医学生向け)病院見学で聞くべき質問14個!
こんにちは、Dr.Jです。
今回は
病院見学で聞くべき質問14個!
についてお話ししていきます。
ここまで聞けると他の医学生と差がつく、というのを第一目標につくりました。あと、質問が多すぎても聞きにくいと思ったので、14個に絞ってます。
研修医に『何か質問ある?』って聞かれても正直何を聞いたら良いのか分かんないor 頭真っ白になって聞きたい事聞けない…って人はぜひご覧ください。
それでは参ります!!
★病院見学前に以下をメモに書いておくorスクショしておいていつでも見れるようにするのがオススメです★
【研修内容編】
1)救急外来は、検査のオーダーやコンサルも全て研修医がやりますか?
定番の質問に『救急外来では研修医がファーストタッチできますか?』というものがあります。が、医学生時代の自分はファーストタッチってなに!?って状態だったのでまずはそこから。
一般的な救急外来の流れとして
①救急車が到着、看護師さんが患者さんの着替えとかバイタル測定している間に救急隊から『主訴、現病歴、既往歴…』などの引き継ぎを受ける。
②患者さんの問診と診察を開始し、所見を取る
③所見から鑑別を考えて、各種検査をオーダーする
※採血、尿検査、心電図、エコー、レントゲン、CT、MRIなど…
④検査結果が揃うまで3、40分待つ。
※忙しい時はこの間に別の患者さんの対応をするし、余裕があれば詳しい診察を行う
⑤検査結果が揃って、自分なりのアセスメントを行い上級医にコンサルする
※『〇〇を疑ってて、帰宅 or 外来フォロー or 入院 を考えています…』
⑥転帰が決まる
という流れになります。
ファーストタッチの定義は色々ありますが、大体①〜③くらいまでがファーストタッチになるのかと思います。
基本的には、①から⑤のコンサルまで全て研修医がやれる病院が良いです。
中には『ファーストタッチは研修医がする』と謳っておきながら、①だけ研修医がして②以降は全て上級医がするという病院もあり、あまり力にならないのでお勧めしません。
なので、『研修医がファーストタッチできますか?』と聞くのではなく、『検査のオーダーやコンサルも全て研修医が考えてやりますか?』と聞くのが良いです。
2)持ち患制ですか、オンコール制ですか?
有名ハイパー病院の代名詞でもあるのが『持ち患制&オンコール制』
持ち患制だと文字通り患者さんの主治医になるので、担当患者に何かあった時、最初に電話がかかって来て対応を迫られます。雑用が多く忙しくなりがちです。
さらに、それが院内にいる時だけならまだ良いのですが、帰宅した後の就業時間後にも続くのがオンコール制です。
オンコール制だとオフの日も病院の30分以内の場所に常に居ないといけないなどの制約があり、かなり辛いです。
そしてこの2つを満たす病院は全国でもトップレベルのハイパー病院だと思ってください。超ハイパー病院を希望している人はこの2つを満たす病院にしましょう。
そこまでハイパー志向のない人ならば、『特定の科で、希望した場合のみ持ち患者制&オンコール制になる』と言うのがベストだと思います。
後は、持ち患者が何人かも聞いておくと良いでしょう。
基本は10人未満、10人を超えてるとかなり大変だと思います。
3)上の先生との飲み会は多いですか?
これは前回の記事で書いたので詳しくは前回の記事を見て欲しいのですが
(初期研修先病院の選び方)
簡単に言うと、『上級医がたくさん飲みに誘ってくれる病院は教育熱心な病院であることが多い』のです。
『上級医からのフィードバックは手厚いですか?』とか『教育熱心な病院ですか?』なんて馬鹿正直に聞いても、『もちろん手厚いよ!』って言われるだけなので、むしろこっちの質問をすると良いです。
4)地域研修で離島に行けますか?
研修医には必修で回らなければならない科がいくつかあるのですが、その1つに地域研修というものがあります。
1ヶ月の期間なのですが、その地域研修で離島に行けるか、地元の診療所に縛られるかではかなり大きな違いです。
地域研修は正直なところ研修医における夏休みのような感覚なので、できれば普段行かないような田舎に行けるのが1番良くて、特に宮古島や石垣島などの離島でエンジョイできるかどうかは超大事だと思います。
【当直編】
5)救急当直は月に何回ですか?
初期研修医にとって1番の山場である当直。これも前回の記事で触れてます。
(初期研修先病院の選び方)
当直には病棟の患者さんの対応をする病棟当直と、夜間の救急外来を担当する救急当直があり、比較にならないくらい救急当直の方が忙しいです。
そのため大事なのは『救急当直が月に何回あるか』を聞くことで、3回以下だと少なめ。4回なら平均的、5回以上だとしんどくなってきます。
6)一回の当直で何人見ますか、また直明けは帰れますか?
当直の数だけでなく、密度も大事です。
例えば自分の病院だと、一晩で大体12人前後診ます、これくらいの人数を診ると基本は動きっぱなし&眠れないです。正直かなりキツいですが、そのおかげか直明けは即帰れます。
救急車の数や入院する人の数にもよりますが、目安としては
・3人以下→ほぼ寝当直
・3人〜5人→結構寝れる(4、5時間くらい)
・8人〜10人→1時間寝れるかな…
・11人〜 →眠れず…
また眠れない当直だとしても、当直後すぐ帰宅できるなら乗り越えられますが、眠れない上に午前中の病棟業務が終わるまで残らないといけないとかだと結構きついです。
直明けは『当直後即帰宅』or『午前中までは業務しないといけない』or『帰宅できずにそのまま勤務』の3パターンあるので、どのパターンかしっかり聴取して下さい。
あとは科によっては(代表例は外科)直明け帰れないとかもあるので、全ての科で帰れるのかも確認しておきましょう。
【待遇面】
7)『お給料は手取りでどれくらいですか?あとボーナスはありますか?』
労働の対価である賃金は労働者の権利です、遠慮せず絶対に聞きましょう。なんなら先月の給与明細を見せてもらってもいいくらいです。(自分は毎回学生に見せていた。)
研修医「大体40万くらいだよ!」
と言われても、それが手取り(税引き後)なのか額面なのか、良い時の給料なのか平均でそれくらい貰えるのか、などと状況によってかなり変わります。
最低限、手取りで平均どれくらいか確認しましょう。
後地味に大事なのがボーナスです。
研修医がボーナス貰える病院はあまり多くないと思いますが、貰える病院だと地味に夏冬2回で基本給3ヶ月分とか貰えると100万円くらい年収が変わったりするので、しっかりと聞いておきましょう。
お勧めは公立病院です。公務員扱いになるのでボーナスが出ることが多いです。
(『〇〇市民病院』とか)
8)定時と帰宅時間は大体何時くらいですか?
当然科によって変わりますので、平均的な忙しさである『呼吸器内科や腎臓内科』あたりの残業時間で聞くと良いです。
【マッチング対策編】
9)過去問ください、あとどんな勉強されましたか?
最重要項目です。病院見学の1番の目的は過去問をもらうことであると言っても過言ではありません。
そして過去問をもらったら『答えもあったりしますか?』と『どんな勉強法しましたか?』もセットで聞くようにしてください。(地味に答えのない問題を解くのは大変)
後述しますが、マッチング対策の基本は『受かった人の真似をする』です。アンマッチする人は大体我流でやってます。しっかりと受かった人の勉強法を参考にして下さい。
10)履歴書や面接での自己アピールは何にしましたか?
履歴書に何書いたら良いか分からない…
面接で何をアピールしたら良いか分からない…
そんなお悩み、あるあるだと思います。
で結論ですが、『その病院に受かった人に聞くのが一番』なのです。
やはり病院によってゴリゴリの体育会系が好きな病院とか、アカデミックな雰囲気の学生が好きな病院といったように差があるので、必ず受かった人に聞いて、その病院の傾向に合わせるのが一番良いと思います。
最低限、
・自己アピールは何にしましたか(忍耐力とか協調性とか)
・何のエピソードにしましたか(部活とか留学とか)
・面接では何を聞かれましたか?
は聞いておきましょう。
理想は受かった人の履歴書と自己アピールを pdf でもらうことです。
11)この病院の1番良い所と、良くない所や改善して欲しい所は?
鉄板ネタですが大事なことなのでしっかり聞きましょう。
良いところはそのまま志望動機に使えるのでメモりましょう。
志望動機には何を書きましたか?と聞くとさらにスムーズ。上にも書きましたが受かった人のパクリをするのがベストです。
良くない所を聞いてもあまりガチなやつは聞けないと思うので、ふーんくらいで良いと思います。
【その他】
12)他に受けた病院と、良かった病院は?
病院見学で他の病院の情報をゲットするのも非常に大切です。
ただ、序盤でこの質問するとやる気ない奴に見えてしまうので、帰り際に聞くようにしましょう。
やはり、あなたが良いと思っている病院に受かった先輩が『この病院もオススメだよ』と言ってくれる病院は当たりのことが多いです。
またこの質問をすると『研修医生活で何を重視してるかによるかな〜』と言われるので、スッと答えられるようにしましょう。
無駄な病院見学は可能なかぎり避けたいので、病院見学で精度の高い情報を入手しておくのも大事。
13)初期研修医の卒後の進路は?
マッチングの時点で初期研修修了後のことなんてあまり考えられないよ!と思うかもしれないですが、最低限3年目の進路も聞いておきましょう。
面接とかでも『初期研修終わったらどうすんの?』とか良く聞かれますし。
というわけで、初期研修2年間を終えた先輩方がどのような進路をとっているかは必ず聞きましょう。
・自大学に戻る
・入局してこの病院に残る
・病院就職としてこの病院に残る
・外部の病院を受ける
・1年間海外でバックパッカーする
などなど、自分のロールモデルになりそうな進路の人がいればなお良しです。
14)LINEを下さい!
病院見学で2番目に大事な項目です。
理由は病院見学で聞けなかったことを後から聞けるためです。
病院見学を2回しないといけない病院はあまりないので、基本は1回の見学で全て完結するようにしましょう。そのためにも連絡先は必須です。
そしてLINEを交換する裏の理由は…
『履歴書を添削してもらうため』なのですが、見学である程度気に入られないと失礼になってしまいます笑
LINEを聞いた後に、『めちゃくちゃお忙しい所大変申し訳ないのですが、今度履歴書とかを読んで頂けたりしないでしょうか…🥺』と口頭で聞いて、『もちろん!』と反応よかったら実際にLINEで送って、『あー…うん、良いよ』とか反応悪かったら諦めましょう笑
そして当然ですが、LINEをゲットしたら
『お疲れ様です、今日見学でお世話になりました〇〇大学医学部6年の××です!
本日はお忙しい中、丁寧に対応して頂きまして本当にありがとうございました!先輩方のお話を聞いて、来年ぜひ貴院で働ければという思いが強くなりました!また分からない事がありましたら、ぜひお聞きしたいです、今後ともよろしくお願いします!』
とお礼メールをしましょう。
※!マークは個人のキャラに合わせて使って下さい。
さて、以上が14の質問です。
これさえ聞ければかなり病院の外観は掴めるかと思います。
これでも多いわ!って人は最低限
『過去問の入手、LINEの入手』だけはするようにお願いします、この2つがダントツで大事なので。
それでは、皆様のマッチングが上手くいくことをお祈りしております〜。