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溶けきらない不快さと寂しさ ニューヨーク,アメリカ

ニューヨークには、マンハッタン島を囲むようにして6つの空港がある。

ジョンエフケネディー空港

どの空港も飛行機が頻繁に行き来していて、空を見上げると常に飛行機が飛んでいる。


ニューヨークの建物はどれも洗練されたシャープな形をしていて、特にエンパイアステートビルは一際目を引く建物だ。

真ん中に見えるのがエンパイアステートビル

そのエンパイアステートビルをはじめとするニューヨークのビル群を眺められる展望台がいくつかある。


私はそのうちの一つのトップオブザロックの展望台に登った。

そこからの景色は圧巻で、当日は幸いにも綺麗な夕日まで見えた。

西側の太陽

また飛行機雲の多さも珍しかった。


日本だったら1日に1回見れるか見れないかくらい(体感)の飛行機雲が、ニューヨークの空には大量発生している。


一方向だけにではなくて、その飛行機雲は縦や横に伸びていって交差する。


雲が発生した直後は綺麗な線を描いているのだが、時間が経つにつれて風がなびいて、雲はゆるくほどけていく溶けていく。

交差する飛行機雲

それがまた幻想的で目と心を奪われる。そして雲は消える。


飛行機雲が出来てから消えるまでにはゆるくなったり、ほどけたり、溶けたりするような過程が見られる。


一度発生したら消滅するという運命を辿るものは、このような過程が見られがちだ。


綿菓子みたい。

綿菓子作りでしか見たことないあの機械から発生した砂糖の雲は、人間の舌で溶けた後に消えていく。


ほとんどの食べ物は胃酸で溶かされて消えるし、氷やロウなどの固体類も決まった融点に達したら溶けてどっかへ流れて見えなくなるだろう。


人間関係とか、誰かとの関係が終わるときも液体の融点みたいに、決まった温度になったら目に見えて分かりやすく溶けて消えてほしい。


もうあなたには興味ありませんって思うなら、そう言ってほしい。好意を持たれているのかいないのか、そう考える時間がしんどい。


綺麗に溶けるアメちゃんは好きだけど、唾液程度のphでは溶けないガムちゃんは顎が疲れるだけ。


でも、心のどこかでは好意を持たれていることを願っていて、実際に溶けてしまったらそれはそれで辛い。結局、消えていくものは皆寂しい。

エンパイアステート

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