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第七話 動物たちとのバレンタイン
月日は流れ、雪がしんしんと降り積もる時期になりました。
その日は2月の前半。もうすぐで、バレンタインというころでした。
町中が、恋であふれる季節。
パフェといちごとスピカも、なんだかソワソワしていました。
ということで、三人が作っていたのは、カップに入っているチョコレート。型は、ハート型、楕円型、チョコはミルクチョコ、ホワイトチョコ、イチゴチョコ・・・チョコペンで書いた模様も様々です。
「ふう・・・今日も大盛況だねえ!!」
お菓子屋さんはひと段落ついて、休憩時間。ツリーハスに戻って来たスピカが言いました。
「これで、町中の女の子の恋が応援できてると思うと嬉しいよね!」
パフェはスピカに向かって言いました。
「うんうん、外はめっちゃ寒いけど、そう思うと頑張れちゃうっ!」
二人は、楽しく話していました。
そんなとき、いちごがツリーハウスに戻って来ました。
「はあっ、はあっ、ふ、二人とも~!!!」
いちごは、とても慌てた様子でした。
「・・・いちご、一体どうしたの??」
パフェが少し引き気味でたずねました。
「あ、あのね、置いてあったチョコがなくなってるの!!」
「・・・え、えええええぇぇっ!?」
スピカはとても驚いた様子で言いました。
「ちょっと、二人とも来て!!」
三人は、小さなお菓子屋さんへ急ぎました。
みてみると、本当です。6個置いてあったチョコレートが、5個になっていました。
「ちょっと、盗まれたってこと!?」
スピカは慌てて言いました。
「え、何か証拠は・・・あっ!!」
パフェは、足元を見て言いました。
そこには、チョコレートの飾りについていたアラザンのある足跡がありました。これは、何か小さな動物の足跡のようです。
「チョコをとった犯人は、この足跡の向こうにいる人・・・いや、動物だよ!!」
![](https://assets.st-note.com/img/1656938556633-g4hounVI1c.jpg?width=1200)
「この足跡、つけてみよう!!」
**********
三人は森に向かって走り出しました。
足跡は、結構続いています。
たくさん走って、ある木のところで足跡が途切れました。
そこの木の上には、チョコレートを食べているリスが!!
「あっ、あれだ!! ちょっと!!チョコレート、とらないでよ!!私たちのお店の売り物なんだから!!」
いちごはリスに向かって言いました。
「~~~!!――――・・・」
リスは何かを言っているようですが、何といっているのか分かりません。
「よし、こんな時は、動物の声が聞こえる魔法!!」
スピカは指を鳴らしました。
「ありがとうスピカ!頼りになるよ!!」
パフェはスピカに向かって言いました。
「あなたたちのだったのですか!?ごめんなさい、カラスのココちゃんが落として行ったから、てっきりココちゃんの手作りだと・・・」
リスはそう言いました。
「ん?ということは・・・盗んだのはカラス!?おのれぇカラスめ・・・!」
いちごはカッとなって言いました。
「まあまあ、動物に罪はないでしょ?私たちが置いてたのも悪いかもしれないし・・・」
スピカはいちごに向かって言いました。
「す、スピカ・・・そうだね、スピカもたまにはちゃんとしたこと言うんだね!」
「た、たまにはって何っ!!!??」
「あ、あの、ぼくはリスのポリーって言います。ごめんなさい、チョコを誰かからもらうのは初めてで、嬉しくて・・・」
「ぼくは、今までで一回もチョコレートをもらったことがないんです。」
ポリーは話し始めました。
「毎年、ほかのリスたちは貰ってるのに、ぼくだけなにももらえない・・・僕はみんなから嫌われているんです・・・」
「き、嫌われてるなんてわけないよ!きっと、渡せなかった事情とかもあるんじゃないの!?」
いちごは言いました。
「今回初めて、友達からチョコをもらいました。でも、これも『あげよう』と思ったわけじゃないんですよね?」
「・・・」
「食べてしまってごめんなさい・・・!」
「ま、待って!!」
パフェがそう引き留めたものの、ポリーは木の上を飛び移り、どこか遠くへ行ってしまいました。
続く!!!