11月26日金曜日
施設の裏手から出て木立が並ぶ淋しげな空間を横目に坂を駆け降りる。曲がっても、左手側に位置してる空白地帯は変わらないまま存在する。幾つかの路地が横たわってる以外、背の高い建物が犇めいてる。回り込むように走り抜け、白いタイル地の階段を上がる時に初めて背を向ける事に為る広場を眼にするのはその時が最初で最後と為る。ラウンジと思われる空間を通り抜けるのだけれども、天井が低いし、ソファーへと座ってる人々には気配を感じ取れない。絵画の背景としか思えない不気味さから逃れるように角を曲がるままに反対側へと抜けた。谷間へと位置する踏切を渡り、細い坂道を降ったり、登ったりする通学路を進む学ランの面々には活気が感じられて少しは安心した。それが仮に束の間としても…。結果として大回りして別棟までやって来た。時間が余計に掛かっただけで何の解決にも為っていない。責めて考えが纏まれば良かったのに却って追い込まれてしまってる有り様だった。
財布の中身を整理しても、小銭で膨らんでるのは変わらなかった。エレヴェーターを跳び出すままに横断歩道を渡ったらゲーム・センターまで来てた。駅前商店街まで向かわなければ辿り着けないはずなのに…。途中が端折られてるような感覚に首を傾げただけで深くは考えない。カーソルを動かしていないのに何故か、アンディ・ボガートが選ばれた。本来ならば主人公の草薙京が選択されるのに…。殆ど斬影拳と昇竜斬の2つしか使えなくても、それなりには闘えてる。小銭を減らしたいために下手でも構わなかった。
セカンド・チームに留守を任せて旅立ったり、事務所にて何か行ったりしてるのは忘れてる。精算機を使いたいのに高くて使えない。時計みたいに天井付近の壁へと設置されてる券売機などの機器類。誰も手が届かなくて使えるとは思えない。半ば飾りと化してる状態。誰もがカードやモバイルを使ってる訳ではないために思い遣りが足りていない結果へと行き着く。
いいなと思ったら応援しよう!
![呉羽葉月](https://d2l930y2yx77uc.cloudfront.net/assets/default/default_profile_3-39088fff430aa9ec11d6e2a385dbcad45c8b79bde6c0c9ded10cd7abb960174f.png?width=600&crop=1:1,smart)