毛利文香さん(Vn.)+原嶋唯さん(Pf.)ロビーコンサートの巻
一昨日たまたま旧Twitterで見つけたのが、三井住友銀行のロビーコンサートに毛利文香さんと原嶋唯さんが出演するという告知。
なんと無料で、1時間のコンサートを堪能できるなんて!
実は次の土曜日にも所沢のホールで彼女のリサイタルがあって予約していたのですが、往復の移動を考えると半日かかるし、チェロの練習時間も取りたいし、チケット貧乏を脱出しなければ、という思いもあって、そちらはキャンセルしようか悩んでいたので、会社を早めに出て大手町の銀行のロビーに行くことを決めました。
だったら余計に土曜日の公演は行かなくても…と腹を決め、所沢の公演は今朝キャンセルしたばかりです。
で、勇んで開演20分前に会場に着いたのですが、すでに50人以上いたでしょうか、いい席はほぼ埋まっています。
これは毛利さん人気なのか、コンサートの常連さんなのか。
それはいいとして、告知では「ブラームスを弾く」とだけ書いてあって、曲目が書いてない。
1時間の公演でこの編成なら、ヴァイオリン・ソナタを2曲かな…。
プログラムを見たら、ずばりソナタの1番と3番です。
演奏が始まって、もう、のっけから掴まれました。
広くて天井が10mはあろうかというロビーですから、音響効果抜群。
でもライブ過ぎず、とてもいい感じの響き。
原嶋さんとの組み合わせは、私が初めて毛利さんのリサイタルで心を鷲掴みにされたときと同じ。
もうお一方、北村朋幹さんともよく組まれるのですが、ある種ソリスト的な感性を持ち合わせながら伴奏する(ジャズでいうインタープレイ的な)北村さんとは違う素晴らしい個性で、毛利さんを立てながら一体となってその曲を高めていく意味においては、私には最高の組み合わせに思えます。
1番の美しく優しい導入から、徐々に熱演になっていく様には、60〜70代中心と思われる観客も高揚感に誘われて、1楽章の終わりで思わず会場に拍手が。
携帯が鳴ったり、大きく咳き込む方がいたり、物を落とす方がいたり、ロビーコンサートらしい?雰囲気もありながら、二人の熱演に会場の熱気は益々高まっていきます。
1番全3楽章終わって、大喝采!
一度下がって再登場したお二人はソナタの3番を始めます。
1番以上に毛利さんのヴァイオリンがよく鳴って、演奏が熱を帯びていきます。
熱演を通り越して、これぞ凄演!
ああ、この時間が愛おしい。
ここにいてこの音楽を生で聴けるこの幸せよ。
何故これほどまでに、毛利文香さんのヴァイオリンは私の心を掴むのか。
言葉にできません。
昨年末も毛利さんのベートーヴェンを聴きに行きましたが、今日の感動はその比ではなかったです。
そう。
この感動の種類は、席から動けなくなった最初のトッパンホールのリサイタル以来。
アンコールは、同じくブラームスの歌曲でハイフェッツが編曲したものだそうですが、その前に彼女のMCで、
「今度の土曜日に所沢でリサイタルがあります。ブラームスはもちろん、シューマンやドヴォルザーク(って言ったかな?)など演奏しますので、是非いらしてください」
…ああ、今朝キャンセルしたばかりなのに、どうしても行きたくなってしまった💧。
頭を冷やして数日間検討します。
生きてる時間には限りがあるからなあ。
感動の生演奏をとるか、へたっぴを脱出すべく僅かながらの努力の時間を確保するか。
悩ましい限りです…。
いずれにしても、三井住友銀行さん、素晴らしいコンサートを、しかも無料でありがとうございました!
ロビーコンサートを超えて、サントリーホールの大ホールで聴いてもいい超名演でした。
さて。
悩みます。
それではまた。