原作「アクアマン」アーサーとオーム登場回(1966~1988)
「アクアマン」のアクアマン(アーサー・カリー)とオーシャンマスター(オーム・(カリー)・マリウス)兄弟の初期の登場回を発売日順にまとめました!
80年以上続く原作で、アーサーとオームの兄弟が対立する話はたくさん描かれています。
しかし二人は異母兄弟だったり異父兄弟だったり…設定の変更や付け足しが繰り返されていて結構複雑です。
ジェイソン・モモア主演のDCEU版「アクアマン」では近年続いている異父兄弟設定が採用されていました。
今回まとめたオーム初登場時の兄弟は、そんなDCEUとは真逆の異母兄弟設定です。
アトランティス人と地上人の間に生まれた兄アーサーと、優秀な兄に劣等感を抱きながら地上人として共に育った弟オーム。
この時期の兄弟は歴代作品の中で随一と呼んでいいのではないかと思うほど愛憎渦巻く関係性が密に描かれており、特に「AQUAMAN(1986)」はおすすめです。
各タイトルにはkindleのリンクを貼ってます(邦訳版が無いので、スクショしてGoogle翻訳で読むのがおすすめです)。
※個人で集めた情報ですので、抜けや漏れがあったらすみません。
アーサー : 父トム・カリー、母アトランナ
オーム : 父トム・カリー、母地上人(無名)
AQUAMAN(1962-1978) #29 👈オーム初登場
1966年10月
海賊行為を行う国際海洋犯罪者である自称オーシャンマスターのオームと、それを止めるアーサーの話。
アーサーはオーシャンマスターの正体が弟だと気づくと、防戦一方で殴れないまま取り逃がす。
兄弟が地上で暮らしていたころの過去回想を見ることができる。
AQUAMAN(1962-1978)#32
1967年3月
またも兄弟は衝突するが、相変わらず弟だからという理由でオームを殴れないアーサー。
過去の記憶を失っているオームは、アーサーが自分を逃がし戦わないことに疑問を抱く。
AQUAMAN(1962-1978) #35
1967年10月
アーサーはブラックマンタから幼い息子の誘拐を罠に身柄を拘束されてしまう。
そこへ偶然通りかかったオームがアーサーの息子を助け、無事に返す。
オームはなぜアーサーの一家が気になってしまうのか無意識に沸く感情に再び疑問を抱く。
オームがやたらアーサーの息子に気に入られて「NICE MAN」と呼ばれているのが面白い。
AQUAMAN(1962-1978)#37
1968年1月
前半は再びオームがアーサーの息子を助ける話。
知らない他人のはずのアーサーになぜか羨ましさと怒りを覚えるオーム。
アーサーの嫁のメラが兄弟同士での争いを止めようとするところが珍しい。
後半では敵を同じくした兄弟が一時的に手を組む。
The Brave and the Bold Vol 1 #82
1969年3月
※オームの記憶喪失がない設定
バットマンがメインのコラボ回。
ある日、バットマンはなぜか仲間のアーサーに殺されかける。
実はその裏でアーサーを操っていたのはオームだった…という話。
オームが「マリウス・エンタープライズ」という会社で社長をやっているのがユニーク。
AQUAMAN(1962-1978)#49
1970年2月
#49~52は続き物の話。
アーサーが海を汚染する工場の調査を続けている最中、オームがメラの元ににアーサーの助けが必要だと伝えに来る。メラはオームを信用しないが…
AQUAMAN(1962-1978)#50
1970年4月
オームがアーサーを殺害するためにエイリアンと手を組む。その工作をしている途中、アクアマンの友人のデッドマン(あらゆる生き物に憑依できる幽体のヒーロー)がその現場を発見する。
デッドマンは計画を止めるべく、オームの心に侵入する。
その影響でオームはアーサーが兄であることを思い出し、計画を止めるためにアクアマンの元へ急ぐ。
AQUAMAN(1962-1978)#51
1970年6月
オームがメラに真実を伝えようとしたとき、アーサーが襲撃され消えてしまう。
オームは事態の収拾に動く。
AQUAMAN(1962-1978)#52
1970年8月
アーサーを救えず海辺でひとりしょぼくれるオーム。
デッドマンはオームの身体を乗っ取り、エイリアンに挑む。
Adventure Comics Vol 1 #444
1976年4月
オームがアトランティスの武器庫にある、水中でも呼吸ができる血清を得るためにアーサーと取引する話。
ついにオームがアーサーの首に手をかけるのだが「兄弟でありながら、彼らの間にあるのは愛ではなく憎しみだけだ。その憎しみは生き物のように存在し、触れられるほどに大きい…とても強く、兄弟の心を壊すほどにーー」という詩的な表現が美しい。
DC Comics Presents Vol 1 #5
1979年1月
スーパーマンとのコラボ回。
海底都市トリトニス出身のスーパーマンの友人が、ある日アクアマンが軍を率いて攻撃してきたと訴えた。
事実を確認するためアーサーの元へ向かうと、アーサーもパトロール中にトリトニスから襲撃されたと言う。
だがその裏で糸を引いていたのは、トリトニスの王となったオームだったという話。
Action Comics(1938)
※kindle未販売
トム&アーサー(父と兄)VSアトランナ&オーム(母と弟)
アーサーの幼少期、アトランナは息を引き取って水葬され、その後しばらくしてトムも死亡した。
ところがなぜかアトランナは生き返り、アーサーの殺害を目論んでオームと手を組む。一方、死んだはずのトムはポセイドンとして生まれ変わっていた…というストーリー。
アーサーを中心に家族の過去や想いを掘り下げていて面白い。
そもそもこの家族を2分割して戦わせようという発想がすでに面白い。
とはいえ、オームに対するアトランナとトムの感情が描かれているところは珍しい作品だといえる。ネットの海に無料で読めるサイトが転がってるかも…?
#517 1981年3月
#518 1981年4月
#519 1981年5月
#520 1981年6月
AQUAMAN(1986)
アーサー : 父トム・カリー、母アトランナ
オーム : 父トム・カリー、母メアリー・オサリバン(地上人)
アトランティスが地上にあった古代の魔術を会得したオームと、魔術を使う海底都市の元王女(妹に王座を奪われた姉)ヌアダの力を借りたアーサーが戦うストーリー。
新たにオームの実母メアリー・オサリバンの過去が追加された。
弟のオームが気がかりなアーサーとそんな兄が憎いオーム、ヘビー級の愛憎を交えたストーリーに凄まじい表現力のコマ割りや絵のタッチという情報量で窒息する。しかもたったの1200円(#1~4)お安い!
また、後日譚の「AQUAMAN SPECIAL」や「Aquaman 80th Anniversary 100-Page Super Spectacular」も必見。
#1 1986年2月
#2 1986年3月
#3 1986年4月
#4 1986年5月
Aquaman Special 1988年1月
アーサーがオームとの対決を1ページに渡って振り返っている。もちろん兄弟対決は新たに描き下ろしている。
Aquaman 80th Anniversary 100-Page Super Spectacular 2021年8月
「AQUAMAN」80周年記念の短編集。
後日譚にあたるのは「Aquaman in MULTITUDES」でアーサーがオームと戦ったショックを乗り越える話。最後のページに...?
番外編 Who's Who: The Definitive Directory of the DC Universe (1985-1987) #17
簡単に言えばDCコミックのキャラ図鑑。
p.11にオーシャンマスターのページがあり、AQUAMAN(1986)のCraig Hamilton描き下ろしの地上で暮らしてた頃の兄弟が見れる。