天鳴の刻01闇の胎動天地君子
突き立てられた感触にて意識が呼び起こされる。このフィット感が鳴人を思い起こさせる。しかし、彼奴は眠ってる時に襲い掛かって来ない。立場を弁えてるし、また、必要性を持ち合わせていない。妾へと尽くす事があの者の務め。自らの欲望のままに動かない。
「誰じゃ、そなた?」
「あれ?違いがわかるの?」
「そのような笑い方も、無作法も、鳴人は決して行わぬ。まあ、好きにせよ。これも、一興……」
逞しい身体付き、収められてる代物さえ寸分違わぬ。それに反して中身が異なる。暗がりでもわかる卑しき笑み。どうせまた良からぬ実験でも行ってるらしい。仕方ない奴と息を吐く。それが溜め息なのか、吐息なのか、自分でもわからぬ。腰をここまで速く動かせるのかと眼を見開く。手足にて抱き着いた理由さえ判断出来ぬ。動かないように押さえるためなのか、乱雑な扱いを求めての事なのか、考えられないまま喘ぎが口から放たれる。施されるでは無く、力任せに腰を叩き付けられ、体内を抉られる一方的な攻め方も、好ましいと感じてしまう。実験対象として扱われた事を忌々しく思う現状を忘れる程にのめり込む。胸へと顔を埋めたまま苦しさなんて見せず、腰を暴れさせてる者にて追い詰められる。
気怠そうに欠伸を漏らす鳴砂埜衣里。それでいてマッサージを強いる。何も感じていない素振りなのに続けさせられてる。突き入れる事を許されなければ飽きてしまうような反応の無さ。手へと余るサイズを丁寧に揉み解す。長い茶髪が1つへと纏められていないために腰まで広がってる。マダムへと対する作法を教わってたお蔭にて対応出来てる。お世話を務めてると云うよりも、何だか介護へと近い心境。伸び切った四肢へと力が入っていないのに締め付けだけが心地良い。
ブラウン・マダムH
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