれど、それぞれで受け取った私の身体と心の観察による集大成である。
これらの調律が整い、真の意味で奏でられるように回を重ねている。昨年末にこれ!というものが見えた瞬間があり、そこに向かっている感はある。ただ身を任せ、より味わい深い場となるよう柔軟に展開していく。
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