クロンベルク・アカデミー日本ツアー@サントリーホール ブルーローズ
2023/6/17(土) の19時開演の上記公演に、娘と2人で行ってまいりました。
私も娘もサントリーホールは大ホールばかりで、小ホールのブルーローズは初めてです。
クロンベルク・アカデミーは、日本人では、樫本大進さん(!)、毛利文香さん、大江馨さん、チェロでは宮田大さんをはじめ、世界的に活躍する弦楽器奏者を数多く輩出している、世界最高峰のドイツの非営利の音楽教育機関だそうです。
調べてみたら、創設者には故・カザルス様の奥様やロストロポーヴィチ様が名を連ねています。
カザルス様没後20年に、チェリストのライムント・トレンクラーさんが中心となって設立したのだそうです。
今回の公演は、アカデミーのプログラムにある世界ツアーの一環で、講師、卒業生、そして選抜された在校生による、室内楽の日本公演2日間のうち、講師であるヴィオリスト今井信子様が参加される日でした。
(あとの1日は宮田大さんが別プログラムで参加でした。こっちも観たかったけど我慢…)
私の記事をずっと読んでいてくださる方には、私の目当てはお見通しだと思います。
はい。
ヴァイオリンの毛利文香さんです。
彼女のトッパンホールでのリサイタルで打たれて以来、もはや追っかけと言われても仕方ないですね。
彼女や山根一仁さん、今をときめく田原綾子さんや上野通明さんの4人が結成しているエール弦楽四重奏団が、今年の別府アルゲリッチ音楽祭でアルゲリッチとマイスキーと共演した公演、飛行機に飛び乗って観に行きたかった✈️。
どこかのテレビ局で放送してくれないでしょうか。
動画配信とかしてないかな…。
情報お持ちの方は是非教えてください。
話が逸れまくった😅
もとい。
大江さんが1stヴァイオリンのモーツァルトも大変良かったですが、次のメンデルスゾーンが凄すぎました。
1stヴァイオリンには講師のミハエラ・マルティンさん、2ndに毛利文香さん、ヴィオラにやはり講師の今井信子様と現役生徒のフェランデスさんと、チェロにはやはり生徒のヴァレンベルクさん。
さすがに講師お二人の出す音の存在感は、若手には出せない強烈なものがあります。
それにアンサンブルが強力に難しいこの曲、私は初めて聴きましたが、曲の発する熱量が凄まじい。
終わったら、もう会場は大喝采!
私と娘があとで話して意見が一致したのですが、ヴァイオリンは、毛利さんが1stの方が絶対良かったよね、と。
講師のミハエラさんは存在感が凄いのですが、ちょっと大味なところがあり、その裏側で完璧な演奏で毛利さんが支えていて、たまに主旋律を交代したときに、「ああこっちの方が美しい!」と、聴衆の多くの方が思われたと思います。
(ミハエラ先生、私と娘の心の中で留めておけばよかったのですが、ごめんなさい🙇♀️。
娘と反対隣りの席の女性の方も、明らかに毛利さんに向けて、大拍手をしていたのでついつい😅)
休憩を挟んでブラームスの弦楽六重奏曲第2番。
今度は毛利さんが1st、大江さんが2nd、チェロは先ほどの生徒さんと、講師のヘルメルソンさん。
いやーこれももう文句なしに素晴らしかった。
この曲では発見がありました。
今日の公演でこの曲で初めて出演した、生徒のヴィオリスト、ハヤン・パクさんがとてもとても素晴らしかったです。
ボウイングがとても美しく、音色が艶やかで絹のように滑らか、表現力も素晴らしい。
今井信子様が創設した、東京国際ヴィオラコンクール第1位。
今もクロンベルクで今井様に師事しているということは、完全に今井様のお眼鏡にかなった逸材ということでしょう。
今後の活躍がとても期待できるヴィオリストです。
注目しておこうと思います。
ブラームスが終わって、もう会場は興奮の熱が醒めません。
アンコールはありませんが、最後に演奏に参加せずに客席で演奏を聴いていたミハエラ先生と、今井先生と、モーツァルトでピアノを弾いた生徒のユリアス・アザルさんがステージ上のメンバーに呼ばれて、横一列でご挨拶。
われわれ観客も大満足の公演となりました。
今日の公演、私が娘を誘ったのですが、
「誘ってもらってホントに良かった」
「毛利さん、凄いねえ」
「ハヤンさんっていうヴィオラの生徒さん、良かったよねえ」
と、嬉しい言葉が。
娘もクラシックに関しては一家言もっているので、いいと思う演奏で共感したときの喜びは、親としてもひとしおです。
この日は朝からチェロ+ピアノの練習から始まり、昼食から移動から夕食からコンサートから我が家(娘の実家)への帰宅まで、ずっと2人で過ごした充実の一日でした。
遠距離新婚の夫ぎみ、ごめんなさいね。
父の日イブということで(笑)。
今日もお付き合いいただきありがとうございました。
ではまた。