ナベちゃん

今日、ナベちゃんにベランダに追い出された時、思い出した。

幼い頃、父親が帰ってきた時
私はベランダに連れ出されたことを。
寒くはない日だったのだが、私は連れ出されたベランダにてカーテンの隙間から覗いていたのだ、父と私が知らぬ女性の痴態を。幼きながら、私は謎の興奮と嫌悪感をその時から抱いた。
興奮が冷めた父は、様々な感情で震えている私を見て、何も思うことはなかったのか。
思い出した私は、ナベちゃんのベランダにて憤懣やるかたない思いを、胸の内に秘めてそこで眠りにつくのであった。

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