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ゴールデン街の思い出と、閉館前の新宿ミラノ座で映画を見た話―時をかける少女(1983)


こんにちは。Tです。
インドに行く前の日本での思い出を、ひとつ振り返ってみました。
2014年に閉館した新宿ミラノ座にまつわる思い出です。

新宿ミラノ座
概要
新宿歌舞伎町に1956年から2014年末まで存在していた映画館。
西武新宿駅の裏に位置していた。閉業後の跡地には2017年から2019年末までVR ZONE Shinjukuが営業していたが、これも閉館し、超高層ビルの建設が予定されているそう。
https://toshoken.com/news/12965
開業当初は1,500の座席数を有し、『大脱走』『スティング』『タワーリング・インフェルノ』『ジョーズ』『E.T.』『ラストエンペラー』『ボディガード』『ハリー・ポッターシリーズ』などの大作・話題作を多数輩出してきた。
しかし、新宿ピカデリーやバルト9などシネコンの隆盛により、2008年のコマ劇の閉館などはじめ、周辺の旧来型の映画館は続々と閉鎖されていく。ミラノ座はそんな中で、閉鎖した映画館の役割を担う形で営業を続けてきたが、やはり動員数の減少・施設の老朽化を理由についに2014年末に58年の歴史に幕を下ろす。
閉館前の12月20日から31日までは『新宿ミラノ座より愛をこめて〜LAST SHOW〜』と題した名作上映会が行われ、31日の13:00から上映された『E.T.』(20周年アニバーサリー特別版)に約1,400人が詰めかけ、上映後は支配人からの最後の挨拶と共に、観客全員のクラッカーと場内を包んだ紙吹雪が華々しいフィナーレを演出し58年の歴史にピリオドを打った。

新宿ミラノ座とゴールデン街の思い出
都内の大学に通っていたので、新宿はそのころから遊び場だった。
社会人になるとゴールデン街や新宿三丁目のバーによく繰り出すようになった。
そのうち、都内の大ターミナル駅でありながらディープなスポットも併せ持つ新宿の魅力に取りつかれていった。
特にゴールデン街は新宿のディープな顔の象徴だとおもっていて、古くから漫画家、俳優、ミュージシャンなどの文化人が集まり、サブカル文化の発信地であったという。背伸びした気分で、そしてあわよくば面白い出会いを求めて、友達を誘ったり一人で飲みに行ったりしていた。

通い始めて半年ぐらい経った2014年の秋、金曜日の夜。その日は仕事終わりに高校時代の同級生と遊びに来ていた。ゴールデン街の狭い路地、正面から千鳥足で歩く女性。
ぶつかりそうになってとっさに避けると話しかけられる。はぐれた友達を探しているらしい。彼女の酔い方は、これから飲み始める自分たちと大分温度差があった。
こういうのゴールデン街っぽいなー!と思って一緒に飲み始めた。自分も彼女に追いつこうとペースを速める。探していた友達が見つかったかは覚えていない。同級生は終電で帰っていた。結局彼女とはその日、3,4軒はしごして朝8時まで飲んでいた。

その日から彼女とは、付き合っているのかそうでないのかよくわからない関係が始まった。趣味、仕事内容、性格からお酒の飲み方まで、彼女には自分の持っていないところがたくさんある気がして、でも共通する部分もたくさんあって、もっとこの子のことを知りたいと思わせる魅力があった。

2014年の冬、彼女の誘いで閉館前のミラノ座に映画を見に行った。よく来た新宿歌舞伎町、何となく映画館があるなくらいの認識で、ここで映画を見るのは初めてだった。
閉館前の名作上映会ということで、そこで見たのは最新の公開作ではなく1983年公開の「時をかける少女」。ラストシーンのチープなCG処理に笑ってしまったことはよく覚えている。その年の末にミラノ座は58年の歴史に幕を閉じた。

旧コマ劇がゴジラの映画館になり、旧ミラノ座もこれから高層ビルになるらしい。

魅力ある場所には思い出が集まる。ゴールデン街や今はなき映画館たちには何人のいくつの思い出が置いてあるのだろうと思う。
自分が思う新宿の新宿らしい面はいつまでも残っていてほしいのです。

時をかける少女
作品情報
時間:1時間44分
ジャンル:SF・恋愛映画
公開:1983年
IMDbレーティング:6.6/10

あれ以来久しぶりに見ました。
チープな演出が持ち味の望郷映画。

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