大学受験の思い出【東工大前期入試】
さて、皆さんは東京工業大学を知っているだろうか。
日本には「東京○○大学」という名前の大学が沢山あるので、東京工業大学(以外、東工大)をしっかりと知らない人も多いことだろう。
恥ずかしながら私も、高校2年生になるまで名前を聞いたことがある程度で、大学のレベルを知らなかった。
そもそも国立大学だということすら知らなかったのだ。
別の記事でも触れた気はするが、東工大は東大,京大と名を張れる程の優秀な大学で、文系の無い理系特化の大学である。
(似たような括りに、一橋大学がある。こちらは文系特化の大学で、同様に優秀である。東大を王将、京大を玉将とするならば、東工大と一橋は飛車角の様な立ち位置である。)
本日は、そんな東工大入試の思い出について語ろうと思う。
と、そのまえに。私の東工大入試の結果はこちらの記事に記載しているので、ぜひ読んでいただきたい。
東京工業大学前期入試試験
まず私は、皆さんに東工大の入試内容を伝えたい。
この大学の異様な試験時間と点数配分は知っておいて損はないと思うからだ。
参考として、令和4年の入試日程を添付する。(私が受けた平成29年と試験時間、点数配分共に同じである。)
東京工業大学は試験が2日間にわたり行われる試験である。
やはり受験を終えた今見ても、この試験時間は異常だと感じる。
私はこの東工大の試験以外に、3時間も数学を解かせる大学を見た事がない。
それ以外の科目の試験時間は、相対的に一見少ないように感じるが、実は理科それぞれ2時間という時間配分もかなり異様なのである。
※東京大学の入試が、物理と化学合わせて150分であることからも、時間な長さの想像はつくだろう。
時間は気にしなくていいから、とにかく全て解け。という大学からのメッセージを感じる。
こんな入試を解いていた自分を未だに褒めたい。
ということで、ここから先は私の入試の思い出話をしていこう。
東工大入試の思い出
思い出は大きく2つある。①試験でのやらかし、②早稲田の合格発表、である。
ぜひ読んでいただきたい。
①試験でのやらかし
受験には悪魔が付き纏うという。
殆どの学生が、学校や塾から同じような注意をうける。試験に忘れ物はするな、自分の解く問題を間違えるな、解答欄を間違えるな、名前を書き忘れるな、など初歩的な注意である。
センター試験を終えた時点で、実際にこのようなやらかしをしてしまった人達をちらほら見かけてきた。
たくさん注意されているのになぜミスしてしまうのだろう。と、当時はこのようなミスをしてしまう気持ちが分からなかった。
そう、東工大の入試を受けるまでは。
事件は、数学を受験している時に起きた。
東工大の数学は、3時間で5問(6問の年もある)の問題を解くという頭のおかしい試験だが、まずは全ての問題を眺めて、完答できそうな問題から解くのがセオリーである。
私もセオリー通りに、全ての問題を把握した上で、完答できそうな問題を解いていた。
完答できそうな問題でも案外最後の答えまで辿り着けない、ということがおきる。
そうなった場合は切り替えて次の問題に進む。
当時の私はそのセオリー通りに次の問題に進んだ。
次の問題はかなり手応えがよく、ほぼ完答できた。
更に次の問題へと移る。
ここで手が止まる。
おかしい。次に解く問題の解答用紙がない。
そう、前に解いた問題の解答用紙を間違えていたのである。
頭が真っ白になった。自分が解答欄を間違えるなんてことがあるとは思っていなかった。しかも第一志望の大学だ。
私はすぐに、白くすべきは頭ではなく目の前の解答用紙だと気づく。
すぐに今解いたばかりの解答を本来の解答用紙に写し、間違えていた解答用紙を全て消した。
A3用紙1枚にうめた解答がすべて無駄になった瞬間だった。
とまあこんな感じで、私はやらかしたわけだ。
受験の悪魔は本当に存在するのである。
是非これから受験を控えている皆さんは細心の注意を払ってほしい。
180分という時間配分のおかげで何とか時間は間に合った(と記憶している)が、私はこの試験で東工大数学における自分史上過去最低点をたたき出すことになる。
やらかしがなければ高得点が取れたのか?、と言われれば分からないが、少なくとも点数の原因にはなっていたと思う。
参考までに、以下が私の東工大前期の結果である。
数学:100/300
物理:114/150
化学:70/150
英語:48/150
合計:332/750
※英語がとても低いと感じるかもしれないが、数学で最低6割取る計算をしていたので、数学以外は予定通りの点数を取れている。(この年の私の受けた学科の合格最低点は392点)
②早稲田の合格発表
個人的には前述のやらかしほど大きなことでは無いが、こちらも思い出のひとつなので書かせてもらう。
私は当時、早稲田大学創造理工学部の一般入試を受けていた。
なんとその合格発表日が、東工大前期入試の2日目だったのである。
合格発表を見るのが好きな私は、東工大の試験の休み時間(物理と化学の受験の間)で受験結果を確認したのだ。
結果は不合格。このテストはかなり手応えが悪かったのでこの結果はわかっていた。悲しさはほんの少しだった。
私は東工大入試の結果を大学まで足を運んで見に行っている。そして落ちたのを確認した。
つまり何が言いたいかと言うと、私は東工大の大岡山キャンパスで二度受験に落ちている。
これに関しては本当にもう気にしていないことなので、個人的には面白いエピソードである。
まとめ
さて、ここから私が一番伝えたいことを書こうと思う。
ここまで読んでくれた方は、もう少しお付き合いいただきたい。
私はもし、この時東工大に合格していたら、そのまま東工大の大学院に進んでいたと思う。
学歴コンプレックスを持つことも無く、その当時の自分を高めたいとも思わなかったはずである。
そう、なんと私はこの時東工大に落ちて本当に良かったと思っている。今東大に通えているのはこの時があったからである。
本当に人生は巡り合わせなんだろうなあと思う。
これから受験を控えている人は、もしかしたら受験に落ちてしまうかもしれない。(受験生じゃない人も、何が悪いことが起きるかもしれない。)
しかし、もう一歩、一緒に踏ん張ろう。
そしたらきっと、その失敗を肯定できるはずだし、頑張っていればいい未来が待っているはずである。
こんなちっぽけな受験の経験だが、本当に心の底からそう思っている。
こんな私の経験が、皆さんを少しでも励ませたらと思っている。
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