色 いろいろ Vol.1
色のお話を書いてみたくなりました。なので今回はVol.1。
昔、目の手術をして色がわかるようになった時、「りんごの赤は想像してた赤だった」って言った人がいるんですよ。
そんな話を聞いたことがあって、色に興味を持ちました。そのお話の根拠を探したんですが、見つからず・・・
でも、このお話が本当なのかどうなのか分からなくても、私が「色」というものに興味を持ったきっかけであるのは間違いありません。
なんで色を判断できるの?
なぜ美しい虹や鮮やかな花の色を見ることができるのでしょうか?その秘密は、私たちの目の中にある特別な細胞、「錐体細胞」にあります。
目の奥の網膜には、3種類の「色を感じる細胞」が並んでいます。これらは、まるで3人の個性的な受付係のように、それぞれ違う色の光を担当しています:
L錐体(エル錐体):赤っぽい光を感じる細胞
夕焼けの赤や、りんごの色を感じ取ります
「L」は「Long(長い)」の略で、波長の長い光を得意とします
M錐体(エム錐体):緑っぽい光を感じる細胞
新緑の若葉や、みずみずしい野菜の色を感じ取ります
「M」は「Middle(中間)」の略で、中くらいの波長の光を担当します
S錐体(エス錐体):青っぽい光を感じる細胞
青い空や、深い海の色を感じ取ります
「S」は「Short(短い)」の略で、波長の短い光を得意とします
これら3種類の細胞が協力し合うことで、私たちは数百万もの色を見分けることができます。例えば、オレンジ色を見るときは、L錐体とM錐体が特に活発に働きます。紫を見るときは、L錐体とS錐体が主役になります。
色の見え方は人それぞれ違うんです
私たちは日々、様々な色に囲まれて生活しています。しかし、同じものを見ても、人によって色の見え方が異なることをご存知ですか?
先に書いた通り、私たちの目には、赤・緑・青を感じ取る細胞(錐体細胞)があります。色覚は個性的。これらの細胞の働き方が人によって異なります。遺伝的な要因で生まれつき持っている場合が多く、決して珍しいものではありません。
日本では:
男性の場合:20人に1人(約5%)
女性の場合:500人に1人(約0.2%)
世界的に見ると、全人口の約3%、およそ2億人の方が様々な色覚特性を持っているとされています。日本国内では約290万人の方が色覚の多様性を持っていると推定れているそうです。
色の見え方の特徴は人によって様々です。例えば:
赤と緑の区別がつきにくい
青と紫の違いが分かりにくい
特定の色の組み合わせが見分けづらい
など、人それぞれ異なる特徴があります。
色覚の多様性がある方も、多くの場合は日常生活に大きな支障はありません。ただし、交通信号や地図、グラフなど、色による情報伝達が重要な場面では、少し工夫が必要な場合があります。
最近では、多くの企業や公共施設が、誰にでも見やすい色使いやデザインを採用するようになってきています。例えば:
色だけでなく形や文字で情報を伝える
コントラストをはっきりさせる
誰にでも識別しやすい色の組み合わせを使う
など、様々な工夫がされています。
色覚の多様性は、個性の一つだから、色の見え方は人それぞれ違って当たり前。その違いを理解し、誰もが暮らしやすい社会をつくっていくことが大切なのです。
その考え方が、ユニバーサルカラーデザインなんですよ。
ちょっと堅苦しくなりました。
最後まで読んでくださって、ありがとう。
時間を使ってくださって、ありがとう。