ガクチカ
先日、専門商社の面接に臨んだ。
20分程の2次面接。志望動機や将来実現したいことをある程度聞かれた後、いわゆるガクチカの話に移った。
現在、僕は3年生で就職活動している最中。4年間演劇サークルに所属して、ずっと演劇の事しか考えてこなかった。
舞台演劇はとても良くて。ライブ感。
舞台美術で客席と隔てられて、照明で物語の世界が形どられて、音響にその世界に色がついて、役者が紡いでいく。一瞬一瞬移り変わっていく物語の世界を観客と共有できるのが好き。勿論、観客側にいるのも本当に好き。
役者でいる時間は、リアルの自分と演じている自覚のある自分、役としての自分が重なって存在していて。その感覚はもう終わったらなんか思い出せなくて。
覚えているんだけど、想い出せないというか、なんにせよ特別な瞬間なんだって毎回感じる。
そして面接に戻る。ガクチカは勿論、舞台演劇。どれだけの期間、どんな風に、どれくらいの規模で、それを通して何を学んだか。を求められ、答えた。その後「あなたにとって演劇とは何ですか?」って聞かれた。馬鹿にしてるんじゃないかって思った。どうしてそんな大事なこと試すように聞くんだろう、どうせ大して興味もないくせに。
なんだかよく分からないけど無性に腹立って。
適当に答えた。適当にしか答えられなかったし。そんな、演劇とは何かって考えたことなかったんだって自覚した。付け焼き刃の答え過ぎて、ここでどう答えたか書きたくないって今思った。
そして、面接が終わった。面接官5分遅れて入室してきたなーとか、腕組みながら話聞くなよとか、名前も名乗らず面接するんだとか、そんなことばっか頭に浮かんできた。絶対、演劇の質問がなかったらそんなこと思いもしないんだろうなって思ったし、ずばり僕にとって演劇とは○○です!って言い切れた時も、そんなこと思わなかったんだろうって思うと、なんかやるせない気持ちになって。
面接のために、自分がどう物事に取り組んできたかの根拠付けとして演劇の話を皆聞きたいんだろうなと感じて、
そうじゃなくて、ちゃんと愛していて、もう自分の一部で、ずっと向き合っていたくて、そんな20分じゃ語り切れなくて、僕の考えを求めてない人には喋りたくなくて、受けて止めてほしくもなくて、苦しくて、報われなくて、楽しくて、続けたくて、辞めたくて、就活でのエピソードに選んじゃって、選びたくなかったけど。演劇って僕にとってこういうものだって言いきりたかった面もあって。
noteを始めようと思ったきっかけでした。