単独ライブやります!
みなさん。お元気でしょうか。
ノーテクノロジー兼子です。
お知らせがあります!!
この度、「ノーテクノロジー第1回単独ライブ」を開催することにしました!!
タイトルは「生まれるストレンジ」
4月28日(木)・新宿バティオス・19時30分開演・2000円となっております。
この単独ライブは、僕らにとって初めての挑戦であり、正直どうなるかわかりません。
どうなるのか、想像もつかないので、想像を超えるものをつくる予定です。
ものすごくワクワクしております。
いいモノを見たとみなさんに思っていただけるように、情熱をもって全力で準備しています。
今回、単独ライブを開催するに至ったきっかけは3つあります。
1.「神からの啓示」
2.「イエローサブマリンの後押し」
3.「やりたいからやる」
このことについて、これから書いていこうと思います。
是非お付き合いください。
「神からの啓示」
はい。「神からの啓示」です。
別に普通です。
この「神からの啓示」は2021年3月18日(ほぼ一年前)に受けました。
その日は、現在も毎月、出演しているユニットライブ「ファイトクラブ」がありました。
この「ファイトクラブ」は、僕らが芸歴1年目の時に発足したライブで、
ライブ数も少ない中、自分たちの笑いを披露するありがたい舞台でした。
基本的に若手の出られるライブは、時間制限が2~3分以内で、こちらがお金を払ってエントリーするのが当たり前なのですが、
このファイトクラブのおかげで、時間を気にせずに、1年目から、毎月新ネタを2本おろすことができました。
養成所の時から、あと2分あれば、もう少し面白いことできそうだよな。(養成所ライブもネタ尺3分以内)
と感じていたので、時間をぜいたくに使ってネタが出来るのがうれしかったです。
その第5回「ファイトクラブ」のゲストに、自分が所属している事務所である人力舎の先輩・三福エンターテイメントさん(通称・神)がいらしてくれました。
三福さんは、界隈では「神」と崇められ、「迷える子羊」を救ってくださる、めちゃくちゃかっこいい先輩です。
この時にノーテクノロジーは「神の啓示」を受けました。
そのとき、ぼくらがやった新ネタが「エルフ」というネタで、
「森で暮らす、不老不死の男エルフが、エルフは人間ではなく、エルフ同士で結ばれるべきだと女エルフを口説くけど、恋愛中毒の女エルフにフラれる」
と、いま、端的に書いていても、全くよくわからないネタなのですが、
そのとき、三福さんに僕らのネタを見ていただいて
「おまえたちは、こういう世界観のあるコントがやりたいなら、すぐに単独をやったほうがいい。時間はかかるかもしれないけど、わかる人はわかってくれるから、やれるなら、すぐに単独ライブをやったほうがいい。」
といった内容の「神の啓示(アドバイス)」を受けました
そのときは、芸人になったばかりで、「単独ライブ」というものもよくわかっておらず、
「単独ライブ?そんなのがあるのか。自分たちにやれるのか?それ?」
といった具合で、その後、ほぼ一年間、神の啓示を無視し続けることになります、、、、(笑)
しかし、それからも、ずっとこころの片隅に、
「お前たちは単独ライブをすぐにやったほうがいい」という言葉だけが残っていました。
これが今回、単独ライブをやることになったきっかけの一つです。
このnote を書くにあたって、先ほど「エルフ」を見直したのですが、
演劇にしては短いが、コントにしては笑いが少ない。といった内容で、よく三福さんはこんなネタから、あんなありがたいアドバイスをしてくれたなと、懐の深さに感動しております。
ただ、この「エルフ」、爆笑はないけど、なんか面白いような気もしないでもないし、もう少し見てみたい。そんな独特の世界観は確かに、今見てもありました。
あれから1年、自分もお笑いを研究してますし、ライブにも出て、もう少し短く笑いの量を増やすコツみたいなものは、あります。
今回の単独ライブでは、この「エルフ」の反省を踏まえて、
「お客様の大切な時間を融資していただけるような、笑いの総量を最低限、担保した長尺コントの開発に力をいれています。」
あ!
なんか、すみません。
なんか、急に、「長尺コントをやりたい、池井戸潤」みたいな文章になってしまいました。
続きます。
「イエローサブマリンの後押し」
はい。「神からの啓示」からの「イエローサブマリンの後押し」です。
なんか、物語が動きだしそうな並びですよね。
事実、動き出してます。
イエローサブマリン(通称、イエサブさん)は、先ほど出てきたユニットライブ「ファイトクラブ」を企画し、運営してくれている若手作家さんです。
大変お世話になっており、足向けて寝られないくらいノーテクノロジーがお世話になっている方です。
養成所のライブでたまたま僕らを見つけてくれて、それから芸歴1年目でユニットライブに誘っていただいた恩人であり、同志です。
三福さんに「単独ライブ」を勧められてから、何度も「単独ライブやろう」と声を掛けてくれていた方です。
そんな中、去年の12月、第13回「ファイトクラブ」で
「わからないことあったらなんでもきいて」という新ネタをやりました。
簡単に説明すると
バイトの新人に社員がよく「わからないことあったらなんでもきいてね」と言うあるあるから
「本当に、身近な疑問から、雑学まで、質問すれば、すべてをなんでも答えてくれてる社員」といったネタです。
そこまでだったら、わりと普通なのですが、
ネタの後半で、バイトの新人の質問が、内面の深い部分、悩み、人生の問いにまで徐々に発展していくという
すこし、お笑いにしてはヘビーな7分以上ある長尺のネタです。
もちろん、最終的なオチで笑いにするのですが、
正直、そのオチで爆発させるために前半部分は伏線も多く、笑いが少ない構成になってます。
それで、この新ネタをはじめておろしたとき、
予想を超えてオチでドカッと笑いが起きて、そのまま暗転したときに
ただウケたときとは質の違う拍手をもらいました。
「いいものみた!よかった!」みたいな称えてくれるような拍手でした。
これは、普通のネタとは違う、いいものが出来たんだなと感じました。
終演後、イエサブさんが、僕らに近づいてきてくれて
「あの新ネタは、単独ライブ、最後のネタを見終わった後のお客さんの拍手だった。あれをやりたいなら、本気で単独ライブ考えよう。」
と真っすぐ、伝えてくれました
自分たちの「手応え」と「単独ライブ」という、点と点がつながったような感覚になり、
その場で「単独ライブやりましょう」と答えていました。
これがきっかけ、2つ目です。
「やりたいからやる」
最後のきっかけです。
これは、本当に当たり前のことなのですが、やりたいからやります。
「神からの啓示」を受けて、何度も「イエサブさんに後押し」されてたいたのにもかかわらず
「やれるなら、やりたいです」と答えるだけで1年ほど、やりませんでした。
決断というものを先送りにしていたのです。
単独ライブに関して
やらない理由はたくさんあります。
「売れてからやろう」「実力がついてからやろう」「お客さんが入らなかったらどうしよう」「ウケなかったらどうしよう」「周りから変な目で見られないか」「事務所になんて言おう」「おれの顔がブス」「すずきの目が怖い」「おれの体型がガリガリ」「すずきのヒゲが青い」、、、などなど。
はい。これらのやらない理由は、いくらでもひねり出すことが出来ます。
「ブス」「目怖い」「ガリガリ」「ひげが青い」は別にやれるか。
冷静に。
ただ、それに対して、やる理由はシンプル。
「やりたいからやる」これのみです。
そもそも、やりたいことをやるために、東京に来て芸人になったのに、
今更、やりたいことをやらない意味がわからないですよね。
もっとはやく「そうでなければならない」といった自分を縛る観念は捨てるべきでした。
現実はもっと自由です。
変な話なのですが、「単独ライブ」って名前でライブをやるのを事務所は嫌がるのかなと不安がありました。
売れてもない、よくわからん若手芸人ですし。
名前を「自主単独ライブ」とか「新ネタライブ」とかに変更するべきなのかな。そもそも、ライブ自体やれるのかな?と。
事務所に、恐る恐る、「単独ライブやってもいいですか?」と確認したところ、
すごく、あっさりとOKを頂けました。
酢の物とか、冷ややっこより、あっさりでした。
お願いしたら、稽古場まで貸してくれるようです。
なんてありがたい事務所なのでしょうか。
単独ライブ
今回の単独ライブは、事務所が推している芸人をプッシュしてくれるような、
いわゆる人気芸人の「単独ライブ」ではありません。
冒頭で、単独ライブを「開催することが決定しました!」と書かずに「開催することしました!」と書いています。
主体は僕らです。許可をとって勝手にやります。
ただ、そんなことはお客さんにとっては、どちらでもいいし、
ライブが笑えて面白かったらいいのだと思います。
少し、話が変わりますが、
専門性が増すと、人間は融通が効かなくなることがありますよね。変なプライドが邪魔して。
僕も、この間、高校の同級生からLINEで
「今度ケンタのやる漫才見て、その後、お酒でも飲みたいよ」とメッセージをもらいました。
この文面を僕は素直に受けとって、ありがとう!と感謝を返すべきなのですが、
僕が、一発目に返信したのは
「俺、漫才じゃなくてコントしかやってないから。」
です。
え?!!
待って!?!?
何こいつ!!!!
キモ!!!!!!!!
その後、ハッと気づいて、すぐ謝ったのですが、この「融通の効かなさ」みなさんはわかりますか?
冷静に、そんなこと、どうでもいいんですよ。向こうからしたら。俺のちっぽけなプライドなんて。
あくまでも想像ですがね、
彼は、普段仕事で疲れてるわけですよ。苦手な上司もいるし、効率の悪い後輩もいるし。自分だけ上手く行っても、全体で見ると、仕事がうまく進まないし。楽しく働いていると思っているものの、疲れはどうしても蓄積されるし、、、。
そんな中。兼子がやってるお笑いに興味を持っていて、
「あいつ変なことやってるな!俺も今日も頑張るぞ!」
と応援してくれてるわけですよ!
こんなに嬉しいことはないわけですよ。
それなのに、俺はどうした?!
「俺はコントしかやってないから」って。
キモ!!!!!
彼からしたら、俺がやってるのが
「漫才」でも「コント」でも「漫談」でも「フリップ芸」でも「演劇」でも「ストリップ」でも
「お笑い」というざっくりしたジャンルであれば、なんでもいいわけですよ。
「兼子がコントしかやってない」とかは、興味としてはゴミ以下。
むしろ、ゴミの方がなんでこんなところに米粒あるんだろうって興味を引くので、本当にどうでもいいんですよ。
気にしてるのは、やってる当人だけ。
専門性が高くなると、いらない自意識(プライド)が湧いてきて、余計なひとことを言ってしまうのが、人間ですよね。
反省です。
この話を、お世話になってる先輩芸人、鈴木ジェロニモさんに伝えたら
「俺も、友達がYouTubeに上げてる自分のコントの動画をみて、漫才面白かったー!って言われたことある」と共感してくれました。
ジェロニモさんは、「ありがとう。いい漫才だったでしょ?」という気の利いた返しをしていました。
さすがすぎる。大人すぎる。
その後、ジェロニモさんとその話題で盛り上がり、
確かに、自分にジャズミュージシャンの友達がいた場合、
おれだったら「応援してるよ!お前のラッパ聴いてみたい!」って言っちゃうなあって、話になりました。
多分、ミュージシャンって専門性が高いから
「はあ?俺のはサックス!!」「はあ?俺のはトランペットなんだけど!!」
となり、
「わかった!普通のサックスききたい!」
と言えば、
「おれのはアルトサックス!」「おれのはテノールサックスなんだけど!」
みたいなことはきっと、世界中で起きてるなって、盛り上がりました。
「こっちからしたら、どっちもラッパじゃん!!!」
別にリスペクトが足りないわけじゃないんです。応援してる気持ちも本当なんです。
ただ、「音楽」というジャンルであることに、こちらからしたら、変わりはないわけです。
「俺、お前のピアノ、ちゃんと聴きたいよ!!」
「はあ?俺のはキーボード!!」「はあ?俺のはパイプオルガンなんだけど!!」
と、悪意なきディスコミュニケーションは、人間のプライドがなくならないかぎり続いていくのです。
そんな中、今回の第一回単独ライブ「生まれるストレンジ」は、コントをやります。
ただ、そんなことは、やっぱり、僕も、みなさんもどうでもいいのだと思っています。
だから、好きな音楽を使ったり、歌を歌ったり、絵を描いたり、短いネタをやったり、長めのお芝居をやるかもしれません。
そして、逆に笑いだけでなく、不安を掻き立てたり、心にくる感動を与えようとするかもしれません。
もちろん、蓋を開けたら、全く違うものが出てくるかもしれないです。
もういっそ、コントをやると言って、漫才をやってるかもしれません。
なので、僕らは自分たちの面白いと思ったものを「お笑い」というざっくりしたジャンルとして、みなさんの前で披露したいと思っています。
これは、ある意味では自由度が増し、見せ物としての幅や深さが広くなるのですが
観客に見方を委ねるということになります。
つまり、見る人によっては、お笑いではなく、よくわからないものになる危険性もあります。
「よくわからないもの」を「お笑い」として見せる
話の脱線が多くてすみません。もう少し続きます。
養成所の時、ネタ見せで、超売れっ子の放送作家の方に(僕の大好きなラジオの作家もしている方)
「君たちのファンなら笑うだろうね」と言われたことがあります。
当時、それに対してぼくは
「そんなの当たり前だろ!ファンは笑うだろ!」と思ったのですが、
今考えると、あの言葉の意味は
「君たちの笑いを理解しようとしてくれる、見方がわかる人は面白いと感じるだろうね」ということだったのです。
要するに「どうみていいかわからない人には面白くない」ってことです。
例えるなら
焼肉店に来たから、肉を食べたくて、楽しみにしていたら、出されたのは肉っぽいけど、肉ではない何か。
みたいな感じですかね。
その時点で、後悔する人もいるし、がっかりしてしまう人もいるし、怒る人もいるかもしれません。
食べてみたら、美味しいかもしれないのに、期待と違うものが出てきた不快感が勝って、うまく楽しめず、食べないで帰る人もいるわけです。
食べた上で、合わないなと思って、もう来ないのはしょうがないことなのですが、こちらとしては、理解したうえで試してほしいわけです。
そこで、僕たちは食べ方や、出される料理を魅力的に伝える努力をしなければならないわけです。
ノーテクノロジーというお店は、雰囲気もいいし、肉だけじゃなく、ただの焼肉店では食べられない、ここでしか食べられない料理を楽しませてくれるんだよ!
と宣伝することができます。
事実は多少、曲がってるかもしれませんが、嘘は言ってないです。
これなら、もしかしたら、行ってみたいと思う人もいるかもしれないわけです。
だからこそ、僕らの面白いところはここですよと、見方を理解してくれる人を増やす努力をしなくてはいけないのです。
みなさんには「よくわからないもの」に対して、これがノーテクノロジーの「笑い」なんだと、名前をつけて、可愛いがってほしいのです。
それが放送作家さんの言った「ファン」であり
僕らはその「ファン」を増やす努力を続けなければならないのです。
具体的にどうするか?
その答えが単独ライブです。
はい。
これは、三福エンターテイメントさんが言ってくれたことを、遠回りして、また、言い方を変えて同じことを言っているだけです。(笑)
気づきましたか?(笑)
やはり、放送作家の方も、三福さんも、すごい。
人生の大先輩のアドバイスは、端的でとても為になります。
みなさんも悩んだときは神の啓示を受けると人生が拓けるとおもいます。
アフタートークがあります!
さて、いままでの話を整理して、まとめると
見方が分からないと「よくわからないもの」になってしまう、僕らの単独ライブにとって、誰かに見てもらうことはとても重要なことになります。
つまり、それは、見方を提示してくれる人物が望ましいわけです。
しかも、自分たちもよくわかっていない部分を、客観視してくれる人物がありがたいわけです。
なので、単独ライブに先輩の芸人さんや作家さんを呼んで、見て頂き、アフタートークという形で、ポジティブな反省会をしようということになりました。
そして、イエローサブマリンさんのご縁と交渉とご尽力で
今回の第1回単独ライブ「生まれるストレンジ」のアフタートークに、なんと
「かが屋」の加賀翔さんにゲストとして出演していただけることになりました!!
はい。これは、本当にすごいことです。
今、若手のコントをする人で憧れない人はいない、我々世代の超カリスマです!!
めちゃくちゃうれしい!マジでうれしい!誰よりもうれしい!!
これが、なぜここまで嬉しいかというと、理由があるのです。
芸人になる前の話とこれから
僕は大学を卒業してから、1年たってから、養成所に入って芸人になったのですが、
大学卒業後、すぐ養成所にいかなかったのきっかけの一つが、なんと「かが屋さん」なのです。
2016年秋、ぼくは大学3年生で、何にもやる気のない大学生で、ほとんど毎日を何もせずに寝て過ごしていました。
まわりの友人は就活や研究を頑張っていたのですが、ついていけず、一人でぼーっとしてる時間が多かったです。
そんな中、小学校からの友達に、大学生のお笑い大会に出ないかと誘われました。
そいつとは中学生で漫才をして大爆笑を取った、いい思い出があり、大学生になったらMー1に出ようという約束もしていたのです。
やることもないし、就活より漫才のほうが楽しそうと考え、大会に出て漫才をしました。
その結果、「めちゃくちゃすべった」。
「空調の音しかきこえなかった」。
あの後、帰りの電車で一言も、そいつとは口を利かずに、
次の日から高熱をだして3日寝込みました。
頭が割れるほど痛かったです。
それほど「すべる」っていうのはきついんです。
そのあとその友人とは、Мー1にでるという話すら消滅し、当分、音信不通になるのですが
やっぱり単純に悔しくて、情けなくて、どうにかメンタルを保つ方法を探す中
「漫才」ですべったけど「コント」ならウケるのでは、、、?
と、考えつき
「俺は面白いんだ」という根拠のない自信を確かめるために
2017年、大学4年生の時にマセキ芸能社が主催するコント作家セミナーを受講しに行くことを決めました。
「漫才じゃなくて、コントならいけるで〜」と
お笑いを舐めてるとしか考えられない態度で、受講した自分。
そして、コントを書いてみるが
案の定、コントもうまく書けなかったです。
面白いものは書けないが、それでも、書くのは楽しい。
けど、このままじゃ、、、。
作家になんてなれないし。
もういっそ、芸人になるか??
と思っていたそんなある日、
受講生の書いたコントをプロの芸人が演じてくれるという授業がありました。
大学4年間で、生で芸人を見たことなかったので、楽しみにしていたら、
その時、来てくれた芸人が
当時、ブレイク前のかが屋のお二人だったのです。
当時のことは鮮明に覚えてるのですが、
パーマが似合う男性と、髪がつんつんした若い男性
はじめて、芸人という人が、テレビやスマホの外にいる感覚でした。
「これがいわゆる若手芸人か!なんか雰囲気があるなあ!」と感じたのを覚えています。
ネタ前に少し雑談があり、
「バイト中もずっと、生徒さんの台本を覚えようと必死でした」と加賀さんが言っていたのを覚えています。
その後、受講生の書いたコントを数組の芸人さんが演じてくれたのですが、
やはり、それは素人の書いたコントを演じるというものなので。
どうしても、面白くないわけです。
本人のネタではないですし。
そして、お恥ずかしいことに、
そもそも自分は、芸人さんに演じてもらうコントを、採用すらされてなかったのです。
どれだけ、コント書けなかったんだおれ(笑)
一通り授業が進み、時間が余ったとのことで講師の先生が
「せっかくだし、じゃあネタやる?」と芸人さんに無茶ぶりをしました。
他の芸人さんは「ちょっとー!勘弁してくださいよ」というノリを行い
僕は「わあ!知ってる。それ!!テレビのやつ!」と思ったのですが、
かが屋さんだけ、「むしろやらせてください」って、その場ですっと、ネタをやってくれることになりました。
貸し会議室内が拍手で埋まりました。
素直に「ええ!!何この兄ちゃんたち!!かっけえ!!」とおもいました。
だって、小道具とか衣装とかネタ合わせとか準備もせずに、その場ですぐにですよ。
それで、漫才じゃなくてコントですよ。
いま、自分が同じ立場だとして、できるネタって、ないです。
ネタ合わせと衣装や道具が必要です。
Netflixの「浅草キッド」を見た人なら、わかるとおもいますが
この人たちは「芸」がある人たちだなあ。本物の「芸人」だなあと、振り返ると感じます。
その時、披露してもらったのが、
「電車の中でなぞなぞを出したら、知らない人が回答してきて、最終的に車両を巻き込んでいくネタ」で(YouTubeに「なぞなぞ」というタイトルでありました)
これが、本当に雷に打たれたくらいの衝撃を受けました。
素人の書いたコントの後に見たから余計そう思ったかもしれませんが、
なんだこれ!!!!すげええええ!!!おもしれえええ!!!!!
二人だけなのに、二人がいる日常の世界がはっきりと見える!!!!
これが芸人!!!!
そして、同時に、
悲しい現実が!!!
こんなに面白い人たちが、売れない世界なのかー!!!!
ここ来る前まで、ずっとバイトしてたんでしょ。この人ーーー!!!
芸人の世界厳し過ぎるーーーー!!!!
きっと、当時ですでにライブ界隈では評価をされていたはずだと思うのですが、自分はテレビすらもほぼ見ておらず、生でお笑いを見たことも、ほぼないし、
かが屋さんの存在も知らなかったので
俺には、芸人無理だー!!!!!!
と、やってもいないのに、芸人になることは諦めてしまいました。
正直、芸人は中学生くらいから、漠然となりたかったのですが、そこをあきらめると、他にやりたいこともなく
そのまま、大学を卒業し、働くこともせず、なにをするわけでもない日がはじまりました。
ただ、このままではだめすぎるから、マラソン大会にだけ出るとだけ決め
気づけば自分は
家の近くの湖の周りをぐるぐる走って、1日が終わるという
アクティブなニートになってしまいました。
そのあと、走りながら、自分を見つめ直す日々が続き、
1年後に「平成から令和」に元号が変わるなら、
おれも「ニートから何か」に変わらなきゃと思い
やっぱり芸人に挑戦しようと
人力舎の養成所に通うのですが、
なんと、この、養成所に通い出した2019年のキングオブコントにかが屋さんは決勝進出し、テレビの、あの大舞台でコントをやってました。
あの決勝のネタも最高だったな。おしゃれだし。かっこいいし。
その姿を見ながら
「よかった。面白いものはちゃんと評価される世界なんだ」と安心したのを覚えてます。
だから、自分の中で、かが屋の二人は、芸人をやるなら、いつか会ってみたい人で、並々ならぬ思いがあるわけです。
本当に単独ライブをやると決めてから、未来が動き出したような気がしています。
今回、加賀さんにアフタートークをオファーするにあたり、
僕らのネタを見てから、出演を決めたいとの返事がありました。
なので、さきほど書いた「わからないことあったらなんでもきいて」を含めた3本の動画を送りました。
ネタを見た上で、断られたら凹むと思っていたのですが、
お忙しいにもかかわらず、その日のうちに動画を見てくださって、出演を快諾してくださいました。
そもそも、僕らのネタを3本も見てくれただけでも、羽が生えるほど嬉しいのですが、出演までしてくださるわけです。もう、羽もげるほど嬉しいです。
本人にも直接伝えるつもりですが、本当にありがとうございます。
加賀さんにネタを見せる。数年前のあの時と逆の立場になってるのが、不思議だし、信じられません。
だから、絶対、その恩を返せるように、加賀さんを笑わせてやろうと心に決めています。
自分のこの熱が、みなさんにも伝わるいいライブにするつもりです。
このnoteが、ここまで長くなるとは思いませんでしたが、最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
もし、このnoteを読んで、僕らの単独ライブを見てみたいと思った方が1人でもいたのなら、書いた意味があります。
ぼくも、あなたと同じで、単独ライブがどうなるのかをみてみたい一人です。
読んでくれたあなたを含めて、今まで自分にかかわってくれたすべての人に感謝しています。
もちろん相方のスズキにも感謝しています。
よろしくおねがいします。赤く燃えています。