きたいの星

「さぁサード行くよ!」
「バッチコーイ!!」
ナイスキャッチ!
サードのファインプレーに周りの選手も沸く。
チームの雰囲気は良いがなにせ弱小チームだ。地方大会は15年連続初戦敗退、最高成績は23年前の一回戦突破である。ただ部活動としてそこまで厳しくないため部員は3年生が8人、2年生が11人、マネージャーも各学年二人と十分にいる。

そんなチームが今年大きな転機を迎えた。スーパー一年生が入ってきたのである。彼の名前は「星」君。野球経験は草野球程度だというがその実力は折り紙つきで、このチームの中では特に目を見張るものがあった。彼は期待の星でありチームを甲子園へと導いてくれると本気で期待されていた。

星が一人入ってきただけでチームの雰囲気はガラッと変わった。まるで彼は彗星のごとく現れたスターであった。

そして迎えた夏の大会、三年生にも投手はいたが一年生の星に背番号1と四番を任せた。それほどの選手だった。

彼を中心に挑んだ初戦、星は序盤からギア全開で投げ、終わってみれば9回1失点完投、打っては4打数2安打2打点の大活躍だった。なんと彼はほぼ自分の力で15年連続初戦敗退という不名誉な記録を終わらせただけでなく地元に大きな感動を呼んだ。

その後なんとあれよあれよとチームの快進撃は続き、決勝まで進むことができた。それは全て星というスーパースターのおかげであった。

満を持して迎えた決勝戦。星を欠いたチームは勝てるはずもなく1対11の大敗を喫してしまった。ただ不思議なことにチームメイトは誰も星がいなくなったことに気づいていなかった。

それもそのはず名前通りのスーパースターでありチームを甲子園へと導くことが期待された星は気体となって消えてしまったからだ…

おわり


拙いですが文章を書いてみました。コメント何かあったらどうぞよろしくお願いします。


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