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画像は間違ったダキニ天のイメージ

ダキニ天の起源

  • インドの神話ではダーキニーと呼ばれる夜叉(鬼神)の一種でヒンドゥー教や密教の影響を受けています。

  • もともとは人間の生気を奪う恐ろしい存在でしたが仏教に取り入れられ、毘沙門天や大黒天と並ぶ福徳神として信仰されるようになりました。

という経緯のせいかダキニ天は怖いという人もいますが果てさて?

日本でのダキニ天

特徴

  1. 白狐にまたがる姿

    • 稲荷神と同一視され狐を神使とするイメージが定着。

弁財天と同一視されることもありますね。

  1. 密教と関係が深い

    • 天台宗・真言宗などの密教系の修法で祀られることが多い。

    • 「ダキニ天法」という秘法があり修行を積んだ僧侶のみが修することが許されていた。

あの平清盛もやりました。平家があんな滅び方したせいで繁栄は一代限りの信憑性が増してしまいましたね。
(下半身のだらしなさで源頼朝を生かしたせいに見えるが今回は割愛)

  1. 江戸時代に商人の信仰を集めた

    • 金運・商売繁盛の神として信仰され大名や商人がこぞって祀った。

    • 特に江戸幕府の徳川家康が信仰したことで広まり江戸時代には大流行。

家康さんが稲荷神社に願掛けをして小牧長久手の戦いに勝ったのがその後の徳川幕府に繋がるので別格の扱いを受けた…らしい。
信長さんも秀吉さんも熱心に拝んでたような

有名なダキニ天を祀る寺院

  • 豊川稲荷(愛知県):実は稲荷神ではなく、ダキニ天を祀る曹洞宗の寺院。

  • 最上稲荷(岡山県):天台宗系でダキニ天と稲荷信仰が結びついている。

  • 鶴岡八幡宮の白旗神社(神奈川県):密教の修法で祀られた歴史がある。

はいはい廃仏毀釈廃仏毀釈。
京都の伏見稲荷もかつては寺があって祀ってたはずだが今となっては非常にマイナーな話となっている。廃仏毀釈怖い。


ダーキニーからダキニ天になった経緯

1. インドのダーキニー

ダーキニーは、もともとインドのヒンドゥー教・仏教に登場する夜叉(鬼神)で人の生気を食らう恐ろしい存在でした。

  • 「ダーク(暗闇)」を語源とし、夜間に活動する精霊・鬼神のようなもの。

  • ヒンドゥー教では女神カーリーの随神として、死体を操る恐ろしい力を持つ。

  • 仏教に取り入れられ、主に密教(大乗仏教の一派)で重要な存在となる。

怖いと言われるのはこの頃の影響かなと。この後大黒天との出会いで仏の一柱に。
ちなみにインドではヒンドゥー教が押されているのもありダーキニー?何それ?という反応になるくらいマイナーな存在になってしまっている。

2. 中国仏教への影響

仏教がインドから中国へ伝わると、密教(特に金剛乗)とともにダーキニー信仰も伝来しました。

  • 唐代(618~907年)に密教の影響を受けダーキニーは「荼枳尼」と音訳される。

  • 中国密教では恐ろしい鬼神としての側面が弱まり護法神(仏法を守る神)へと変化。

インドと一緒で中国密教は滅亡。

3. 日本密教への伝来

奈良・平安時代(8~9世紀)に空海(真言宗)や最澄(天台宗)などが中国密教を日本に伝える際、ダーキニー信仰も一緒に持ち込まれました。

  • 「荼枳尼天(ダキニ天)」として密教の護法神の一柱となる。

  • 人の生気を奪う恐ろしい鬼神という側面は弱まり福徳を授ける神へと変化。

  • しかし呪法としては秘法扱いされ密教の僧侶が特別な修法で祀る対象だった。

国家間をまたぎ続けた結果すっかり垢抜ける。

4. 鎌倉~室町時代:日本の稲荷信仰と融合

鎌倉時代(12~14世紀)になるとダキニ天は日本独自の発展を遂げます。

  • この頃から白狐にまたがる姿が定着。

  • **稲荷神(宇迦之御魂神)**と同一視されるようになる。

  • 背景には稲荷信仰の広がりと仏教の護法神としてのダキニ天の習合がある。

特に稲荷神社の中でも**豊川稲荷(愛知県)最上稲荷(岡山県)では、ダキニ天が主祭神として祀られ、「稲荷神=ダキニ天」という認識が広まった。

日本にジャッカルはいないので日本人が昔からいやらしい目で見てきた狐を眷属に当てはめたのも大きな転換に。

5. 江戸時代:商人の神として大流行

**江戸時代(17~19世紀)**には、ダキニ天信仰が武士や商人の間で流行しました。

  • 徳川家康がダキニ天を信仰し開運・勝負運の神として有名になる。

  • 商人たちの間で、金運や商売繁盛の神として信仰が広がる。

  • ダキニ天を祀る寺院(特に豊川稲荷)は商売繁盛を願う人々で賑わうようになった。

この頃には、ダキニ天はほぼ完全に「稲荷神」と同じものとして認識され、日本独自の神仏習合が完成した。

完全に同じではありませんが、江戸時代以降はほぼ同一視されています。

今回の記事は特に私が書きたかったものです。
と言いますのも実家近くの稲荷神社(氏神神社に相当する)がダキニ天を祀る神社なのですが人に怖がられる事がありまして、何でそんな言われなきゃいかんのだとちょっとした憤りがありました。ダキニ天は悪ないよ。

ではまた次回。

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