
そこに光が降りてくる 感想・考察⑤ 東京都庭園美術館 個々の作品解説
3階ウィンターガーデン。冬の温室を意味するウィンターガーデンにおいて、展示監修の青木淳が『植物』をテーマに展示を監修した。
三嶋りつ惠『HELIOS』青木野枝『ふりそそぐもの』
ヘリオスは太陽神。この3方向ガラス窓で日当たりの良いウィンターガーデンには持って来いのモチーフ。青木野枝さんは光を浴び成長する存在を想起させるフォルムで(つまり植物)その要望に応えている。

新館
青木野枝 『ふりそそぐもの-赤』

かなりの大型展示。床に直置きで水平を保っている。驚異的だ。この大質量物10個全てが水平を保ち、全てが連結し合いながら、その支えとなって荷重を保持しているのは、この上部の糸のような鎖の連結部分のみだ。
これは会場の壁と保持されている。

これにより全てが自立しているのだ。
そしてここは新館であるから、火気厳禁ではない。溶接が可能だ。なので現場での溶接により加工されている。それが現場で作品を見て分かった。
『ふりそそぐもの』あたかも見えない何かを網で捕らえている様に見える。この作品まで来て、やっとその解釈に辿り着ける。
この作品自体の形態を見るに、まるでネットワークの様な繋がりを感じるし、この作品の【赤】というタイトルで、あのガラスの色が赤色なんだと最後に分かる。
そして『ふりそそぐもの』という作品の中で赤いガラスが使われていた作品は何個かあった。その作品が散りばめられていた事により、この展覧会全体の一体感が増し、その関連性とは何なのか思考した人も居たのではないか?
僕はそこに意味はないと思ったから考えていないが…
青木野枝さんにとっての光、三嶋りつ惠さんにとっての光。
その考えや捉え方、見方がこの展覧会では垣間見れたのだと思う。
僕が語った考察はあまり他の方が焦点を当てていない個々の作品について語らせて貰った。多くの方が展覧会の総評で落ち着いて個々の作品を余りに理解していないのではないか?と思った次第である。
一個人の感想として誰かの足しになればいいと思います。
