今日は何の日(2020/4/1)
1. エイプリルフール
エイプリルフール (April Fools' Day) とは、毎年4月1日には嘘をついても良いという風習のことです。日本語では、エイプリルフールを直訳した「四月馬鹿」や漢語的に表現した「万愚節」という呼び方もあります。また、中国語では「愚人節」というそうです。
2. 起源
エイプリルフールの由来には諸説ありますが、有力とされる説は次のようなものです。
かつて、カトリック国では受胎告知日(聖母マリアが天使ガブリエルから神の子の宿りを告げられたとされる日)であり、春分の日である3月25日を一年の始まりとしていました。そして、3月25日から4月1日まで春の祭りを開催していたそうです。
しかし、16世紀にフランスのシャルル9世によりグレゴリオ暦が採用された際、新年元日は1月1日である、という意識づけが行われました。そして、新年が1月1日に変更になった後も、そのことに気がつかず、あるいはうっかり古い慣習を踏襲して、春に新年のお祝いをしている人たちをからかった、もしくは新年元日の変更に反発しバカ騒ぎをしたことからエイプリルフールが始まったとされているそうです。
他にもインドを起源とする説やイングランドを起源とする説などがあるようです。
3. プワソン・ダヴリル
フランスでは、エイプリルフールは「プワソン・ダヴリル (Poisson d'avril, 四月の魚)」と呼ばれ、魚の絵を描いた紙を友人の背中に貼るいたずらをしたり、魚の形のケーキを作って食べたりするそうです。
魚の理由も諸説ありますが、一説によると、4月初旬から魚が産卵期に入るため漁獲が禁止されますが、漁獲最終日の4月1日にもかかわらず無収穫で帰ってきた運の悪い漁師をからかって、魚を川に投げ込んで釣らせたのが始まりと言われているそうです。
4. オークアップルデー
イングランドでは、1660年の王政復古の記念日として、5月29日を「オークアップルデー (Oak Apple Day)」として祝っていました。チャールズ2世がオークの木に隠れて助かったことから、この日の午前中だけオークの実 (Oak Apple) を身に着けて国王に忠誠を誓う習わしがあり、その影響から、イギリスでは4月1日のエイプリルフールの嘘をつける期限を正午までとする風習があるそうです。
(ただし、このルールはイギリスでのルールであり、そのほかの国では特にそのようなルールはないようです。)
「エイプリルフールに嘘をついていいのは午前中だけである」という主張が最近見られるようになりましたが、これはこのイギリスの風習が日本に伝わり、ネットなどの影響で広がったもののようです。
ちなみに、このルールでは午後はネタばらしをする時間なのだそうです。
5. エイプリルフールの自粛
4月1日には、世界中で新聞が嘘の内容のニュース記事を掲載したり、報道番組でジョークニュースを報道したりといったことが広く行われています。しかし、近年はいわゆるフェイクニュースが社会問題化し、エイプリルフールを自粛する企業も現れているようです。
また、今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、4月1日のエイプリルフールを自粛する企業が相次いでいるそうです。一方で、「こんな状況だからこそ、あえてエイプリルフールをやる」と考える企業もあるようです。
個人的には、エイプリルフールに人を楽しませるような嘘をつくことは問題ないと思いますが、人々を不安にさせたり、社会を混乱させるような嘘をつくことだけはすべきではないと思っています。エイプリルフール企画を実施する際には、その嘘によって余計な混乱を招くことがないか十分に配慮したうえで行うようにしましょう。