「宙わたる教室」「放課後カルテ」「御上先生」が提示する教師像の転換
昨年後半からの学校ドラマが、教師像の転換を示唆しています。
子ども(小学生、高校生)が抱える困難を丁寧に理解し、じっくりと見守った上で、押しつけではない子どもへのアプローチを行い、子ども自身が自らの意思と行動で変わっていくことを支えていくという教師像です。
「御上先生」では、熱血押しつけ教師への批判がストレートに出されています。多くの教師を苦しめているのも、そのような熱血押しつけ教師像だと述べて。
日本の教師は、授業を行うだけではない、総合性を持つという他国とは異なる特徴を持っています。教師を志望する学生の多くが、そのような、授業だけではなく、子どもたちの生活や人生に関わる教師に憧れ、教師を目指しています。
その総合性が、今までは社会状況も関係し、子どもを客体とする指導・管理的な傾向を持つものだったことは否めません。
一人ひとりの思いや生き方を尊重することが当たり前になった時代、教師像も変わっていかねばなりません。
私の所属する日本臨床教育学会は、「子ども理解」を中心概念として位置づけ、研究を行っている学会です。
教師主導の指導や管理のテクニックを追い求めるのではなく、ドラマが提示するような「子ども理解」から始める教育・教師こそが求められています。
※日本臨床教育学会は、2月1日(土)10:00から、教師像を検討するオンライン研究会を開催します。関心をお持ちの方は、日本臨床教育学会ホームページ「研究会情報」でチェックをお願いします。