文書の編集で競合文書が発生する原因
はじめに
Notes/Dominoの「競合文書」は厄介な現象です。一つの文書ファイルに対し、複数人が編集のためアクセスすると起こる事があります。最悪の場合、せっかく誰かが追加した情報が消し飛んでしまいます。
より正確に言うと、競合文書は一人でも「作る」ことがきますが、実用上問題となるのは冒頭で述べたケースですので、このケースへの対策を紹介します。
ノーツには編集時に文書をロックする機能が備わっています。残念ながら文書の編集による競合を、ユーザーに負担をかけずに回避することができていません。
もっともマシな設定をおこなっても、文書を編集モードに切り替えるときに『文書は開いてから変更されました。ビューから編集モードで開き直してください。』と、ユーザーに指示を出してきます。ユーザーの負担になるので、データのリロードならノーツのプログラムがやって欲しいとおもいます。
競合文書とは
そもそも競合文書って何?という方は、次のようなメッセージをご覧ください。
ここで[はい]を選択しますと、次の黒いダイアモンドっぽいアイコンと、[競合文書]という表示が発生します。
競合文章が生じると何が問題なのでしょうか? 内容がよく似ているけれども微妙に異なる二つの文書を作ったら大抵は困ることでしょう。
例えば「社内行事のお知らせ」の場合だったらどうなるでしょうか? Aさんはこの文書に修正を加えるつもりです。社内行事のスケジュールを1日ずらし5月2日に変更して保存しました。同じころBさんは、この文書に参加する役員の名前を差し替えた上で、保存しようとしました。すると「競合文書として保存しますか?」というメッセージが生じてしまいました。この場合、選択肢はBさんが自分の加筆した情報を破棄するか、競合文書を作るかの二択になります。しかし競合文書を作ったら作ったで、「Aさんの文書とBさんの文書、どちらが正しいの?」と閲覧者は思うので、コミュニケーションに混乱が生じてしまいます。
このように文書を保存するときにおこる競合を『保存時の競合』といいます。これはノーツに限らず色々なシステムで起こり得るものです。
ほかには『複製の競合』がありますが、それはこちらの記事をご覧ください。
発生の仕組みと対処法
既存の文書を編集するユーザーの動作は通常『文書を開く→読む→編集モードに切り替える→更新→保存して閉じる』の順になります。この一連の流れが編集の競合を生み出す原因になっています。
競合文書の発生の仕組みは、端的に次の図のようになっています。次の図のCさんがノーツクライアントで文書を編集して保存すると競合文書ができあがります。誰も同時に編集していないのに競合するのがわかるとおもいます。
この仕組みを覚えたユーザーは、競合を発生させない編集ができるようになります。ユーザーの負担を少なくするアプリケーションの設定についても言及します。
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