ネパールの旅日記②日目 私何しに来たんだろう
ベッドが揺れた。結構揺れた。下の人動いてる?否、地震だ。でも大陸が大きいから大丈夫かーってぼやっとしてた。
いろんなものが鈍ってる。本来あるはずの危険予知。
お守りの音は聞こえない。バイクの音で。
ちょっと疲れた。目的地に程遠い所をぐるぐる回る散歩。宿の屋上でホッとする。帰ってきた感覚。
生きた山羊の横で絞められた山羊。彼らは何を思うのだろう。
この宿は地元の若者がchillしにくる。優しいギターと歌声、鳥のさえずり、車の音、女性たちの話し声。風。空の広さ。スズメバチの散策。
もう少しここにいたいのかも知れない。
赤、白、青、黄、緑、馬と虎とライオン、ゾウもう一つはなんだろう。その布たちが風で揺れる。
なんとなく半日街を歩いてみて、みんなお金を得るために働いているというのがわかりやすいかも知れない。呼び込み。
ネパール人しかいないモモの店に入った。この国で2つめのお食事。かっらい。ひーひーしながら5ピース食べてコーラを買った。
「ネパール人は、辛いと甘いと酸っぱいが好きなんだ」ってナシブさんが言ってた。
わかった氣がした。ボウダナートを目指すのをやめて散策に切り替えたら急に心が軽くなった。お店が気になり始めた。お腹が空いた。
ぎゅっとチカラを入れてたんだ。
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わたし、何しにきたんだろう
て、思った。
歩き疲れて、行きたかった次の宿も見つけられなくて。目の前よりも明日のこと、明後日のことを考えて生きてる。時間に追われてる。
まるで、3日居たかと思うくらい、人の行き交うカトマンズをもう充分だと感じてた。
丸一日歩き通し、宿まであと30分。
日本から持ってきたパイン飴を舐めて少し落ち着く。
街路路の乾いた木を触ってもう一息。
極め付けは、芝生の広場。見つけた瞬間の帰ってこれた喜びは言葉にならなかった。私の日常に、すぐ近くに必要なものは、これだった。
衣食住よりも優先して探しに行きたいと思うもの。足のつけられる土草。広い空が見える空間。
ガラスに映る顔が険しくて、昔に戻ったかと思った。今、カイトが私に引っかかったの。少年の顔を見て私、笑ってた。よかったー。
疲れたんだよね。そして緑が足りなかった。あと、少しの静けさと穏やかな人の顔。
もっと田舎に行こう。緑のあるとこがいい。この公園にはpoliceが2人いる。女の子とお母さんと話してる。あー、ここはいい。ずっとここがいい。
もう3日くらいいるかと思ったら、着いたのは昨日の夜だった。なんてことだ。なんてことだ。
ネパールの犬は姿勢がいい。そういえば。首がすっと上に伸びてる。きっと首輪もリードもしないからだ。
あー帰ってきた。やっぱり緑から自分に戻ってきた。内側に安心がある状態。話しかけられてももう大丈夫。
ふくらはぎがカチカチだ。運動不足。8:00-18:00までほぼほぼ歩いてた。高低差もないんだけど。
あと3日、ここでゆっくりすることにした。観光してもいいし、ただ外で麺食べて、屋上で本読んでもいい。as you like. ゆっくりしていいよって思えた。
明日はポカラのバスを探しに行こう。そして芝公園に行ってゆっくりしよう。本屋さんもすごく穏やかになれた。時折、英二さんのことを思い出して元氣になる。ありがたい。
生活用品屋さんのヒンドゥーのおばちゃんはいただいたお金を額に当てる。その所作が私の内側にふと落ちた。浮いていたものが地についた。お金ちょうだい!お米でもいい!って3人の子供とお母さんにしつこくついてこられた。だめ、一度やっただけでは何も解決しない。って心を鬼にする。冷たく当たる。お願いだからこれ以上ついてこないで、すっといなくなってって心のどこかで願ってた。でもぐいぐいくる。疲れも増して。どうするのが正解なのか、わからないなら色々やってみよう。試して答えを出そう。
同室の子が「スナック食べたり電話したりしても大丈夫?もし眠かったら言ってね!」って言ってくれた。「全然大丈夫。氣にしないよー!」って相手が心地よくいるための対応を瞬時にやる。本当の私は、できることならすぐにでも眠りたかったのに。私を大切にしてないのは私自身なんだ。私が選んでるんだ。