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「子なし」で生きる虚しさ
今の旦那とは、10年の付き合いになる。
子はいない。
今後も多分、持てない。
というか、訳あっておそらく諦めなければならない。
10年も一緒にいるにしては、奇跡的に夫婦仲は良好だ。
きっと、それだけでもありがたいと思わなければならない。
とはいえ、私という人間は図々しいもので、
子がいない人生を思うと、虚しくてたまらない。
虚しい、、というより「怖い」という方が正しいか。
「子を持たない人生」
妊娠の感動も、悪阻の辛さも、出産の痛みも、育児の大変さも、
私は、何も知らずに死んでいくのだ。
経験する事すら、知る事すらなく死んでいく。
それが怖い。
「そんな事を言うなら、独身の自分はどうなる、子を持てなければ可哀想か?」という声が聞こえてきそうになる。
もちろん、そんな事は断じてない。
子をもてば必ず幸せになるとも思わない。
むしろ不幸になったという人もいた。
だが、今回その議論は一旦置いておきたい。
もともと子が欲しかったか、そうでないか、
機会があったか、なかったかで、話は変わってくるだろう。
私は欲しかった。
皆が口を揃えて言う妊娠や出産、育児の大変さを知りたかった。
「大変」の中に確かに含まれている愛情を、経験したかった。
それを、知ることもなく、死んでいくのが、
それがなんだか怖いのだ。