お好み焼き ~とと(夫)の目線~
とと(夫)は妻と向き合って、一緒にお好み焼きを作っている。
夫婦で休みが合うのもそうそうない。久し振りの料理だ。
ここ最近、子どもたちの前でも、些細な事から夫婦で指摘しあい、喧嘩になってしまう事が続いていた。
今日は喧嘩にならないで、夫婦楽しく料理したい。
でも、なんだかちょっと緊張…。
目の前には、子どもたち、ばぁば(妻の母)もいるし…。
おっと!よし。焼けてきた。そろそろひっくり返そうかな…。
あれ?妻が少し笑っている。お好み焼きに集中していたら、会話をちゃんと聞いていなかった。
やばい!
でも、妻が笑っている事にちょっとほっとする。
あれ…?ばぁばと妻は、なんの会話している?
ちゃんと聞いてなかった…。
とりあえず、少し笑っておこう。えへへ。
よいしょっと。
よし、うまくひっくり返せた。文句は言わせないぞ!
妻が「初めての共同作業です…」っだって。
おい!俺ら結婚10年目だから!
よしよし、これで何枚か焼けたな。うまくできた!
よーし俺も食べようかなって、何だって!?
長女は、お好み焼き6枚目だって??
すでに、どんだけ食べてるんだよ!
ととは、焼いてばっかで、まだ1枚も食べてないぞぉ!
あぁー。今度は次女かょ!
キャベツ入っているからって、お好み焼き食べないって言ってる。
まじかよ!こういうのがお好み焼きだ!
1枚はせめて食べろ!
えぇ??
お好み焼きは食べないけど、肉だけ食べたいって?
お好み焼きに入っているよ!よく見てみなさい!
あっ!次女はそっぽ向いた後、俺のこと睨んでる…。
なんだょお。
しょうがない、肉だけ焼いてやるかぁ。
(210308)
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