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医師・技師など医療関係者向け:Notionで症例をまとめよう~症例の情報整理、症例報告まで


症例をまとめる重要性

同じ病気でもわれわれ人間は非常に多彩な病気の表現型を示しますし、合併症や薬の効き方もさまざま、良いとされている治療に反応しなかったり、その逆で非常に効果があったりします。非常に苦労して治療した。では、その経験をどう生かしていくか?人間の記憶というのはあいまいです。我々は非常に多くの方とかかわりますので、覚えていたくても情報の洪水で記憶に深く刻むこと自体が至難の業です。あとでまとめよう、気が付いたら1週間、1か月、…どんどん時間がたっています。まとめて調べる前に、同じような方が来てしまうと、その教訓を生かせないことになります。

一方で、それがまとめられれば、次回同じ症状や病態で来られた方の時に、ピンと来てこれまでよりもより短時間に診断、治療方針が立てられることになります。それだけでなく、それを症例報告すれば、将来的に世界中の同じ病気の人を救う結果になるかもしれませんね。

効率よい症例情報のまとめ方

効率よい症例情報のまとめ方は昔より課題です。時間があれば、誰でもできますが、医師、医療関係者の皆様は、基本マルチタスクの中にいます。優先順位とはいっても、今すぐこれをしてください、今すぐ来てください、が山ほどある世界です。症例の経過にこれまでにない新しい点を見つけたら、それをすぐさまどこかにメモしたほうがいいでしょう。それはそうなのですが、外来の最中であったり、検査、治療、手術の最中であれば、メモ自体が困難ですね。手が空いた瞬間に、個人情報保護、施設の決まりの範囲内で、匿名化してメモする、そして、可能なら、キーとなる資料をこれも匿名化して収拾する段取りをする、あるいは院内の安全なサーバーなどに移してもらうなどして、情報を一元化するのがいいでしょう。

パワポに限界を感じませんか?

症例のまとめをどうやって保管しますか?医療の情報は、画像、動画が多いですね。文書ソフトでは絵や動画が挿入できません。そうすると、プレゼンテーションソフトに頼ることになります。しかし、限界を感じませんか?


そうなのです。セクションに区切ることはできても、根本は1列なのです。そこへ、画像や動画ファイルを挿入すると、ファイルサイズがどんどん重くなります。「その薬の周辺情報」、「その治療のエビデンス」、などいろいろ多面的に調べていくとどうなるでしょうか?

こうなります。

これを1列にするのはわかりにくいのでファイルを分けるとします。すると、資料のファイルに、画像、動画、自分でまとめた文章、などバラバラになり、わからなくなってしまいます。さらに、では学会研究会で症例報告する、となるとまた新しいファイルに作り直して、いくつものファイルを参照して、と大変です。そのファイルの中には「名称未設定1」とか多忙なために、とりあえず入れたファイルも混じってきて、混乱を極めますね。

Notionによる症例管理


Notionは、文章、画像、動画を個人でウエブサイトを作るようにどんどん作成することができます。しかもすっきりわかりやすいです。
素材をドラッグアンドドロップするだけではめ込まれていきます。

医療画像ですので、avi, DICOMなどがあるかもしれません。これらは読めませんので変換の必要があります。mov、mpeg4は読めると思います。無料版は1ファイルの容量が5MB以下であることには気を付ける必要があります。

しかも複数の観点の場合は、ファイルを分けると言いましたが、データベース形式にすれば、親ページにいろいろなものをいれてまとめることができます。

これは自分で作れます。下記の動画にご紹介しています。

忙しくて作り時間のない方は、Notion marketplaceからテンプレートでcase reportと検索いただくと、下記のテンプレートがありますので、ご覧ください。


そのまま症例発表へ

また、Notionのまま発表できますので、素材もパッと複製すればプレゼン資料も時短でできます。詳しいことは下のYouTube動画にありますのでご参照ください。

技師のNotion活用法

エコーや、その他の技術の習得において、習得した技術などを記録を蓄積していくと財産になります。これをノートでもいいのですが、モバイルのNotionでメディア記録をしながら効率よい管理も考えられます。これも個人情報管理をして、施設の規則には従う必要がありますが、Notionはいい情報管理システムとなるでしょう。

Notionの安全性

Notionは自分でハードディスクを管理するよりは安全でしょう。パスワード管理は重要です。また、患者情報の匿名化などはまず最初に行った方がいいでしょう。患者情報とのランダムな対象番号をつけておくなど、対策を立てながら効率よく情報管理していきましょう。

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