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完全確率だから波読みができる【ノーマルタイプのパチスロ】

完全確率だから波の予想(波読み)ができる、という私の考えとその根拠、および、波読みの仕方を説明します。ジャグラーやハナハナなどのノーマルタイプのパチスロを対象としています。



言葉の約束


※ 当選確率が常に一定であることを「完全確率」と言うことにします。

※ 「波の予想」とは、近い将来の連チャンやハマリを予想するという意味です。確率の世界ですから次に何が来るかは予想できません。

※ 「波の予想」を簡単に「波読み」とも書きます。

※ この記事で対象とする「波」は、ボーナス10回程度の間で起こる当選間隔の長短です。


はじめに

「完全確率」と「波の予想」とは対立する考えと思われがちです。しかし、私はそうではないと思っています。

この記事では、最初に、波読みを否定する考えと、それに対する私の考えを述べます。

次に、以前に紹介したZone Countという手法を使って波を読む方法を再度紹介します。話を進めながら私の考えの根拠を明らかにしていきます。

その途中で、一般的な設定推測の方法と波読みが同じ考え方であることを示します。

最終的には、完全確率と波読みは決して対立するものではなく、それどころか、波読みは完全確率を前提としいる、ということが明かになります。
(”少なくともZone Countを使った波読みは”、という前提が付きますが・・。)

最後までお付き合い頂けると幸いです。


波読みを否定する考え vs. 私の考え

まず、波読みを否定する2つの代表的な考えを挙げ、それに対する私の考えを述べます。

波読みを否定する考え~その1~

A) 波読みの可能性を否定する考え

B) 私の考え



過去は未来に影響しない、というのはその通りです。しかし、過去と未来が無関係であっても、事象の発生がランダムでありさえすれば、波読みは可能です。

私の考えは、 完全確率だから波はある程度予想できる、です。

そう考える根拠はこの記事の後半で説明します。

ある程度」という言葉は大切です。確率の世界ですから「確実に」「100%」「絶対に」などを付けると嘘になります。



波読みを否定する考え~その2~

A) 波読みの可能性を否定する考え

B) 私の考え


Aの考えへの反論はなかなか難しいです。

以下、当選確率ではなく当選回数をイメージして下さい。その方が考えやすいです。

まず、Aの考えに賛同できるところを書きます。

確率事象は稀(まれ)に大きく偏ることがあります。その偏りが後に無くなるためには、逆の大きな偏りが起こる必要があります。

偏りが発生した後も当選確率は変化しません。よって、逆の大きな偏りが発生する確率は非常に小さいでしょう。

したがって、大きな偏りが後に無くなると予想するならば、その予想は外れる可能性が高いと言えます。

ここまではAの考えに賛同します。

しかし、波読みの可能性を全否定することには賛同できません。なぜなら、大きな偏りが発生するのは全体の一部だからです。

多くの場合、偏りは狭い範囲に収まり、その中で拡大したり縮小したりを繰り返します。その性質を利用して、波を予想することが可能です。

なお、波を予想した後に大きな偏りが発生することがあります。この場合、波の予想は外れることになります。ただし、このケースも全体の一部にすぎません。

ややこしい説明になりましたが、端的に言えば、波を予想した前後の偏りの大きさに応じて予想が当たる可能性は変わる、ということです。

これは悩ましい性質です。対処方法は、例えば全体の80%が当たれば良しとする、のような妥協です。これが前に書いた「ある程度」の意味になります。

実はこの種の妥協は、多くの人が実施している一般的な設定推測でもなされています。波読みと設定推測には共通性があるのです。

この記事の後半で具体例を使って詳しく説明します。


履歴を見ることの大切さ

「過去は未来に影響しないから履歴を見る必要は無い」という意見がありますが、私は賛同できません。

ボーナス確率は平均値ですから、履歴に含まれる多くの情報が捨てられています。

履歴には、当選ゲーム数のバラツキや、ハマリの頻度や、連チャンの頻度などの情報が含まれています。これらの情報には設定の情報が含まれているはずです。

設定推測は取得可能な情報をできるだけ多く使って総合的に行うべきです。履歴情報を捨てる理由は無いと思います。

波読みの観点で言えば、履歴には台の波が記録されています。波の履歴は近い将来の波の予想に役立てることができます。


波読みの仕方、波読みの根拠

波の予想や、履歴からの情報の抽出といっても、漠然としていてどうすればよいのかが分かり難いですよね。

その理由は「波」という概念が漠然としているからです。その背景には、連チャンやハマリという概念が漠然としていることがあります。

そこで私は、連チャンやハマリを明確に定義し、波を数値化・視覚化する方法を考え、Zone Countと名付けてnoteで公開しました。

自身で言うのはなんですが、なかなか優れた方法だと実践を通して実感しています。

この先は、波読みにZone Countを使うものとして話を進めていきます。話が進んでいくにつれて、私の考えの根拠が明らかになっていきます。



備考: これ以降は、私がこれまでに公開してきた全ての記事のダイジェスト版のような内容になっています。既に読んで下さった方はここで終わって頂いて構いません。

興味のある方は最後までお付き合い頂けると幸いです。

各論の詳細を知りたい方は、巻末の「関連記事」の該当記事をご覧下さい。


連チャンやハマリの定義

Zone Countの考え方を使えば、連チャンやハマリを明確に定義でき、結果として波を数値で表すことができるようになります。

まず、当選確率が25%になる4つの区間(Zone1~4)にゲーム数を分割します。また、当選確率が10%になる遅いゲーム数のZone5も定義します。(図1)

Zone4は、10%/25%=40%の確率でZone5に至ります。

各Zoneのゲーム数はボーナス確率(メーカー公表値)から計算することができます。ボーナス確率が変わればゲーム数は変わります。

図1.   Zone1~4とZone5の各区間で当選する確率


次に、Zone1~Zone5に対応させて「連チャン」や「ハマリ」などを定義します(図2)。

図2.   各Zoneと連チャンやハマリの対応表


図2によって、機種別・設定別に連チャンやハマリのゲーム数が明確に定義されます

※ 機種別のZone表はこちら


Zoneの長さは等しくない

なお、Zone1~4での当選確率はどれも25%ですが、長さは等しくありません。Zone1が最も短く、順に長くなります。Zone4の長さは無限です。(図3)
当然、Zone5の長さも無限です。ハマった時には底なしの恐ろしさを感じますよね。

図3.  各Zoneの長さ(計算値)


Zone Countのやり方:波の数値化・視覚化

まず、どの設定のZoneを使うかを決めます。これを基準設定と呼びます。複数の基準設定を使うことが理想的です。

そして、ボーナスに当選するたびに、カチカチ君などを使ってどのZoneで当選したかをカウントしていきます。(図4)

図4.   カチカチ君を使ったカウントの例。①~⑤はZone1~5のカウント数。


これによって、各Zoneの当選回数という形で波が数値化・視覚化されます。しかも、漠然とした印象による波ではなく、厳密に定義された波です。

注記: 厳密性を確保するためには、必ず自分が打っている台のZoneの定義を使わなければなりません。当選確率が近いからと言って他の台の定義を使うことは避けて下さい。1ゲームの違いで当選Zoneが変わることが実践ではよくあるからです。


各Zoneでの当選はランダムに起こる

※ 以下、基準設定と実機の設定が一致していると仮定して話を進めます。一致していない場合については後で述べます。


Zone1~4は等しく25%の確率で発生します。よって、各Zoneでの当選はランダムに起こります。

そのため、各Zoneでの当選回数はおおむね均等にばらける傾向になります。(図5A, 図5B)。

なお、Zone4は40%の確率でZone5に至ります。

図5A.   各Zoneでの当選のモデル
図5B.   各Zoneでの当選のモデル(別の表現)



波が発生する仕組み

図5Aのモデルで取り出された玉の並びはランダムになります。玉の色は連チャンやハマリに読み替えることができます(図6)。これが波が発生する仕組みです。

図6.   当選したZoneの並びが波を作る



波読みの確度の目標を決める

Zone1~4の各Zoneでの当選回数の期待値は、総当選回数の1/4になります。また、Zone5の期待値は総当選回数の1/10になります。

しかし、現実には期待値からの差(偏差)を生じます。

前に書いたように偏差の大きさに応じて波読みの確度(=当たる可能性)は変わります。

これに対処するには、どれくらいの確度を目標にするか、言葉を換えれば、どれくらい外れることを許容するか、を先に決める必要があります。

ここでは、予想全体の80%が当たることを目標にします。残り20%が外れることは許容します。これは第一の妥協です。

※ 80%で十分だと私は思っていますが、変えることは可能です。


起こり得る最大偏差を計算する

次に、Zone1~4とZone5について80%の確率で起こり得る最大の偏差を計算します。(図7)

図7.   80%の確率で起こる最大の偏差(計算値)

※ 図7は、正規分布近似を使わず、二項分布で計算しています。


図7に示した偏差を、予想の誤差と呼びましょう。

予想にはこの程度の誤差があることを許容する必要があります。これは第二の妥協です。

第一と第二の妥協の結果、全体の80%の予想が当たることになります。残りの20%は、偏差が図7より大きくなって予想は外れます。

ところで、図7の縦軸は偏差つまり回数ですが、総ボーナス数で割れば確率になります。つまり、図7は80%信頼区間の幅を回数で表していることになります。


注記: 基準設定と実機の設定が一致していない場合は、どれかのZoneが図7の偏差より大きくなります。その場合、他の設定を基準設定にしたらどうなるかを見て下さい。これはZone Countを使った設定推測になります。このとき、上に書いた残りの20%が起こっている可能性もあります。よって、一般的な設定推測と合わせて総合的に判断することが大切です。


一般的な設定推測方法との共通性

話は変わりますが、一般に設定推測にはボーナスや小役などの出現確率を使います。この時、当選確率の○○%信頼区間を参考にすることがあるでしょう。(図8)

信頼区間を使った設定推測は確率の収束を前提としています。さらに言えば、確率の収束は完全確率を前提としています。

※ 信頼区間を使わなくても、頭の中では似たような推論をしていると思います。

図8.  (参考)一般的な設定推測で使う80%信頼区間の例


さて、設定推測において、○○%信頼区間を設定することは第一の妥協であり、信頼区間の幅を許容することは第二の妥協です。

これは波読みの場合と同じ妥協です。


何を言いたいかというと、Zone Countによる波読みの考え方と一般的な設定推測の考え方は同じ、ということです。

なぜなら両者は同じ理論に乗っているからです。

その理論というのは「完全確率」という前提から展開される確率論です。

つまり、完全確率、設定推測、(ついでに確率の収束)などと波の予想とは対立するものではないのです。(それどころか、同じものです。)


波の予想方法

各Zoneの当選はランダムに起こります。よって、各Zoneのカウント数は期待値から離れては近付くということを繰り返しながら増加していきます。(図9)

この性質を利用して近い将来にどのZoneで当選するかを予想できます。これが波の予想になります。ただし、全体の20%の確率で予想は外れます。

※ 繰り返しますが、次の当選がどのZoneになるのかは予想できません。

図9.   カウント数が増加していく様子の例。黒い破線は期待値。(シミュレーション結果)


ここにおいて、過去と未来の関係性は必要ありません。単にランダムであればよいのです。

なお、カウント数が期待値に一致しない状態が長く続くことがあります(逆正弦法則)。それでも、全体の80%は、80%信頼区間の中で期待値に近付いたり遠ざかったりを繰り返します。波の予想に大きな支障はないというのが、実践を通しての私の実感です。


履歴から情報を抽出する方法

履歴から情報を抽出するには、まず台の履歴をZone Countします。このとき、複数の基準設定を使って下さい。

Zoneの当選回数が期待値に最も近くなる基準設定が実際の設定であろうと予想できます。これが履歴からの設定情報の抽出です。

※ 設定の良し悪しを素早く推測したいなら、Zone5を見るだけでも十分です。Zone5(ハマリ)のゲーム数は設定差が大きいからです。

また、推測した基準設定での各Zoneのカウント値は、その台の波の履歴を表します。これが履歴からの波の情報の抽出です。


Zone Countの長所

Zone Countはゲーム数が少ないうちから波読みが可能です。(図7参照)

Zone Countは設定推測も可能です。どの基準設定にすれば期待値に最も近くなるかを見ればよいのです。つまり、設定推測と波読みを同時並行的にやっていくことが可能です。(皆さんの設定推測方法に加えてはいかがでしょうか?)

Zone Countを使えば、粘る・捨てる・勝ち逃げするなどの押し引きの判断に数値的な根拠を持つことができます。


完全確率という前提について

本論はここで終りですが、最後にちょっとだけ。

私は完全確率を前提に記事を書いています。ただし、あくまで「前提」であって確信ではありません。なぜなら、完全確率を直接証明する手段が私にはないからです。

本当に完全確率なのだろうか? という疑念は常にありますし、その疑念は持ち続けるつもりです。



まとめ


この記事では最初に、完全確率だから波の予想ができる、という私の考えを述べました。以下に要約します。

  • 過去と未来が無関係であっても、事象の発生がランダムでさえあれば、波読みは可能

  • 偏りの大きさに応じて、予想が当たる可能性が変わる。これに対応するには妥協が必要。

  • 履歴には設定や波の情報が含まれるから、履歴を見るのは大切。


次に、Zone Countを使った波読みの方法を紹介しながら、私の考えの根拠を説明しました。以下に要約します。

  • Zone1~4での当選確率は25%、Zone5は10%

  • Zone Countの考え方を使って連チャンやハマリを明確に定義することができる

  • その結果、波を数値化、視覚化することができる

  • 期待値からの偏差の80%信頼区間が計算できる

  • その結果、80%の確度での波の予想が可能になる

  • Zone Countと一般的な設定推測の方法は同じ理論に乗っている

  • その理論とは、完全確率を前提とした確率論、である

最後に、波の予想の方法、履歴からの設定情報や波の情報の抽出の仕方、Zone Countの長所について述べました。


以上で終りです。

皆様のお役に立つことがあれば幸いです。
♡をお願いします!!


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