今日は何の日(2020/1/2)

1. 初夢

1-1. 初夢
一般的に、正月の2日の夜に見る夢を初夢と呼び、その夢で1年の吉凶を占う風習があります。この風習は中国から伝わったものです。
良い初夢を見るために、七福神を乗せた宝船の絵に回文の歌を書いたものを枕の下に敷くという風習もあります。なぜ回文を書くのかというと、縁起のよい夢を見た場合はそのまま、悪い夢を見たときには「ひっくり返して逆夢とし、吉ととらえる」という考え方からきているそうです。
回文の歌としては「なかきよのとおのねふりのみなめさめなみのりふねのおとのよきかな(長き夜の遠の睡(ねむ)りの皆目醒(めざ)め波乗り船の音の良きかな)」という歌が知られています。

1-2. 縁起の良い初夢
吉夢として有名なものは、「一富士、二鷹、三茄子」ですね。
なぜこの3つが縁起が良いものとなったのかについては諸説ありますが、
富士:日本最高峰の山、富士と無事の掛け言葉
:鶴や鳳凰と並んでめでたい鳥、鷹と高いの掛け言葉
茄子:茄子と事を「成す」の掛け言葉
などといわれています。
それでは4番目以降は何なのかというと、「四扇、五煙草、六座頭」や「四葬式、五火事」など、地域・文献により異なります。

1-3. 初夢の夜
上では正月の2日の夜に見る夢と書きましたが、初夢とはいつ見た夢のことなのかについては諸説あります。昔は立春を正月としていたため、節分から立春の夜に見る夢が初夢とされていました。その後、暦上の元日を新年の始まりと考えるようになると、初夢の夜として「大晦日の夜(大晦日~元日の間)」や「元日の夜(元日~2日)」、「2日の夜(2日~3日)」といった説が生まれました。元日の夜という説は、大晦日の夜は眠らないで年神様を待つという風習が生まれたためではないかといわれています。(大晦日の記事参照)2日の夜という説が生まれた理由は、書初めや初商いなど多くの新年の行事が2日に行われるようになったためだと考えられているそうです。
ちなみに、上記のタイミングで夢を見ることができなかった場合は、「その年の最初に見た夢」が初夢となります。

2. 初売り、初商、初荷

商店等は2日に店を開けて初売りを始めます。(初売り初商
しかし、最近では元日から店を開けることも多くなっています。
また、年が明けて最初に工場や倉庫など物流拠点から販売店へ向けて商品(製品)が出荷されることを「初荷」と言います。もともとは初売りに合わせて1月2日に行われていましたが、現在では仕事始めの4日ごろに荷物を送ることも多くなっています。

3. 皇室一般参賀

国民が皇居内にて天皇皇后両陛下および皇族方を賀する(祝意を表す)行事です。例年1月2日と天皇誕生日に行われるほか、皇位継承が行われた際にも行われます。

4. 正月行事・風習など (Part 2)

4-1. 正月飾り
正月飾りには、門松注連縄(しめなわ)、鏡餅などがあります。
それぞれの正月飾りの意味は、
門松は、年神さまをお迎えしお祭りする場所を示す目印
注連縄は、神聖な場所をほかと区別し、災いが入ってくることを防ぐために張るもの
鏡餅は、年神さまへのお供えとして飾るもの
です。

これらの正月飾りは松の内の期間中飾ります。松の内とは門松を飾る期間のことで、その期間は地域によって異なりますが、一般的には12月13日から1月7日くらいまでとすることが多いようです。松の内が過ぎたら鏡餅以外の正月飾りを片付けます。(鏡餅については後述します。)
正月飾りを飾り始めるタイミングとしては12月13日以降であればいつでもよいとされていますが、クリスマスの過ぎた26日頃から飾り始めるのが一般的となってきているようです。特に28日は末広がりの「8」、30日はキリが良い数字として、その日に合わせて正月飾りを飾る家庭も多いそうです。ただし、29日は「苦」を連想させる数字であり、31日は葬式と同じ一夜飾りなのは縁起が悪いため、避けたほうが良いとされるそうです。

4-2. 鏡餅
鏡餅は正月飾りの1つで、名前は昔の鏡の形に似ていることに由来します。
昔の鏡(銅鏡)は三種の神器のひとつであり、古くは弥生時代から使われました。鏡は、日の光を反射し太陽のように光ることから、日本神話で太陽の神様とされる天照大神に見立てられ、神様が宿るものと考えられるようになり、神事などに用いられました。そこから鏡餅は、年神様へのお供えや年神様の依り代として飾るものとなりました。鏡餅の丸い形は家庭円満を表し、重ねた様子は1年をめでたく重ねるという意味が込められているそうです。

年神様は、新しい年の幸福や恵みとともに、私たちに「魂(私たちの生きる力、気力のようなもの)」を分けてくださると考えられていたそうです。鏡餅は年神様の依り代なので、鏡餅には年神様の「御魂(みたま)」が宿ります。鏡餅の餅玉が年神様の御魂であり、その年の魂となる「年魂」です。そして、年魂をあらわす餅玉を、家長が家族に「御年魂、御年玉」として分け与えました(お年玉の由来、元日の記事も参照)。なお、「玉」は「魂」という意味です。
また、いただいた「魂」を体内に取り込むための料理が「雑煮」で、そのため雑煮には餅を入れます。

飾る場所は一般的には床の間ですが、床の間がない場合は玄関から離れた場所や飾り棚などに飾ります。飾り方は、三方(さんぽう)と呼ばれる台の上に奉書紙か半紙をおき、ウラジロ(シダ)、ゆずり葉を敷いた上に昆布をおき、その上に下から大小2個の平たい丸餅を重ね、一番上にダイダイを乗せます。

鏡餅は鏡開きの日に下げ、開いて食べます。鏡開きの日は一般的に11日とすることが多いようです。鏡餅を開くときは、刃物を使うと切腹を連想させ縁起が悪いので、木槌や手で開きます。また、生のお餅を飾り、飾っている間にカビが生えてしまった場合は、1月15日頃に神社で行われるお焚き上げにもっていくと良いそうです。

4-3. 羽根つき
日本の正月に行われてきた伝統的な遊びのひとつで、ムクロジの種子に羽を付けたものを羽子板で打ちます。
羽根つきの起源には、14世紀頃に中国で羽根に硬貨をつけたものを蹴る遊びがあり、それが室町時代に日本へ伝来したものという説や、奈良時代より女子が神事として行っていた、棒で球を打つ「毬杖(ぎっちょう)」という遊びを起源とする説があるそうです。
羽根に使われているムクロジは、漢字では「無患子:子どもが患わ無い」と書くそうです。つまり、羽根つきは1年の厄をはね、子供の成長の無事を願うものです。打ち損なって羽根を落とすと、顔に墨を塗られるというルールも、魔除けのおまじないです。

5. 関連する行事

5-1. 元日 (1/1)

5-2. 大晦日 (12/31)

5-3. 鏡開き


6. 参考文献


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