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コピー本も作ったことがない字書きが初めて同人誌を作ってみた
※記事内では出ませんが、二次創作(BL)を含みます。ご注意ください。
コピー本も作ったことがない字書きがカバー付きの文庫本を作った話です。
同人誌を作ろう
2021年1月、ある作品にどハマりし、同年の6月からその作品の二次創作を始めました。元々は一次創作もしていた字書きで、二次創作自体も以前からしていました。
二次創作を始めて3ヶ月ほど経った頃、X(旧Twitter)の相互さんが本を作ると聞き、私も本を作ってみたい…!となったのですが、同人誌どころかコピー本も作ったことがない初心者(何とか入稿、の単語は辛うじて知っている程度)
このジャンルに来るまでは同人誌すら持っていませんでした。右も左も分かりません!とは言え、同人誌を作りたい!という一心で、先輩方を見習って、とにかく片っ端から調べてみよう!と一念発起。
以下とても参考にさせて頂きました。
仕様を決める
まずはどんなサイズの本を作るのか。小説本はA5かA6(文庫)だと聞き、非常に悩みました。ページ数が増えるとお値段も高くなるので超初心者としてはA5の方が良いかと思いながらも、よく文庫本を読むのでA6で作りたい、とA6で作ることに。
作業はスマホでも出来ますが、データの圧縮など諸々の手間やペイントソフトの使い勝手を考えてPCを選びました。
印刷所を決める
たくさん印刷所があるのでこれまた迷いました。どこを選んでいいか分かりません。まず候補に上がったのはしまや出版さんです。初心者にも優しい、Word形式の本文用テンプレートがあります。
しかし、ここで問題が。この時点でカバー付き文庫本を作りたいと思っていたのですが、多くの印刷所さんではカバーはオプションになります。加えて少数部となれば単価も高くなるので色々と難しい。
そこでRED TRAIN(onebooks)さんにお願いすることにしました。
https://red-train.co.jp/onebooks
onebooksさんは基本料金内でカバーと帯をつけられ、何部刷っても一部単価が変わらないので、少数部に優しいです。本文にカラーを使っても料金は掛かりません。
ただし、データチェックは最低限なので初心者向きではないです。(後に解像度を間違えて指摘して頂いた挙句、直して頂きました)
使用したツールはWordとメディバンペイントです。
onebooksさんで作るにあたって参考にさせて頂きました。こちらの記事を拝見しなければ正直、同人誌は出来なかったかもしれません。
Wordの設定が鬼門すぎました。
本文を書こう
カバーはデザイナーさんにお願いするつもりでしたが、本の背幅が決まらなければ依頼も出来ない。何を血迷ったか全て書き下ろしにしよう、と一から書き始めました。普段はプロットを作らない字書きですが、流石に初めての本作りとあって、かなりざっくりプロットを作って書き始めることに。
最終的には40日程度で約7万字の本文を書き終えました。
Wordに流し込むと136ページ。長編を書いた経験があったので、執筆自体は苦ではありませんでした。これについては1日2000字程度を書く!と自分で決めて時間を取るようにしました。
使ったフォントはフリーフォントの源暎こぶり明朝。調べたところ、フォントサイズは8.5ptか9ptが主流と聞いて8.5ptに。
イラストは全く描けないのでカバーはてんぱる様にお願いしました(セミオーダー)
表紙と中表紙はフレーム素材をお借りして自分で文字入れをすることに。初心者が表紙を作るなら同人誌表紙メーカーさんがおすすめです。
背幅の計算方法についてはonebooksさんのHPを見て作成。テンプレートも一括でDL出来るので分かりやすかったです。
奥付やレイアウトについてはこちらも参考にさせて頂きました。
イベントに出るわけではないので、スケジュールを気にする必要はなかったですが、10月の半ばから本文を書き始め、入稿したのが11月の下旬。本が届いたのは12月。
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作った本の仕様は以下の通りです。
【サイズ】A6
【ページ数】136
【表紙】紀州の色上質 最厚口
【カバー】コート(オーロラ)110kg
【PP加工】カバーにクリアPP
【帯】コート(オーロラ)110kg
【本文用紙】RTライトノベル 63kg
【余白】天:18mm 地:16mm 左右:17mm
紙がたくさんありすぎてどれを使えばいいか分からなかったので、表紙とカバーはスタンダードなものを使用しました。インクが剥がれるから、と聞いてPP(ポリプロピレン)加工もすることに。
※PP加工をするとかなり紙が反ります。
※特殊紙など用紙によってはPP加工をすると質感がなくなります。
本文用紙については小説本では淡クリームキンマリがよく使われますが、onebooksさんのオリジナル用紙を使用。こちらもクリーム系の用紙です。
onebooksさんはカバー、帯を巻いた状態で納品されます。
データチェックは最低限なのでノンブルが全部内側に来るというやらかしをしましたが、これはこれで味があるかもしれません…!
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まとめ
サイズやぬりたし、断ち切りやCMYK、RGBなど分からないことばかりでしたが、意外となんとかなるもので、完成した本を目にした時が一番楽しかったです!
自分が書いたものが本になるのは良い経験でした。
一番大変だったのが校正。誤字脱字のチェックが大変でしたが、誤字脱字は生えてくるもの、と割り切りました!
本を作るにあたって皆さんの覚書きに助けられたので、少しでも参考になれば幸いです。