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愛知県半田市のファンの方がライブを企画してくれたので、逆インタビューしてみた

2.28(金)に愛知県半田市での九月の公演が行われる。

九月は事務所無所属の野良ピン芸人であるため、基本的に全てのライブを自分で企画している。しかし、この公演は九月本人よる企画・運営ではない。愛知県半田市のファンの方による企画・運営である。

なぜファンがライブを企画するに至ったのか。なぜ愛知県半田市なのか。今回は、そのファンの方にWeb通話で話を伺ってみた。

本当にありがたい

─本日は逆インタビューの方、よろしくお願いします。まず、九月を愛知県半田市に呼ぼうと思った経緯についてお聞かせ頂けたらと思います。

もともと、私はかなりのツイ廃なんです。だからTwitterで九月さんを知りました。Twitterのアルゴリズム的にいっぱい流れてくる時期があったんです。

─今の時代、人ってアルゴリズムの家畜ですからね。僕たちは羊ですよ。羊。電気羊ですよ。アンドロイドの夢ですよ。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』ですよ。アンドロイド。僕はiPhoneですよ。なるほど、僕をTwitterで初めて知ったんですね。

そうなんです。九月さんのやっている「読むラジオ」とか。

─でも、そこから「呼ぼう」までは距離ありません?

めちゃくちゃありますね。めちゃくちゃ距離あります。

─なんで呼ぼうと思ったんですか?

もともと私、ニコニコ動画の全盛期に、ニコニコ生放送をよく見ていたんです。その中でもとある歌い手さんの応援をしていて。東京でワンマンライブがあるってなったとき、私は名古屋なので、おやすみを取って東京にライブに行ったんです。そしたらそのとき、歌い手さんが「全国ツアーとか遠征もしたいです」と言ってたんです。

─全国ツアー、ライブする者全員の夢ですからね。

当時、私が通っていた名古屋のバーが、演奏とかライブとかもできるお店だったんです。だから「名古屋も是非、こういうところもあるので」って、ライブ後の物販でお話したら、「ぜひ行きたいです」となりまして。そのときは正直、箱を紹介して終わる感じかなと思ったのですが、それからその方のライブイベントを企画するようになったんです。波はありますけど、年に2回とか。

─あ、もともとライブ企画をよくされる人なんですね。

ライブが観たいけれど、お休みを取ったり、旅費も取ったりすることを考えたら、難しい。逆に来てもらって私の好きな箱でやってもらうほうが楽しいかも、みたいな発想です。イベンターさんだと、ノルマとか何人呼ぼうとかあると思うんですけど、そういうのも基本なしで、最低の箱代と交通費をこちらで負担するので、チケットで何人呼んだら何割、みたいな感じでやったりして。その延長で今回のイベントとなりました。

福井県池田町の古民家。九月は色んな場所でライブする。

─お笑い芸人を呼ぶのは初めてなんですかね?

ぶっちゃけ、私お笑い本当に嫌いなんです。

─ひっ、あんま面と向かって言わないでください!

嫌いなのは、特に「イジり」の部分なんです。イジりは芸人さん同士、プロ同士だから成り立ってるし、そこに関係性があるから成り立っているわけじゃないですか。それは見てて面白いかもしれないけれど、それがテレビで目に入ることによって、分かってない素人が形だけ真似して、いじめに発展しちゃったりとか。そういうのがなきにしもあらずだと思っていて。

─ああ、それは間違いないと思います。ああいうのって技巧的なフィクションなんですよね。カメラが回ってないところだと仲良かったりとか。いじられてた人が偉そうだったりとかまである。職人の仕事なんですよね。

でも、それを「形だけ真似すれば面白い」と勘違いしちゃう人もいるじゃないですか。特に小学生とか、中学生とか。そこはお笑いの怖いところだと思うんです。

─なるほど。

でも九月さんを見て、そういうところが配慮されてるなって感じたんです。それこそ読むラジオでも、最後まで読むと必ずフォローが入ってたりとか。それでYouTubeでコントも見るようになって。「サピオセクシャル」とか好きです。

─ああ、恋愛のね。どうでもいいのに勉強のことばっか褒められて腹立つネタだ。

そして、観るラジオも見て。

─ああ、やってますね。トーク動画ね。

そこで出てきた話で、九月さんが「NHKの高校講座に出たい」っておっしゃってたのが印象的だったんです。

─あ〜! 言ってそう。言ってたかもしれません。

九月さんの口からNHKの高校講座って言葉が出てきたとき、はっとしたんです。私、助かっていた時期があったので。

─あれいいですもんね。高校講座。

学生時代にいじめを受けたりとか、テレビを見て嫌悪感を感じたりとかしていて。みんなが面白いと思っているものが面白いと感じられなかったんです。ついていけない感じというか。みんなは盛り上がってても置いていかれたりとか、ついていこうとも思えないとか。そういうのがあって。でも、九月さんを見て、お笑いっていいなぁって最近思えるようになったんです。

─めっちゃ嬉しいです。お笑いの外にいる人にお笑いを届けるのも自分の大きな役割だと思っているので。間口を広げるというか。

笑うって凄く良いことだなって思ったんです。体と心ってきっとリンクしてるじゃないですか。落ち込んでるときでも、笑うことによって、笑ったっていうのを脳が察知してポジティブになれる感じがするんです。

─感情よりも先に表現がある、みたいな話ですね。

お笑いを見て、お笑いを見てる間も内容を見て面白いってのもあるでしょうし、それを見て笑えることによって、気持ちがもっと前向きになるみたいなこともあると思うんです。そういうのを知って、お笑いっていいなって思えるようになったんです。

─やったー!

それで、私の地元・半田市に九月さんを呼んでみようと思ったんです。コントライブをして頂くほか、せっかくだから学生さん向けのトーク企画とかもやってほしいなと思いまして。九月さん、東京でもやられてましたよね。渋谷でしたっけ?

─そうですそうです。渋谷でやってます。中高生向けのライブみたいな。

こういうのやってるんだ、って思って。これ、私の地元でやるべきだなって思ったんです。学生の頃って、世界がここしかないって思っちゃうじゃないですか。家がここだから、親元で暮らすのが当たり前だから、転校って選択肢もあってないようなものだから、場所がここしかないじゃないですか。

─うんうん。

そういうときに家から出られるきっかけって、多いに越したことないと思うんです。だから新しいものに触れるきっかけを作りたいと思って、勇気を出してメールを送ったんです。

─覚えてますよ。

そしたら、「反社じゃなければいいですよ」って返ってきて。

─覚えてます。

快諾もいいところで。

─反社じゃなかったので。反社だったらダメですけれど。

九月さんを呼ばせて頂いた経緯としてはこんな感じです。それこそ、お笑いにテレビでしか触れたことない人とか、お笑いに馴染めないなと思っている私みたいな人が、現場での良さとか、生感とかを体感できるライブになったらいいなと思っています。

現場だからこその空気感とか、その場にいてこそ尚更面白いとか。画面越しの一方通行な感じではない面白さ、作品としてだけじゃなくて、一体感みたいなものの面白さを感じたくて。音楽ライブだとイメージしやすいけど、それと同じものがお笑いにもあるんじゃないかと思って。

だから学生さんや地域の人が初めて行くような、気軽に来て頂けるライブになったらいいなって思うんです。そこで発見があればいいなと思うんです。

─そうですよね、何かしらは思うでしょうからね。外部のものと接したら何かがあるから。

色々したいこともあるけれど、気付いたら家と学校、家と仕事の往復みたいな暮らしをしている人も多いと思うんです。そういういつものルーティーンじゃない動きをする、一つのきっかけになったらいいなと思うんです。

ありがてえ、がんばろうっと

公演情報

2.28(金)「半田招待公演 半田ってどこ?」
①学生座談会  開場17:15/開演17:30
②コントライブ 開場19:00/開演19:15

場所:瀧上工業雁宿ホール 第一・第二会議室
内容:90分の学生向け座談会と90分のコントライブ。
料金:一部 無料
二部 一般2000円/大学生1000円/中高生無料
予約:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScf6sTpCe2SU2QnVLeFagHDLhlPP6FLy93b6SO0mQn0TNKMfA/viewform

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九月
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