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サウナの「ととのい」について

死ぬかもしんないからやめてほしいよ~って思っています。

所謂サウナのととのいを「危なくない?」と思っている記事です。サウナ自体は特に問題無いと思います。

ここまで文化として浸透した中、中々やめろー!って声高に叫ぶのももう無理っちゃ無理ですし、実際サウナ併設の銭湯等に行ったとき(自分はサウナに入らない)、バターン!と人が倒れることも経験したことが無いので、実際そこまで事故(と言っていいものか)は無いのかなあとも思いながら・・・。

やってることはぶっちゃけオーバードーズ(OD)であったり、アルコール一気飲みによる急性アルコール中毒みたいなのを死なない、倒れない程度にやっているイメージ。綱渡りですね。怖いのは、タバコや酒と比べると、タバコ酒は徐々に体をむしばむイメージで正しいのですがサウナのととのいはコンディションによって「突然」スコーンと意識を失う可能性があるという事なのです。
そんな記事を一つ・・・かきます。


〇サウナ

サウナ自体は良いものだと思います。もちろんしっかりと入る前に水分(アルコールはダメ)をキッチリとったうえで入りましょう。あとは無理しない位で、身体の汗腺等開いたりとか、いろいろ詳しくはありませんがメリットがあると思います。そう、サウナに入ること自体はしっかり準備をしていけば悪い事ではないと思っているんです。これが大事で・・・。

でもそれだけだと巷でよく言われる「ととのい」ってないですよね?

〇血圧のはなし

血圧ってどういう計算式で計算されるかと言うと・・・。

血圧=心拍出量(1分当たりの心臓が出す血液量)×末梢血管抵抗

となります。血圧は血の圧の名前の通り、圧力を表します。基本この血圧は「動脈」の圧を指していて・・・この圧力があるからこそ血液が体中全体にめぐることができるんですね。基本的には血圧低くても一定ラインまでは身体全体に血を巡らせることができますし、例えば運動で身体全体の栄養+酸素の需要が上がった時は心拍数等をあげることで血圧を上昇させたりするメカニズムがあるので、走ってて「血圧」でぶっ倒れる人ってのは人間のプログラム上少ないと思っています。めちゃくちゃ血圧低い人とかは日常的に「低い」ので身体がそれに慣れたりしてる部分もありますので、低血圧の人はどうなんだ!ってのは今回は割愛するとして・・・。

名前を再度確認します。血の圧と書いて「血圧」です。通り道は血管ですよね。血管をゴムホースみたいなものとイメージしてみてください。そのゴムホースに圧がかかるわけです。高血圧がやばいよ~ってよく言われるのはいろいろと理由がありますが、一つには「圧」が高いがゆえにゴムホースである血管が耐えられず「ばちーん」とはちきれてしまう事。つまり大出血なわけです。だから高血圧って治療しないとなーって言われているわけです。

では、どうやって血圧は・・・?となりますが、上記した計算式の「末梢血管抵抗」に注目してください。この末梢血管抵抗ですが、「抵抗」なんです。簡単に言うとゴムホースの太さを自由自在に太くしたり細くしたりできるんですね。人間の自律神経がそこら辺はうまいこと調節してくれています。
普段なら。

例を挙げるとします。人間って恒温動物ですよね。だから体温はある程度一定に保たなければならない。暑すぎれば熱中症になる可能性がありますし、低くなりすぎると低体温症になる可能性が高い。変温動物とは違い一定ラインをKeepしなければなりません。
例えば酷暑の環境にいたとき、身体には熱がこもりますよね。熱の排出メカニズムとしては、暑い状況で身体が「体温下げないと」と判断すると抹消の血管(特に表在血管)がぶわーっと拡張します。そうすることで血液中の熱を可能な限り外に逃がそうとするのです。ゴムホースがメチャ太くなるイメージ。こうなると、末梢血管抵抗って「低く」なりますよね。

逆に寒かった時のことを考えてみましょう。寒い時って身体が外から熱を奪われるわけで、できれば身体としては熱は奪われたくない。となると・・・、さっきとは逆に血管を締めて(表在血管をギュっと締めて)、表在血管に流れる血流を少なくして外に流れる熱をできる限り少なくしようと身体は試みます。これ、つまるところ末梢血管抵抗が「高く」なることですよね。

もちろん排熱等のメカニズムはこれに限らないのですが、こういった形で血管も体温のKeepに役立っているよと言う話があるのです。

基本的に人間って、自然環境を想定したら・・・50℃以上の酷暑環境からいきなりひとケタ台の外気温になることって「ほぼ100%」無いですよね。だから身体のメカニズムもそういった急激な反応には対応しきるようなメカニズムがそもそも無いのです。そこを逆手に取った(?)のがととのいなのです

〇自律神経のバグ

水分をキッチリかっちりとったうえでサウナに入ったとしましょう。
暑い環境で頑張るわけです。血管はガンガンに拡張すると思います。でも頑張ってその暑い中耐えて・・・外に出ますよね。

そして水風呂に浸かるわけです。水風呂って1桁台の温度なのでしょうか?それとも10℃~20℃くらい?それだとしても先程まで入っていたサウナに比べたら明らかに「寒い」ですよね。水風呂に浸かると、身体がびっくりしてさっきとは一転、身体から熱を逃がさないように血管がぎゅーーーーーーーーっと締まります。となると血圧は、ガッと上がりますよね。あとは計算式のもう一つにあった心臓にもすごい負荷をかけていると思います(詳しく調べていないのでエビデンスについてはこれは欠けます)。

この血圧の急激な乱高下、これがととのいの元となると思うのですが、ぶっちゃけた話これって通常ありえない事に対して「自律神経」がバグっちゃってるってのが正しい表現だと思うのです。人体のプログラムされている内容からは逸脱した「想定していない」身体の急激な変化、つまるところ身体は「緊急事態だ」と認識するわけですよね。だから脳内物質がドバドバ出る。身体をガチの「緊急事態だ」と誤認させるわけです。

それが「ととのい」だと思うのです。危ないでしょう?でもいわゆる「ランナーズハイ」のような脳内物質を「お手軽に」手に入れられるからこそ・・・流行っているのだと思いますし、人間はそういう快楽物質には基本抗えないようにできていると思うので、流行るのも致し方ないのかなあと思いつつ・・・。

〇血圧の乱高下、失神?それとも転倒リスク?それとも・・・?

考えられるデメリットをあげてみましょう。
急激に血管が開いたり閉じたりするとなると、血圧が急激に乱高下しますよね。まず一つ上げられるのは低血圧→高血圧となると末梢血管、つまりゴムホースが開いて脱力していたところいきなり思いっきりギューッと締まるわけです。これ血管の負担とんでもないんだろうなって思うのです。調べる限りだと血管を痛めるか否かについてはエビデンスのあるソースをまだ自分は見つけていないので、はっきりと断定できないのですが・・・サウナのととのいが流行りだした昨今、コホート研究ベースのレポート等も出て来てもいいころかしら?とも思っています。
只個人的には絶対に負担はかけてるよなと思っていて。血管も耐久値がありますから日常的にそんな乱暴なことを血管にしてたらいつか血管がバチンっとはじけてもおかしくないわけです。どこの血管がバチンと行くかは分かりませんけどね・・・。これは後々になって響くデバフみたいなもので、サウナに入っていない状況でも血管が限界になったら「ばちーん」と行くと思います。遅効性の毒みたいなもんですね

次に失神のはなしなんですが、基本的に「失神」ってふらーっと目の前が遠くなって眼前真っ黒になってぶっ倒れるってイメージでまあ簡単に言えばそんな感じです。失神って要するに基本的には、脳に十分な酸素と栄養が送れていない事を表すんですよね。つまり基本血液が十分に脳みそにいきわたっていない状態になり、脳細胞が「虚血状態」になることでクラッときて意識を失いかけるわけです。基本的に正常であればクラっと来たとしてもその後身体が緊急ピッチで脳みそに血液を送る用意をするのでぼんぼん人が倒れたりってことは無いと思うのです。只クラっとして意識を失っちゃう可能性はゼロではないと思っています。水風呂で溺死等のニュースをたまに耳にしますが、多分意識失っちゃったんだろうなーって思っています。そういった感じで即効性の死が可能性としては水風呂ドボンの段階でゼロではないのです。

そして次に考えられるのは・・・失神に伴う「転倒」によるケガ。これは実はサウナ以外でも結構お目にかかることが多くて、「失神」が先なのか失神後の「転倒」が病気の原因なのかって鑑別することが大事になったりします。
失神してぶっ倒れて、それで頭を受け身をとることができず思いっきり「ごちーん」とぶつけてしまった場合、脳内出血や外傷性SAH(くも膜下出血)などのリスクがあります。下手したら搬送先まで間に合うか分からん・・・かも。
そういった意味では即効性の死パターン2ですね。

自分はこのサウナ→水風呂のルートにおける血圧の急激な乱高下による血管への大ダメージ+脳細胞の虚血リスクの失神、あるいは失神後の転倒での外傷がサウナの「ととのい」の裏にある怖いリスクだと思っています。

〇どうすればいいの?

ぶっちゃけどうしようもないのです。でもサウナは市民権を得てしまったわけで、どこのスパ銭とかも基本サウナはありますよね。小さい銭湯でもあったりして・・・。

どうしてもと言うなら、水風呂はやめて、ぬるま湯の湯につかることで血圧の乱高下のピークを低くしたらどうでしょうと言う話です。只その分「ととのい」の量は激減するでしょう。だから本来の「ととのい」を得られつつ且つ身体にも負担をかけないような方法って夢のまた夢な話で・・・。

まあ・・・正直止めることはもう無理だと思っていますし、自分は「サウナ」らないけど、サウナに行く人を止めることはしません。

スパ銭とかでお湯浸かってたりしたときにサウナで人がぶっ倒れたとかあったらまあ駆けつけてBLS位はする覚悟でいますが・・・そんなことしたかあないわけで・・・。あとは当直とかで搬送されてきたときに対応するのもまあ致し方ないなと思いつつ・・・。幸いなのが、ド深夜みたいな時間だと大抵のサウナって多分やってないと思うので、夜間帯の人が少ない時間に運ばれてくるってことは考えにくいのが救いかも。あー・・・でも22時~24時とかは怖いか・・・。あとは休日の日中とかも怖いですね・・・。うーん・・・。

どうしてもやるのであれば、自身のコンディションを万全に把握してほしいなと思うのです。体調が悪ければその分事故のリスクが高まるわけで・・・。

せめて、せめて体調とかコンディションが「完璧!」「万全!」って時にサウナでととのってほしいなとおもうのです。

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