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お風呂と紅茶パック
お風呂での考え事は捗る
朝風呂派だと宣言したいところだがそれは言い訳
本当は朝夜どっちも入りたい
面倒でなければ
夜は深夜に帰ってくるのですぐ寝たいし朝も朝で早く出るからギリギリまで寝ていたい
しかしながら流石に体を洗わないと外出は出来ないので、仕方なく30分余裕を持って起きる
起きれたら
なので基本朝風呂に入ってる時には時間が無い
でも、たまに気力があって夜に入れて、たまに湯船に浸かれることがある
そんな時は時間が許す限り思考する
毎日毎日繰り返す動作
シャワーをお湯になるまで出して体を濡らす
頭を濡らしてシャンプー、リンス
歯を磨いて2回嗚咽、リンスを流す
ボディソープで体を洗ったら流してメガネを洗う
最後に顔を洗う
毎日毎日全くおなじ手順でお風呂に入る
イレギュラーの髭剃りを忘れるほどルーティン化されたルートだ
思考が全く入る余地のない
体は忙しくても思考は手持ち無沙汰だ
思考は脳で行われている
普段外界から得る情報を考えつめなのでほんとうにたまの休暇だ
そういうとき、よく脳だけがひとりでに散歩しだす
休んで欲しいけど、起きてる限り思考は回り続ける
それでも唯一の自由時間として、ゆっくり気の向くままに思考する
空っぽになれないとも言うが
初めは些細
あーシャンプー2回やっちゃったな〜そういえばシャンプーの横の溝って〜、、、昨日のあの時の表情の意味って、、、昼頃言われたあの言葉そういうことか!行き違ってたのに会話続いたな、勘違いされてないかな、、、ハッ、明日の授業で使う資料の問題点、ヌアザ〜、、、今まではこう考えてたけどもしかして、、、なんて頭の中で閃いたり知識を繋げたり、言葉じゃない記号を漂わせ、取り留めのない思考の波をザバザバサーフィンしていると、どうも頭が澄んで、やる気が出てきて、なんだかいい感じになってきて、ちゃんと考えをまとめるためにそろそろ出るかと湯船から上がった瞬間、ストーンと思考が落ちる
あれ、今何を考えてたんだっけ
あれ、、、
本当になんだったのか忘れてしまう
何か大切なことを考えていたということだけ覚えているので大きな喪失感で気持ちが悪い
思い出さなきゃと焦ってももう出てこない
また一から辿らなければ
その一のきっかけってなんだったっけ、、、
もうこうなったらまたシャンプーを2回やっちゃわなければ降りてこない
もうその動作は終わったので振り出しにも戻れない
外界刺激からきっかけを得ると詰む
これはあれだな、紅茶パックだ
俺は生きる紅茶パックなんだ
ガハハ
そんな風にもういっかと諦めをつけて体を拭いて服を着て、ベットでまどろむと意識の落ちる寸前に、湯に溶け出たはずの思考の汁がグチュッと耳の奥にいる気がする
起きるか、、ZZZ
起きる気力もなく夢に旅立つ
僕の睡眠はもはや気絶だ
そして忘れた頃、ふとした瞬間や思考していた状況になるとブワーッと帰ってくる
なんでなんだ
1回ルートを通って、脳にその思考を存在させる作業なのだと思うことにした
1回辿れればまたおなじように辿れる可能性があり、思い出すよりもメモリーを使わない
思い出せれば
きっかけさえ再現出来れば
自由に使えたらいいがそうもいかない
不便なもんだ
脳は不思議だ
忘れても覚えている
覚えたと思っても覚えてないのに
不思議だ
自意識はどこにあるのか
脳にあるんだろうが、心とか感情とかは全部脳の電気信号
それでも自身を操るミソはそこにある
この頭の中に自分の感覚の全てが入っている
とても不思議だ
まあそういうもんか