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#3 宇都宮LRTと東武線連携について

書こうとしていたらタイミングを逃してしまいましたが、ようやく書こうと思います。

9月12日に累計利用者数が500万人を突破した宇都宮LRTですが、福田県知事が「LRTと東武宇都宮線の連携」を訴え始め、佐藤宇都宮市長も賛同するなど、東武宇都宮線との連携が注目され始めてきました。
そもそも東武宇都宮線の東武宇都宮駅とJRの宇都宮駅は1.8kmも離れており、この間の公共交通機関がバスしかなく、現時点ではこの区間は多くのバスが運行されており、3分待てば次のバスが来るくらいの感覚です。
しかし、この区間は宇都宮の市街地にあたり、特にJR宇都宮駅から市街地へ向かう場合、どのバスが先着するかを見分けるのが難しいというデメリットもあります。
現状、JR宇都宮駅の西側区間の開業は2030年代とされており、東武宇都宮駅の近くにも停留所が設置される計画となっています。連携と言うからには恐らくここから分岐して東武宇都宮線に乗り入れと言うことも考えているのでしょうが、現状課題が多く難しいと思われます。

その理由はいくつかありますがまず、東武宇都宮駅の構造にあります。東武宇都宮駅は併設する東武宇都宮百貨店の建物内にあり、高架駅です。いまの構造では乗り入れは不可能なのです。
また、もし乗り入れをするなら東武宇都宮駅の西側を通る国道119号線(東京街道)に線路を延ばし、現在の東武宇都宮線と交差する箇所で今の東武宇都宮線に乗り入れというのが単純なルート候補にはなります。ただ、線路改良が必要ですし、既存駅のホーム改良も必要です。
そして、東武宇都宮線は単線であるということがネックになるでしょう。現状の東武宇都宮線は埼玉県の南栗橋駅や栃木市の栃木駅、新栃木駅からの普通列車が1時間に2本。ラッシュ時でも4本というローカル線ですので、LRTになると現在12分に1本ペースで昼間走ってるため本数は倍以上になります。それを途中駅には交換設備があるとはいえ、捌けるのかと言う疑問があります。
また、あくまで宇都宮市と芳賀町の事業であるため乗り入れたとしても現状では東武宇都宮駅から3駅目の西川田駅までとなるでしょう。西川田駅の徒歩圏内には栃木県総合運動公園などがあり、一定の効果が見込めますが、現在の東武宇都宮線を走る電車は西川田止まりとなるのでしょうか。そうなってしまうと隣の壬生町やその先の栃木市から東武宇都宮線を利用する通勤通学客にとってかえって不便になるのではないでしょうか。
もし、乗り入れを行うのであれば、LRT運営会社の株主でもある東武鉄道は宇都宮線全線をLRT化してしまう方がいいとさえ思います。幸いにして、宇都宮線と日光線の分岐駅である新栃木駅には車両基地がありますし、現在でも新栃木駅発着の列車があり、格段に不便になると言うこともないでしょう。

さて、今回はLRTと東武宇都宮線との連携を乗り入れという面から考察しました。個人的にはかなり難しいと思いますし、実現するとしても課題が多すぎるなという印象です。

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