勉強しないのは「親のエゴ」が要因?

命令指示を出さずに子どもの成長が加速する関わり方

~ショウタロウの「はっ」と学んだ事~

多くの親は、わが子が自ら進んで勉強に取り組む事を願う事でしょう。しかし、「いつまでダラダラしてるの!」「早く勉強しなさい!」と、つい子どもに声を荒げてしまう人が多いのではないでしょうか?

少し前の話ですが、大谷翔平がWBCで行った「今日だけは憧れるのをやめましょう。 勝つ事だけを考えていきましょう」というスピーチが試合前のペップトークとして話題になった事がありました。ペップトークは、アメリカのスポーツ界で生まれた激励のスピーチで、試合前に監督やキャプテンが選手のやる気を引き出す為に行うものです。

この様に声かけでチームメンバーのモチベーションを高める、これは親子でも実践可能です。

今回は子どもが自ら学んでいく関わり方を、筆者の専門分野であるコーチングの要素を取り入れながらアドバイスします。コーチングとは、相手が自ら答えを見つけて行動出来る様対話で支援する事です。このコーチングを子育てに活かす事で、子どもが自ら考え、行動する力を育む事が出来ます。

※今回は、子育て・教育ガイド: 坂田 聖一郎さんの教えです。

「勉強しなさい」は逆効果? 大前提は「ラポール(信頼関係)」

「勉強しなさい」という様な声かけは、子どものやる気をそぐ可能性があります。命令口調は、子どもに反発心を抱かせ、やる気を失わせ、ひいては親子間の信頼関係を損なう恐れがあります。親自身も子どもの頃、親からそう言われて、かえって勉強から遠ざかった経験があるのではないでしょうか?

まず大前提として重要な事が、コーチングを行う上でも土台となる「ラポール」、つまり相手との信頼関係です。親子でラポールが築かれていれば、例え叱責したとしても、子どもは、それを受け入れて成長の糧にする事が出来ます。何を言うかよりも、“だれ”が言うかがとても重要なのです。

その信頼関係も叱ってばかりだと築く事がむずかしい為、日々の親の関わり方の積み重ねが大切になります。

イライラしてしまう、これは実は親の課題。その正体は「エゴ」

勉強してくれない事にイライラして子どもに感情をぶつけてしまう――。実は、こういった場合、親自身に課題がある事が多いのです。まずはなぜ勉強して欲しいと思っているのかを顧みる事です。つまり親のエゴに気付く事が重要です。エゴとは、自分の感情や欲望を優先したり、自分が正しいと思ったりという自分本位の考え方です。勿論だれにでもあるものですし、悪いものではありません。

ただ子育ての場合、子どもの為にと言いながら親自身のエゴが強くなる事により、親子ともに苦しい気持ちになるという事が起きがちです。まずは親自身が子どもをコントロールし様としているエゴの気持ちに気付く事が大切です。自身のエゴを黙らせ、イライラしてしまう気持ちを抑えた上で、子どもに言葉をかけていく必要があります。
 
そもそも、勉強は必ずしもやらなければならないものなのでしょうか?私たちの世代では、高学歴で大手企業に就職する事が、安定した人生への近道だと考えられていました。しかし現代社会においては、大企業が必ずしも安定を保証するわけではありません。むしろ、どんな時代がきても生きていく力、つまり自ら学び、成長し、変化に対応出来る力が求められています。

勿論学歴社会も否定はしません。勉強が得意で努力出来る子は、そこを伸ばしてあげる事はとてもよい事だと感じます。ただ、勉強しなければ、いい大学に入らなければ、将来は終わりだといった自身の価値観での強い思いをもっているとしたら、少し立ち止まって自分を俯瞰する事が必要です。

勉強する・しない、どこの学校に入る、どんな仕事をする、どんな人生を歩む、これは全て「子どもの課題」です。子どもの課題は子どもが乗り越えていくしかないのです。

心から“承認”出来た時子どもの成長は加速する

とはいえ親としては、人生の選択肢や可能性が増える事にもつながる為、勉強してよい成績をとって欲しいと願うものです。では、子どもの成長はどの様に支援したらよいでしょうか?

それには、「承認」→「声掛け」→「見守る」を意識してみてください。
すぐに行動や結果を求めるのではなく、じっくりと関わる事が重要です。
 
まずは「承認」についてですが、小さなステップごとに認めてあげてください。

  • 「勉強しようと思っただけでマル」を意識して接してみてください。例えば、「今、勉強しようと思ってたのに」と子どもが返した場合、「しようと思ってたんだね」と承認します。

  • 勉強をしている時、「頑張っているね」と行動承認をしてください。

  • 成績が伸びなくても「頑張っていたね。頑張り続けたらきっと結果に表れてくるよ」と、いう感じで行動への承認を続けて見守ってください。

私が実施しているコーチング塾の生徒さんでも、コーチングを学んで中学受験を控えたお子さんに対する関わりを変えた事で、お子さんの成績が大きく伸びたという報告もありました。

子育てはゲーム! 楽しむ要素を忘れずに

子どもにこうさせたいという親の気持ちは、愛情があるからこそ生まれる素晴らしいものです。ただし、それを一方的に押し付けるのではなく、自身のエゴとは切り離した上で、どう関わるとよいのか。これを“ゲーム”だと思いながら、楽しむ要素を忘れずに実践する事をおすすめします。

はじめはむずかしいと思いますが、小さな承認を繰り返し、声をかけ、待って見守る事を続けましょう。子どもは自主的に行動する様になり、驚くほど成長します。親自身が子どもを一人の人間として、「何があってもこの子は大丈夫」と信じて関わってみてください。

コーチングとは、スポーツ場面や上司部下の関係などで活用するスキルなどと思われがちです。しかし、これまで多くの先生や保護者の方々にコーチングを通じて支援してきた筆者からすると、コーチングは親子や身近な人とのコミュニケーションで活用出来るものだと思います。
 
子どもの成長が支援出来たり、人との関係性がよくなったりして、親自身の人生を豊かにする事が出来るのです。ぜひ日常生活に取り入れてみてください。                      以上  
 
 
 
 
 
 
今回の“教え”は、私自身が小学生~中学生時代に親から経験した事にソックリで共感を致しました。自分自身が「何故?勉強する意味があるのか?」に全く腑に落ちていない・理解出来ていない「意識状態」では、ただの「やらされ感」しかなく、自ら学ぼうとしておりませんでした。しかし、自分が将来就きたい職業を見つけた際に「今のままでは駄目だ!」必要な知識・資格を取得して行かなければならないと気づき、中学2年生の後半から毎日、部活を終えてから学校の宿題以外にも足らない知識を覚えようと必死になって「学習」をする様になりました。自分の「夢」を両親に語り、高校進学も親に反対されながらも工業高校に進みました。偏差値ギリギリの私でしたが、希望していた高校に進学できました。そんな中でも「先を見つめていた」ので必要だと思った教科・知識を必死に覚え、進路指導の際になった頃大学進学を担任・進路指導の先生から勧められ、父親と三者面談を行い、工業大学でなく日当駒專の工学系を「是非、行って欲しい」と懇願され、数学・英語のレベルが、普通高校よりも劣る内容でしたので毎日、補習・自宅で進学の為の学習を行い、無事に大学進学を果たしました。両親には学費・下宿代など多くの負担をかけてしまいましたが、懸命に講義に出て単位世間は「バブル崩壊」で、就職氷河期に入っており、まだ初期期間であった為「夢」は尽く打ち砕かれ、本来とは全く異なった会社から内定を頂き、総合職として入社する事になりました。今回の坂田さんがおっしゃる様に、激動の時代でした。理系の自分が文系の同期と同じ「営業職」になって中国地方の支店に一人で赴任。言葉・文化の格差で心身ヘトヘト名上に、仕事も慣れない状態でしたが、「若気の至り」で無理をしながら何とか食らいついて行きました。今思えば、自分の「夢」を最、しつこく粘っていれば良かったと心から思っております。親も高校に入ってからは、一切「勉強しろ!!」等とは言いませんでした。子供は自分で自分の「道」を見つけて歩くモノであるとこの言葉にも大変共感致しました。誉められる事はありませんでしたが、周りが「頑張っているね」「凄いね」と承認してくた事が脳をよぎります。私も親になりましたが、一度も娘に「勉強しろ」とは言わず、「将来は何になりたいの?」と自分の経験からそう言って彼女自身の自主性で学習を促して来ました。皆さまもお子様のおられる方々もいらしゃると思い今回の記事を投稿させて頂きました。何かのお役に立てれば幸いです。        以上
 
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。      「W」

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