笑顔が見たい
幼き頃、離れた土地から嫁いできた母は、
いつも不安そうでした。
時にヒステリックになり、
怒鳴り、多少手が出ることもありました。
そんな母は、
『あんたは私に似ている』と、
嬉しそうに言っていました。
母の家系は O型しかいない家系で、
父の家系花 O型のいない家系でした。
生まれた時に事情があって、
僕は血液型がわかりませんでした。
小学生の時、何かのついでに血液型を
検査してもらいました。
結果は A型でした。
母はひどく残念そうで、
『あんたも違うんだ』と、
寂しそうに呟きました。
僕は努力しました。
母と同じになるために。
勿論、元々似ている所もあります。
でも、努力で身につけた母の思考と行動も
たくさんあります。
そして、それは母の笑顔と引き換えに、
僕を長く蝕んでいきました。
いま、アンラーニングの時が来ました。