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19歳、イギリス人と政治を語る

大学2年生の僕は、英会話教室に通っている。

担当の先生は英会話の他にもJリーグの取材というお仕事もされていて、普段は教科書を使わずにサッカーの話をしている。

今日も英会話に行ってきた。
僕が応援しているマリノスのことを話してプレミアリーグの話をしていた時、英会話教室の前を選挙カーが通った。

外うるさいねーみたいな言葉をきっかけに、選挙の話になった。

「どこに投票すんの?」って聞かれ、

「まだ決まってない」って答えると

「日本って投票どんな感じだっけ」という話になった。

はい、困りました。

英語で小選挙区制と比例代表制を説明しなくてはいけなくなりました。

小選挙区制は決められた地域に各政党が代表者を一名ずつ選出して地域ごとに政党を決めること。

比例代表制はドント方式に則って全国から集まった票数をもとに各政党が複数人議員を選出することができる制度のこと。

だった気がします。間違ってたらすみません。
英会話時点での僕の認識がこうだったため、間違っていたとしても敢えてここでは訂正しません。

まず政党をなんて言うかわからない。そもそも投票(election)も先生が言って思い出したレベルで、受験期にそこそこ覚えたものがどこかに行っていて上手く伝えられなかった。

辿々しくもなんとか伝わったみたいで、アメリカと似てるねだったりイギリスはこんな感じよみたいな話をした。

その中で、「パンとサーカス」に例えて自国の話をしてくれた。

パンとサーカスとは、

食糧と娯楽。古代ローマ市民がこの二つを国家から与えられて満足し、政治に無関心になったさまを、詩人ユウェナリスが揶揄したもの。
(goo辞書より引用)

という意味らしい。

イギリスではコロナでロックダウンしてフットボール(サッカーと同じ)が中断されていた。

フットボール発祥の地とも言われているイギリスの国民にとって、フットボールは文化であり、週末は欠かさず観戦するといった具合なので、ロックダウンによって国民はその時間を失った。

フットボールのことを考える時間が無くなったことで、イギリス国民が目を向けたのが政治だ。

現在はどのような政策をもってしてフットボールは中断されているのか。
どうしたらよりプレミアリーグをいち早く再開できるか。

そういった目的で国民は政治に関心を持ち、自分たちの娯楽を取り戻したという話をしてくれた。

イギリス国民がみんなこういう思いだったと言えるわけではないとは思う。
それにパンとサーカスでいうところのサーカスのために自分らが率先して政治について考える姿勢は揶揄されるものではないし、この話を聞いて素敵だなと感じた。

このように、サッカー観戦という一つのイベントが海外では文化であり、それがきっかけとして政治を考え始めているということを先生の話で知った。

自分たちの趣味が制限されることがきっかけで政治を見直すという機運が上がることに驚きを感じた。

実際に僕も大学が行けなくなったり様々な面で不自由さを強いられていたけど、だからと言って政治を見直そうという考えには至らなかったから、そういうアプローチもあるんだと感心した。

そんな感じで今日の英会話はいつもより何倍も真面目な回になった。

選挙がそろそろ近づいてる中で、日本とは違った視点での話を聞いて楽しかったし参考になった。

正直、休日に投票所に行くのは面倒くさい。
色んな政党の政策を見ること、評判の書かれた記事を読むのは面倒くさいし、心苦しくなることもある。

だけど、自分たちが政治と現在の日本と向き合うことで、自分がどういった社会を実現したいか、どういった生活を営みたいかを再確認することができる。

それに、自分が知っていれば友達にも日本のことを教えられるようになるし、教養として様々な人と会話することができるようになる。

だから、僕は選挙に行こうと思う。

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