私の小学校はランドセルじゃなかった

私の通っていた小学校は全員同じ黄色のナップサックだった。
しかも通学帽は黄色のヘルメット。
当たり前だが制服はない。

ナップサックとは運動部が良く持っているサブバック的立ち位置の紐と布の簡易的なズタ袋の事だが、あれではない。
あれの正式名称はナップランドと言い、リュックサックの様なものだった。

ならリュックサックと言えば良いだろうと思うだろうが、あれをリュックサックと言いたくない。私はあれを心底嫌悪している。それに先生や児童はナップサックと言っていた。書類ではナップランドと言っていたが何がランドだと思っていた。

私は小学校が大嫌いだった。

まず嫌いになったきっかけは幼稚園児の時だ。

幼稚園から自宅に帰るバスは私が通う事になる小学校の目の前を通るルートだった。

私は気に止めた事がなかったのだが、
別の校区に住んでいた子が
「あの小学校って変なランドセルしてる」と言った。

確かに変だ。
アニメで見る小学生は真っ赤なランドセル。

私はその日に母にあの小学校には通いたくないと言った。

私は今思うとただの子供のワガママだと思う。そんな事を言った所で校区は引っ越さなければ変わらない。
一応他の学校にも手続きをすれば可能だが、親が送迎をしなければ通えない場所に家があった。

しかし私の母は私に小学校受験を進めた。

私はあの学校に通わない方法があるのならと思い、小学校受験をした。

だが上手く行かないものでお受験に落ちた。補欠ですらなかった。

附属小学校だったので、あちらの求める人材では無かっただけなの話なのだがとてもショックだった。
だってあの変な小学校に通う事が決定したのだから。

入学前の就学時健康診断で入った学校は幼稚園よりもボロくて嫌だった。

嫌な事が多い学校だった。

昔小学校があった場所はもっと川に近い場所だった。立て替えで今の場所に来たのだ。

昔あった場所は工場が多く小学生が歩くには危ない場所が多かったらしい。その為、通学帽がヘルメット。

遠くから路面電車で通う人も居たため、ランドセルではなくナップサック。

そして私の住んでいる市で制服がないのはここだけ

と言うのを給食の放送の時間で聞いた。