音楽+人の繋がり=ライブハウス
世の中には、趣味など他人と繋がれるものが沢山あると思う。
その中の一つに、音楽がある。
以前、自分はライブハウスによく行っていたけど、コロナウイルスが流行してから行けていない。
どこへ行くにもそうだけど、感染への不安があるから。
シナノ未来プロジェクト主催のライター養成講座に参加し、
企画に参加した当初は、同じように「行きたいけど不安だな。」という感染の不安によってライブハウスに行けない人へ向けて記事を書こうと考えたが、インタビューをしていく中で、「ライブハウスは人との距離感が大切な場所」ということに興味を持った。
今回、長野市のNAGANO CLUB JUNK BOXさんと長野ライブハウスJさんにインタビューをご協力いただき、各ライブハウスの感染対策+ライブハウスの魅力について、リアルな声をお届けする。
目次
1. NAGANO CLUB JUNK BOX インタビュー
2. 長野ライブハウスJ インタビュー
3. まとめ
4. 感じたこと
NAGANO CLUB JUNK BOX (HP Twitter)
1999年に出来、今年で22年目。収容人数は400人で県内では最大のキャパを誇るので、メジャーアーティストのワンマン公演が多いライブハウス。
取材日 2020年11月29日
インタビューを受けてくださった方 陣谷 良将さん(店長)
「早く400人ぎゅうぎゅう詰めのライブができるようになってもらいたいです。」
⚫︎コロナウイルスが流行して大変な年だと思うのですが、流行したことによって大きく変化したことを教えてもらえますか。
「そもそもこの仕事というのはなんだ?というところで、不要不急ではあるのですが、例えば東日本大震災があったり、去年の長野の台風があった時とかには、やれる環境だったから、逆にライブをやって元気づけようっていうのがありました。だから、絶対ライブは止めない!みたいな気持ちの中でやってたのですが、今回ばかりはこっちがやりたいって言っても実際お客さんが来ることによって、お客さんを危険にさらしてしまう可能性があるって考えると止めざるを得なかったです。そこは、すごく悔しくもあり、無力感というか敗北感というか。春先はそういう気持ちになりましたね。やっぱりライブをやりたいっていうバンドもいたけど、初めてこっちから断りました。「ごめん、やっぱりこの状況下だと。」というのがあって。
あとは、先行きが見えないのも不安です。このまま一生ライブができなくなっていくのか、当初は分からなかったので不安でしたが、今は絶対続けていこう。という気持ちです。実際お金の問題など今でも不安ですけど、前に比べれば覚悟は決まったかなって感じです。」
⚫︎やっぱり、ライブハウスがなくなると困るというのは皆さんが思っていることだと思います。
「それはどこでもそうですね。今回、飲食店や観光業も絶対必要かと言われるとそうでもない業種だけに、じゃあ人が死んだらどうするんだ。という、それを言われてしまうと困るところでもありますが、こっちは、それを仕事にしている訳だし、それを求めている人がいるから気を付けてやります、と。でも、100%コロナウイルスに移さないとは言えないから、ある程度はお客さんにも気を付けてもらう、不便な感じではあるのですが、今はやっていくしかないかな。って思っています。」
⚫︎お客さんにも気を付けてもらいたいという話がでたのですが、ライブハウス側の対策というのはありますか?
「本当に基本的なところですね。マスクしてもらう、お客さんには検温する、手指の消毒をしてもらう、あとはキャパを密にならないように制限するってところかな。」
⚫︎それをやったことによってお客さんの反応はありましたか?
「やっぱり、やりずらいという感じです。ライブハウスって密になってワアって大声出してやりたいっていうところがあるので、気を使いながらやらなくちゃいけないというのがストレスかなっていう。それはしょうがないので、早くそういうのが気にせずできる日が来るといいなと思います。
でも、そういう日がこないのかもしれないし。そのなかでこっちもやり方を考えていかなくちゃいけないですね。」
⚫︎今コロナウイルスで大変ですが、この先どうなっていってほしいですか?
「終息してもらいたいです。
当然ウイルスが全く無くなるとは思っていないのですが、ただ、早く400人ぎゅうぎゅう詰めのライブができるようになってもらいたいですね。」
⚫︎そうですね。早く日常が戻ってほしいですね。
「今回、本当にコロナウイルスは危険って言う人と、とは言っても動かなくちゃいけないでしょ、という人にハッキリ分かれているので、なかなか分かり合えないっていうのは思いますね。コロナウイルスは危険だよって言う人にどれだけ、しょうがない、気を付けてやるしかないよと言っても、そこは平行線なんだなと常々思います。」
「ライブハウスは人生の遊び場」
⚫︎次に、陣谷さんにとってライブハウスとはどんな場所ですか?
「これは俺個人のことなんだけど、ここは、俺の人生の遊び場であるのよ。それは人にとってもそうだしさ。さっきも言ったようにライフラインに必要な場所では無いけど、非日常感を味わうために、ここに来て発散してく訳です。それを仕事としてやっているから、日々楽しみながらやれています。当然楽しい場所でもあるから、その分苦労もあります。」
⚫︎はい。
「そう思ってくれている人がいるし、そういう人と関われるから、やれているって感じです。」
⚫︎音楽も、もちろんお好きだと思うし、人と関わることもお好きなのですね。
「そうそう!それ!今は音楽よりも人と関わるのが好きですね。当然ライブもいいんだけど、音楽以外にも人と関わるのが、飲み屋さんとか色々なスタッフさんとか、他の仕事よりも多いから、そこはすごいおもしろいですね。」
⚫︎最後に、このインタビューを読んでくれている方に一言お願いします。
「このコロナウイルスで皆大変だけど、とは言っても人間は息抜きが必要なので(笑)。今は気軽にライブハウスはムリかもしれないけど、嫌な事ばかり考えてもしょうがないので、楽しくなれそうなことを考えて、気を付けながら生きていきましょう!」
長野ライブハウスJ (HP Twitter Instagram)
1993年に出来、今年で28年目。飲食店も兼ねており、人と触れ合える機会が作りやすいライブハウス。
取材日 2021年1月7日
インタビューを受けてくださった方 新保 陽平さん(店長・ブッキングマネージャー)
「音楽に対しての付き合い方が変わった。」
⚫︎コロナウイルスが流行して大変な年だと思うのですが、大きく変化してしまったことはありますか。
「音楽というものに対しての付き合い方ですね。コロナウイルスが騒ぎ出した頃に不要不急という言葉が結構出てたと思うのですが、自分にとって音楽は不要不急ではないという人もお客さんの中には沢山いました。
逆に優先順位を考えた時に、不要不急なものだっていう人も沢山いました。
それがここにきて明らかに二つに分かれましたね。
何かが変わったっていうよりも、今までモヤモヤしてたものというか、曖昧になっていたものが結構ハッキリ分かれました。」
⚫︎こういう時代でも音楽をやりたい!という人もいれば自粛したいと思う人もいますね。
「音楽の楽しみ方って0か100ではなくて、今まで100活動できていたものが、それができないからって0にする必要ももちろんないし。コロナの状況の中でどこまで考えられるかどうかですね。」
⚫︎次にコロナウイルス対策にお聞きしたいのですが、ガイドラインの提示などコロナウイルスに気をつけて運営しているという印象があるのですが、お客さんからの反応はどうでしたか。
「実際足を運んでくれている方の意見で言うと、しっかりやっている方だという話は多々聞きます。」
⚫︎徹底的にやられているのですね。
「行政から来ている業種別のガイドラインを踏まえた上で、店独自のガイドラインを作っているのですが、本当に感染をさせないとか、クラスターを発生させない、というのは100%無理で、結局ガイドラインを守るというのは、集まってくれる人とか、来てくれる人をどこまで安心させられるかだけでしかないです。
例えば、うちの店と東京のどこかの店の環境や営業形態も細かく言えば全然違います。ライブハウスといっても多種多様で、それを一括りにしたのは当てはまる部分もあれば当てはまらない部分もあります。
それを踏まえた上で、「ライブハウスJとしてこれ以上に必要なことはないか?」と話し合いをした中で、自治体から出たガイドライン+α、店の独自のガイドラインを作って決断を出しています。」
「ガイドラインをした上で、それでもちょっと控えたいという人と、それなら行きたいという人の境界線がある訳です。その境界線を少しでもね、ほんの少しでもいいから、それなら少しは安心だから行ってみようかなという人の割合が少しでも増えてくれればいいかなぁと思っています。あとは、もう本当にやっていく中で結果を出すしかないというか。
クラスター発生していません、店がらみの感染者はいませんという実績を作って行かない限りではいけないのかなぁと思っています。」
「音楽を楽しむ場所だし、音楽を通じて繋がれるものがある場所」
⚫︎私は音楽を通じて人と繋がれることが、やっぱりライブハウスの大きな魅力だなぁと思っているのですが、新保さんが思うライブハウスの魅力を教えてください。
「お客さん目線で見ればステージやお客さんとの距離感が近いからこそ生まれる一体感というのは、味わいやすいだろうし、お客さん同士が繋がれます。
例えば、あるバンドの好きな人が集まれば、新しい出会いが生まれますし、そこから繋がれる人間関係が生まれやすいです。
そういうライブハウスの遊び方というのは結構デカいですね。
好きな音楽を聴いて盛り上がるだけではなく、それ以外も楽しめる要素というのはいくらでも転がっていますので。」
「アーティスト目線でもそうなのですが、地元の人が地元のアーティスト、ミュージシャンに興味を示すというのは凄い面白いことで。
プロの最前線でやっているような人達から見れば、やっぱり、まだまだなバンドが多いけれど、そういうの意外と面白くて。
例えば、プロ野球を見るか、高校野球を見るかみたいな感じで、プロ野球はプロ野球で面白そうだけど、高校野球は高校野球の面白さがあって。
地元発信でやっているアマチュアバンドというのは、ほんと面白いです。」
⚫︎そこの新保さんが感じる魅力とはどのようなものですか。
「頑張っているバンドを見てお客さんもそれを応援したいなって気持ちになること、そういう繋がりが築けたら面白いなと思っています。」
⚫︎では、次に新保さんにとってライブハウスとはどのような場所でしょうか。
「距離感が近いので、お互いの気持ちが伝わりやすいところですね。聴いている人からしてみたら、もしかしたら歌がストレートに入ってきやすいかもしれませんし、バンドをやっている人からすればお客さんの反応が直に届きやすいです。自分たちがやったことによるレスポンスというものを受け取りやすいというのが良さです。」
⚫︎人との距離感ですね。
「音楽を楽しむ場所だし、音楽を通じて繋がれるものがある場所です。」
⚫︎では、最後にインタビューを読んでくれている方に一言お願いします。
「大変な状況が続いておりますが、収束した際にはぜひ一度足を運んでください。お待ちしております。」
〜まとめ〜
⚫︎コロナウイルスによって、物事の優先順位が変わった。
⚫︎感染対策を行っている。
NAGANO CLUB JUNK BOX→お客さんにも気をつけてもらい、基本的なこと(マスク、検温、手指の消毒)を行っている。キャパを密にならないようにしている。
長野ライブハウスJ→行政からのガイドラインを踏まえた上で、店独自のガイドラインを作成した。
⚫︎ライブハウスは人との距離感が近く、音楽を通じて人と関われる場所。
〜感じたこと〜
今回、シナノ未来プロジェクト主催のライター養成講座で、
ライブハウスにインタビューをした。
感染対策もしっかりされていて、
その中でも、「ライブハウス=音楽を通じて人と繋がれる場所」ということを、
強く認識できた。
今回、私は、ソーシャルディスタンスが求められている時代だからこそ、
人との繋がりが大切だと感じた。
つい、自分のことで精一杯になりがちだけど、
少し周りを見渡して、声をかけてあげる。
そういう優しさが今の世の中には特に必要なことなのかもしれないと思った。
(みんな思い通りに動けないからこそ、協力が必要だと思う。)
そして、多くの人が安心でき、少しでも早くライブハウスで音楽を通じて人と関わることができる世の中になってほしいと思う。
今回インタビューにご協力いただいた
NAGANO CLUB JUNK BOXさん、
長野ライブハウスJさん、
本当にありがとうございました。
読んでいただきありがとうございました。
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