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ピアニスト反田恭平さんと筋肉

「筋肉アワー」との偶然の出会い

昨年末、2025年の大河ドラマのビデオ設定をしようと番組表を検索していたら、「筋肉アワー」の文字を偶然発見。5分番組が3回連続で放送されるらしい。よくわからないけれど面白そうだから、こちらも設定しておいた。

実際に放送されたのは、Eテレで12月31日の午後7:45から8:00。その時間って、普通のNHKでは紅白歌合戦の時間でしょ!そっちが大変だから、Eテレは再放送というわけか。

なんとピアニストの反田恭平さんが筋肉について対談する番組だった
再生してみると、ピアニストの反田恭平さんと筋生理学者の谷本道哉さんの対談だった。

対談場所は「万福」というのれんのかかった食堂(レストランではない)。お品書きが壁一面に貼ってある地元のおじさん達が食事に訪れるような飯屋だ。

オープニングでは、谷本さん(多分ここの主人役)が空のビール瓶が何本かはいったケースを上げ下げして筋トレをしていて、そこに反田さん(多分お客役)が現れるという設定。

どうして「万福」、どうして反田さん、はたまたどうしてビールケースでの筋トレかと、つっこみどころ満載の奇抜なオープニングだった。

Eテレの字幕によると

「筋生理学者・谷本道哉と一流アーティストが5分間”筋肉”を語り合うだけの番組です。」

だそうだ。毎回色々なゲストを谷本さんがお迎えするらしい。今回はたまたまピアニストがどこの筋肉を使っているかを語る内容だった。

以下、今回の内容を記しておこう。

第1話

  • 親指と人差し指の間の筋肉で「ハノン」を弾くと発達するのは「ハノン筋(正式名:第1背側骨間筋)」

  • 人差し指の下の方の筋肉で「ベートーベン」などの古典を引くと発達するのは「ベートーベン筋(正式名:第2背側骨間筋)」

  • 手のひらの膨らんだところにあり、オクターブなど指を広げる曲が多い「リスト」を引くと発達するのは「短母指外転筋」

  • ピアノを弾くときは第一関節が特に大事。反田さんは2年の訓練で第2関節を動かさずに第1関節だけを動かせるようになった

第2話

  • オーケストラと一緒に演奏するときは、大きな音を出すため上からたたきつけるような姿勢をとるので、「大胸筋」や「広背筋」が発達する

  • 都市伝説で、ラフマニノフというロシアの長身の作曲家は、力が強すぎてグランドピアノの左脚を折ったらしい

第3話

  • 指にだけ注目しがちだが、ペダルを踏むので足の筋肉も使っている

  • 1秒間に50回と思うほど小刻みに踏んでいる。それで発達している筋肉は、すねの外側の「前脛骨筋」

  • ペダルを踏みつけるときは、「腓腹筋」「ヒラメ筋」を使う

  • 鍵盤を弾くと同時にペダルを踏んだり、後出しにしたり、ペダルには60種類ぐらいの踏み方がある

  • ペダルを踏むことで、音の響きが芳醇になる

シュールな演出

反田さんというとショパン国際ピアノコンクールで2位になり、日本で最もチケットの取りにくいピアニストと言われているが、こんな飯屋で筋肉談義をしていたのがとてもシュール。

うーん、民放ではなかなかなし得ないプロデュース。

また、対談の合間に筋肉モデルとして上半身裸で登場して筋肉美を見せてくれた青柳さんも一種異様で微妙な味を出していた。

「筋肉アワー」のホームページで過去の放送分を見ると、サッカーや柔道、バスケットなどのスポーツの選手がゲストとなることが主流であるようだが、歌舞伎や日本舞踊などもあった。まあスポーツでなくても、生きていく以上、何にでも筋肉が必要ということだ。

この番組を見たからと言って、何がどうするわけでもないが、固定概念を打ち破ってくれるというか、新しい世界を知るというか、次に誰が登場してくるかワクワクする。


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Satsuki
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