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一次情報にあたるのは重要

韓国の戒厳令が出たときはYoutubeで知った。韓国人が日本人向けに発信している動画はいくつかあって、日本に在住してる韓国人で、韓国人を呼び寄せて日本のいいところだけを体験してもらって好意的なコメントをもらうIKITERUさんが最初に目についた。たとえば、車イスの女性を成田空港で迎え、電車やバスに乗る。ホテルに行くまでの私鉄もJRもみんなとっても優しくて、エレベーターまで案内してくれるし、タクシーもとっても親切。レストランでは(木曽路っぽい感じ)個室でとっても丁寧にもてなしてもらい、彼女は「韓国ではこんなことは経験したことがありません」と感激する。ただ、IKITERUさんの動画をいくつか見てると恣意的にいいところばかり紹介してくれるので、むずがゆくなってしまう。障がい者の日本人が「欧米と違って日本は不親切で全然ダメ。欧米ではバリアフリーはすでに常識。日本は民度が低すぎる」とのたまってるのをよく見る気がするから、きっと日本もまだまだなんだろう。電車で駅員さんが丁寧に車イスと電車の高さのギャップを埋めるスロープを出してくれるのはありがたいことだが、設計自体が悪いってことだからね。でもアタシは決して「欧米なら完璧」とは思わない。米国はよく知らないが、欧州の古い街では店舗の入口に数段の階段があることもあるし。そう主張する日本人は、IKITERUさんが韓国からの来訪者にするのと同じように、欧米でいいところばかり連れて行ってもらって「アチラに比べて日本はダメ」と同胞を見下してる気がする。

最近必ずチェックしてるのは、韓国人先生デポちゃんと、きばるんさんだ。きばるんさんの日本語はネイティブレベル。デポちゃんは流暢レベルだ。どちらも多分韓国人で(確認してないが)過去日本に滞在してたけど今は韓国にいる。おちゃらけデポちゃんにはホジンくんというお友達もいて、デポちゃんのくどかったり下品だったりする仕草を見てホジンがちょっとひくのもかわいくて好きだ。デポちゃんは日本大好きな立場で発言してて、明るくて優しくて純粋な人柄が魅力だ。そういうコメントがすっごくたくさんつくらしくて、デポちゃんは「みなさん、画面の向こうの人を、信じちゃダメだ」って、真顔で言ってた。アタシもそう思うよ。デポちゃんだって黒いところいっぱいあるんだろう。でも、明るいデポちゃんが、アタシは大好きだ。

きばるんさんはいつもテンションたかくて恋愛事情のハナシとかしてるみたいで、最初はそんなにはチェックしてなかったんだけど、最近は「いま韓国、来ないほうがいい!」と説明してくれる発信をよくしてて、頻繁にチェックするようになってた。そしたらある日、冒頭でいったとおり、戒厳令が「ついさっき」出たことを教えてくれたんだ。

それから2人はそれぞれ、韓国のいまを発信し続けてくれてる。2人は嫌日政治家を大統領にしたくないのだ。2人とも自国を愛している。そして、日本のことも好きでいてくれてる。きばるんさんはユン大統領に批判的で、デポちゃんは以前から「人気ないのわかってるけど自分は応援してる」と言ってた。屋台でご飯食べながら「ユン大統領がんばれ!」みたいなこと叫んでホジンに口を塞がれてた。ふさがれてたってことはその時点でユン大統領は相当嫌われてるんだってわかった。

きばるんさんは韓国の全国放送(?)でも、アンチ反日を発信するYoutuberとして取り上げられたらしい。反日韓国人には過激な人もいそうだから、アタシはいつもきばるんさんの安全を祈ってる。

デポちゃんは、アタシたちにデモの実態を教えてくれるため、両方のデモに参加してくれた。ユン大統領反対派のデモのほうがいろんな年代がいたかもしれない。道路に大統領を批判どころか中傷するラクガキをしていた女子高生にデポちゃんがインタビューすると、彼女らはあっけらかんと「アタシが描いたんだよ!いいでしょ!?」と笑う。日本のアニメは大好きだと言い、カタコトの日本語で話している彼女らとデポちゃんを見て、別の子たちも日本語で楽しそうに話しかけてくる。彼女らはそれほど強い気持ちはなく、ただ「みんなユン大統領が悪いって言ってるし」「みんなデモに参加してるし」くらいの明るいノリで参加していて、日本のテレビが報道する賢そうな男女高校生たちとはだいぶ違う。

その後デポちゃんは、反日に反対することを決め、「ユン大統領を守る」にマジで参加した。デポちゃんは政治プロセスを正しく理解してなくて、弾劾裁判が行われる前に断罪されると思ってたらしくて、デモの最中に泣き出しちゃう。すると、近くにいたオバサンが「大丈夫よ、ちゃんと弾劾裁判があるのよ」と慰めてくれて、扇動されて日本を憎んじゃダメだよ、というデポちゃんに賛成してくれるんだ。デポちゃんの純粋さにもオバサンの優しさにも驚いたけど、そっか、年配の人の中にも日本に好意を持ってくれてる人もいるんだなって、それが嬉しかった。

正直、アタシはノージャパン運動の頃から「韓国どうなのよ」と思い始めてた。けど、きばるんやデポちゃんやホジンを知って、やっぱり韓国人好きだと思うし、韓国と日本の関係は良好でいて欲しいと思う。ソウル行ったときも街の人はすごく親切にしてくれたし。日本にいると今回も、ニュースではほとんどアンチユンのデモしかとりあげない。ほとんどのコメンテーターは「韓国人もイ・ジェミョンに心酔しているわけではないが、ユン大統領に反発するあまりイ・ジェミョンを選択しようとしているにすぎない」と言っていて、韓国の反日によって日本が嫌韓になるのを防ごうとしているが、そんなコメンテーターたちの言葉より、きばるんさんやデポちゃんを見ていれば、テレビが言うほど韓国人が嫌日なわけではない、と自信を持てる。きばるんさん、デポちゃん、ありがとう。

そんな韓国では、半分以上の人が、ニュースソースとしてYoutubeを信じるらしい。日本では20%台だそうだ。

で、ヘライザー総統の話である。兵庫県知事を、アタシは正直まっとうな人ではないと見ている。多くのYoutuberは、斎藤知事降ろしは100%オールドメディアの陰謀。自殺者のひとりは斎藤知事の敵に脅迫されて自殺させられた、と主張していた、アタシが知ってる限りでは。もうひとりについては、立花隆が「愛人が10人もいたワルモノ」と言ってたらしい。

アタシの見解では、例の炎上した広報氏を含め、斎藤氏の周囲の人間の言動ががおかしいし、斎藤氏が本人やYoutuberさんたちが主張するほど清廉潔白の孤高の戦士であるならば、周囲があれほど怪しいはずがないと思うし、たとえ清廉潔白であったとしても、彼らが言うほどまでに巨大で邪悪な敵が多い人物が組織の長として県政を導くには不適切だと思う。こういうこというと嫌われそうだが、組織の長には「清濁併せ呑む」能力も必要だとアタシは思う。理想主義の鳩山由紀夫が日本に何をしたかを振り返ってみるといい。失脚したあとの鳩山は中国にシッポ振って「中国が日本を併合してくれればワタシが日本の長に返り咲ける」と言わんばかりの売国奴に成り下がったではないか。(実際にはそういう発言はまったくしていない、アタシがそう感じたよ、っていう悪口だよ、念のため。)みんな大好き小泉純一郎がぶっ潰して再編した日本郵便のサービスはどんどん低下し、郵便代は飛躍的に上がってるじゃないか。理想主義者の調整能力、政治リーダー資質をアタシは信じてないから、自分の地方リーダーには斎藤氏はお断りだ。

兵庫県民が斎藤氏を選んで多くのネット民が「オールドメディアに抗う斎藤氏こそ素晴らしいリーダー。コレ以降、彼を批判するヤツは腐った旧体制の支持者で蛇蝎のようなヤツら」と決めているように見える。見えるだけね。斎藤氏をキライなネット民も多いだろうけど、いま声が大きいのは斎藤氏を好きなひとたち。

Youtuberたちは最初、オールドメディアを信じて斎藤知事を叩いてた。でもオールドメディアへの批判が出ると一斉に手のひらを返して斎藤氏をあがめ奉りはじめた。アタシの認識では、占い師じゃない占い師ケンケン先生だけが、最初の時点で斎藤氏が実際にパワハラ系の観相を持つと言い、ネットの手のひらが返ったあとも「いやいやいや」と言ってたはずだ。ケンケン先生が、斎藤氏がパワハラしたのは事実だ、と主張したわけではなく、「観相学的に彼を『やっぱり素晴らしい人格者でした』ということはできません」という内容のことを言ってたと思う。動画見返してないけど。普段、ケンケン先生は名誉毀損になるのを避けるため、何も問題を起こしていない人の観相を解説するのを避けてるんだ。でも、斎藤氏のことは、最初の報道がでた時点で解説し、皆の意見がかわったからとといって前言撤回したりしなかった。観相学っていう以上、人気の変化で見立てが変わるはずないもんね。

でもヘライザー総統は手のひら返しちゃった。斎藤氏に悪口言ったことを謝罪し、その後はオールドメディアに反発する形で斎藤氏に好意的な投稿を繰り返した。総統はおそらくは斎藤氏の支持者ではなく、斎藤氏を取り上げるとバズるから取り上げるだけの根っからのYoutuberだ。アタシが彼女を好きなのは、若いのに、シンプルなアタシなんかが思いもつかない穿った見方をするし、それに共感できることが多いからだ。でも信者ではなく、斎藤氏についての投稿は意見があわないから見てなかった。総統に信者はいっぱいいて、アタシが総統の動画に「今日の動画の発言はちょっと傷つくかも」みたいなコメントしたら「お前が言ってるのは殺人がでてくるドラマを放映するのは殺人してるのと同じだから怖いと言ってるのと同じ。お前がアタオカ。アタオカタヒね」(死ね、の意味ね)って主旨のコメがついてそれにイイねが2件ついてたんだ。ちょっとひいたけど、信者の熱量てすごいよね。

ま、斎藤氏に過度に肩入れした結果、兵庫県民ではないかもしれない総統は、立花が「自殺したヤツは10人愛人がいる最低男」「いや、愛人は7人」「やっぱひとり」と言ったのをリアルタイムで拡散し「斎藤氏の選挙公約達成率は98%」という拾い画像を拡散したらしい。それで兵庫県知事選を振り返ったローカル新聞に、斎藤知事当選の立役者のひとりに挙げられて、総統は戸惑ってた。

でも最近になってアンチに「出どころ不明または虚偽情報を選挙期間中にインターネットで拡散した罪」により逮捕される、とコメントされてるらしい。らしいってのは、総統本人がそういう動画を出してたってこと。

公職選挙法ってのは解釈が難しいらしく、広報氏のときもアタシたち素人には、斎藤氏も広報氏もまっこうから抵触してんじゃん、と思えたものの、テレビにでてくる専門家たちは「公職選挙法に抵触する恐れがある可能性がないこともないと思われるような気がしないということはできない」としか言ってなかった。昔は選挙期間中にインターネットで話題にしちゃいけないと言われてた気もするんだけど、選挙に関係ない人も一切発信しちゃいけないんだっけ?わからないぞ。総統は法律に触れたなら逮捕されて処分も受ける、虚偽情報を拡散したことは謝罪する。その意識はなかったが、覚悟をもって発信している、と発言してた。

実際総統逮捕の動きがあるかは知らん。総統のアンチの妄想かもしれん。ただ、このことは、ネット民たちが大好きな「ネットは真実、オールドメディアは虚偽」という概念へのアンチテーゼではあると思う。ネット民が大嫌いなオールドメディアだが、彼らは記名記事でなくても「一次ソースにあたる」「ウラをとる」ことが義務づけられてるはずだ。一次ソースを一般には開示できなくても記録はあるはず。一次ソースであっても妄信せず別のルートから、その情報が正しいことを確認する。そうして初めて記事化する。陰謀があって、一次ソースもウラもウソだと知っているときもあるのかもしれんが、とりあえず個人の思い込みだけで発信することは禁じられているはずだ。だから裁判で争うし、記者の妄想で記事化された事件も山ほどあるが、そのたびに調査して経緯を公表して再発防止策も発表する。ネット民がどんなにオールドメディアをキライでも、一応はその体裁は整ってる。

今回の一連の流れで、亡くなった方が自殺に見せかけて殺されたと記事にするためには、それを証言する複数の異なる合理的なソースが必要だ。亡くなった方に愛人がいたのなら、その愛人たちが一次ソースだし、肉体関係があったことに最低でも状況証拠を抑えている第三者の存在が必要だ。だが、総統を含む多くのネット民はそんなものは気にしない。立花は意図的に虚偽情報を創作して流布したから論外だが、総統は一次ソースの取得も裏取りもせずに配信したんだろう。多くのネット民は単にオールドメディアがなんとなく権力持って世論を操作してるっぽいからキライ、というだけの理由で、「オールドメディアと矛盾しているネットの情報はすべて真実」と言い張り、どんなに荒唐無稽の情報を流していても「立花さんは/ヘライザー総統は、腐りきったこの世の救いの神」ともてはやす。そして、虚偽の情報であることが明らかになると、立花はいつもどんなに叩いても屁のかっぱぽいからスルーして、ヘライザー総統のコメ欄に凸してきたりするんだと思う。

アタシは総統の信者ではないが、ファンだ。取り上げる有名人の話題にはあまり興味はないが、その話題を通じて聞こえてくる総統のモノの考え方が好きだから視聴する。総統に、これからは新聞記者なみに一次ソースにあたれとも言わん。アタシだってこのnoteでは一次ソースにもあたらず裏取りもせず出展も調査せず、うろ覚えでなんか書いて「違ってたらごめん」とかいう無責任さだ。無責任に言えるからこそ発信できることはいっぱいある。そして、それはそれで楽しい。

アタシのnoteは1日に数人のアクセスだ(読んでくださって、ホントにありがとうございます)。それでも内容に責任はある。たとえばこのnoteで、きばるんさんやデポちゃんのYoutubeクリップは一次ソースではあるが、一字一句動画を確認してnoteを書いてないから、間違いや誤解はすべてアタシの責任だ。そして彼らは韓国国民として当事者ではあるが、状況を俯瞰して何が起こっているかを把握できる立場にいないから、一次ソースであっても、彼らの発信は彼らの立場で見えることや考えられることであって、客観的事実だとは言えない。ちなみに、総統の信者さんのコメントのくだりはフェイクを入れた。

ヘライザー総統は今のチャンネルで4年の発信実績があり、40万以上の登録者がいて、日常的に10-22万の視聴回数があり、数多くの戦闘員という名の有料登録者を擁する強大な発信者だ。今回は発信の仕方に反省してるところもあるだろうが、発信への覚悟も責任感も十分あるだろう。でもまだ若く素直で真摯で常識もあって、ユーモアもあって魅力的な発信者だ。これからも発信を続けて欲しい。どうか総統が心穏やかに、これからも好きなように発信できますよう。