名古屋近郊の異境の地「五色園」の廃墟
いきなりだが、皆様は愛知県日進市を知っているだろうか?日進市は名古屋市の東隣に位置する人口9万人程度の街で、名古屋市のベットタウンになっている。街の規模などで言えばどこにでもあるような規模の町なのだがこの「日進市」には他の市町村には無いものがある。それは「五色園」だ。「五色園」はなんと日本唯一の宗教公園なのである。今回は、その園内にある、「廃墟」が目的だったのだが・・・。
いざ、五色園へ
これが「異境の地」への入口だ。道路中央に有料の駐車場などで見られる、料金所のような建物があるがこの異境の地に入園する時に料金はかからない。つまり、無料で入る事が出来る。
入口付近にあった五色園の案内図。園内はかなり広いことが分かる。五色園内には墓地や大安寺というお寺もある。ちなみに看板の左下に書かれている「五色園宿坊」というのは宿泊施設のことだ。事実確認はしていないため、本当のことかどうかは分からないが2005年に日進市の隣の長久手町(現長久手市)で愛知万博が開催された時に外国人観光客がこの宿泊施設を利用したそうだ。この宿泊施設について「五色園」のホームページには次のように書かれている。
「宿坊とは、寺が運営している宿のことをいいます。
当宿坊では、ご参拝の方はもちろん研修・合宿や一般の方にもご利用いただいております。また、山の中にあるため大きな音を出すような吹奏楽やスポーツのトレーニングにも適しています。
(寺が運営していますが、宿泊に際して宗教的なことはありませんので、どなたにもお泊りいただけます。)」
どちらかといえば団体向けの宿のようだ。1年間でどれほどの団体が利用しているのだろうか?利用者の有無は気になるが本記事のメインは廃墟なのでそろそろ本題に入ろう。
・・・。
・・・・・。
勘の良い方なら既にお察しかもしれないがまだ本題の廃墟には入れない。五色園には廃墟以上にインパクトの強い物体が存在する。
この写真を見て「何だこれ!」と思った方、それは正常な反応だ。これらは故・浅野祥雲(あさのしょううん)が作ったコンクリート像だ。写真では大きさが分かりにくいかもしれないが、写真の右のほうにいる男の人の像の大きさは大体1.6~1.7メートルくらいだ。園内にはこのようなコンクリート像が100体以上あるそうだ。本当はもっと沢山のコンクリート像を撮影したがこのままだと永久に本題に入る事が出来ないため本題に入ろうと思う。
(今度こそ)本題へ
こちらが本日のメインとなる廃墟の全景だ。古びた木製の看板に「五色園休憩所」と書かれているが、休憩所として機能している様子は無い。(青い四角については後述する。)
少し近づいて撮影。板で塞がれていて中に入ることは出来ない。板の上の隙間から中を撮ってみた。
中は物置のようになっていた。今年の1月にも同じ場所から写真を撮ったが、置かれている物の配置は変化していないので、物置と言っても放置されていると見ていいだろう。
「五色園休憩所」の全景が写った写真の青い四角の場所から窓越しに撮影。和室っぽい場所に何故か二段ベッドらしきものがある。たかが休憩所に何故二段ベッドがあるのかは不明だ。前述の「五色園宿坊」はかつてはこの建物で運用されていて、その名残なのかもしれない。もしくは使わなくなった二段ベッドをこの建物に運び込んだ可能性もある。はたまた、「五色園休憩所」では参詣などに来た人が昼寝を出来るようになっていたのかもしれない。
「五色園休憩所」がどのように運用されていたのかはインターネット上には少しも情報が出ていないため不明だ。
五色園休憩所の裏側にはトイレがあった。トイレの扉が壊れていて中が丸見えだった。ところでこのトイレは昭和中期までは数多く存在したというぼっとん便所だろうか?ぼっとん便所だとすればこの建物はかなり昔からあるのかもしれない。
おまけ
この写真は五色園の入口の少し手前だ。ここは名鉄バスのバス停になっているのだが、写真右の茶色い建物が廃墟化していた為、少し紹介しようと思う。
看板などは既に撤去されたのか見当たらなかったが、恐らくこれはバスの待合室の廃墟だろう。椅子の板は所々消失し、天井も剥がれ落ちている場所が目立つ。窓は元々無かったのかそれとも撤去されたのか不明だ。
待合室横に生えている木。一見何も無いように見えるかもそれないがよく見ると鐘のようなものがあることに気が付く。何故、鐘がこんな所にあるのかは不明だ。
まとめ
五色園を漢字で表わすなら「謎」の一文字だ。園内に大量に設置されたコンクリート像。どのように使われていたか分からない廃墟。そしておまけに載せた木から釣り下がる鐘。不明な点が多すぎる。本記事では「不明」という用語を多用していて「結局何も分からない」という読者様から見たら何の面白みも無い記事になってしまった。今後は今回出てきた「不明」を解決する努力をしたいと考える。また、本記事では五色園についての説明も最低限しかしていないため五色園について統合的にまとめた記事を後日公開したいと思う。
引用文献
参考文献
更新履歴
2018年9月25日:公開
2016年頃から廃墟に関心を寄せる。2018年、実際に廃墟へと趣き、廃墟訪問にハマる。現在はその廃墟がかつてどのように使われていたのか、いつ頃廃墟になったのかを特定することに力を注ぐ。 地域・店舗限定のエナジードリンクを見つけることにもハマっている。自他共に認めるエナドリ中毒者。